130話 来襲
その日の夜中。
皆が寝静まった頃に、突然人がやってきた。
「失礼! フェイ様はおられるか!」
叫ぶ男。兵士のようだ。
「な、なんだテメエ! 今真夜中だぞ!」
イラついて叫ぶルシールさん。
「失礼。フェイ殿は?」
そう聞く兵士らしき男。
「寝てるよ。何だ? 用件を聞かせろ」
ルシールさんはそう聞いた。
「西部からベルクランドの部隊が攻撃してきました! 哨戒所は廃墟と化し、明日にもファーランド首都に襲い掛かるのではないかと、今首都は大騒ぎになっております!」
そう言う兵士。
それにしても眠いが……、起きざるを得ないようだ。
「その報告、間違いは無いか……?」
僕は近づき、そう聞いた。
「おられましたか。レフ様より書状が」
兵士は書状を渡してくれた。僕は封を切り、それを読んだ。
―――
西部より敵来る。すぐ戻られたし。
レフ
―――
間違いなく本人の書状だ。それにしても簡潔だが……。
「仕方ない。ルシールさん、それに兵士殿も、申し訳ないが皆を起こして頂きたい」
僕は言った。
「しゃーねーな……。おい! 起きろ!」
ルシールさんは叫んで兵士たちを起こしてくれた。