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不遇の錬金術師  作者: 秀一
最終章 大戦編
131/146

131話 ベルクランド軍


 ファーランド共和国西部。

 

 ファーランドがコーネリアとの国境沿いに設置していた哨戒所は、元々警備が手薄だった。ベルクランドのドワーフたちの大砲による砲撃を受け、瞬く間に破壊された。

 

 ドワーフたちは、この場に仮の陣を敷いた。

 

「やれやれ、つまんないわねえ」

 そういう女ドワーフ。赤い髪の壮年の女性で、煌びやかな赤い鎧を着ている。彼女がこの部隊のリーダーのようだ。

 

「ミカ様、油断めさるな。ファーランドとて、兵なしというわけではありませぬ。最大限の警戒を」

 そう言う隻眼の老ドワーフ。熟練の兵士のようだ。

「あーはいはい。まったく、あなたの慎重さにも参るわ。別に本日中にファーランドを落としても良かったんじゃない?」

 ミカと呼ばれたドワーフの女はそう言った。

 

「ミカ様、ファーランドを落としてもアルパを喜ばせるだけです。それよりは、やはりジャムルを落とすべきかと」

 そういう眼鏡をかけた若いドワーフの男。彼が軍師だろうか。

「緑風石だっけ? 役に立つの?」

 ミカは聞いた。

「使い方にもよりますが……。矢にすればいくらでも飛び、必ず命中するとか」

 軍師らしき男はそう言った。

 

「ふん、エルフじゃあるまいし。矢なんて不要よ。私達には、この爆石砲があるじゃない」

 ミカはそう言った。

「しかしこれは限りがありますからな。これまでのコーネリアでの戦いでも、湯水のように使ってしまいましたし」

 老ドワーフはそう言った。

「だからこそよ。ファーランドの首都を落としたら戦争も終わるでしょ」

 ミカは言った。

 

「それはそうかもしれませんが……。この際、ファーランドと和睦しても良いのでは」

 軍師らしき男はそう言った。

「冗談じゃないわ。私達は勝つ。なのに和睦? 論外よ」

 ミカは言った。

「そうだぞウル。ここまで来て、それは無かろう」

 老ドワーフは言った。

「ふむ。コンラート様なら、分かっていただけると思いましたが……」

 ウルはそうつぶやいた。

 

「攻撃は明日よ。ファーランドの命運も明日までよ」

 ミカはそう宣言した。

「はっ」「はっ」

 二人はそう答えた。

 


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