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不遇の錬金術師  作者: 秀一
最終章 大戦編
127/146

127話 フェイの復帰


「はい、あーん」

 そう言ってリンゴを切ったものをくれる姫様。僕は食べた。

 

「ありがとうございます、姫様。でも僕は大丈夫ですから」

 僕は何か恥ずかしくなっていった。

「何言ってるの! 動いたら駄目だよ。また病気になるから!」

 そう言う姫様。

 

「あはは、姫様ってばぞっこんだね。それにしても、そろそろ動かないとフェイ君もデブになると思うんだけど?」

 そう言うドロテア。

「そうだよね……。そろそろ動いて良い?」

 僕は聞いた。

「駄目! もっと休むの!」

 そう言う姫様。そう言われてもなあ……。

 

「駄目だぞ姫様。人間、多少は動かないと」

 ブランカ師匠もそう言った。

「んー、そうですか。んじゃちょっとだけ動いて良いよ」

 そう言う姫様。

「はあ……」

 僕は立ち上がった。

 

 本当に久しぶりだ。ていうかちょっとだらけ過ぎかな……。ついつい姫様に甘えてしまった。

 

「少し学内を見て回ります」

 僕は言った。

「私も行くー!」

 姫様は言った。

「あーもう、行ってらっしゃい」

 付いていけない感じのドロテア。

 

 僕は姫様と、学園を見て回った。そうすると、エルメ達は不思議な事をしていた。何か鉄の棒みたいなのを構えている。

 

 僕と姫様は訓練場へ行った。丁度、ユリアナが笛を吹き、部隊を動かしていた。

 

「構え! 撃て!」

 叫ぶユリアナ。ドドドーン! と凄い音がして、的が粉々になった。

 

「うわ! 何!?」

 驚く姫様。あれは……。

 

「やあユリアナ。変わったことをしてるね」

 僕は言った。

「これは先生。もうお体はよろしいので?」

 そう聞くユリアナ。

「だいぶね。あれは、火薬兵器かい?」

 僕は聞いた。

 

「ええ。火縄銃です。生徒たちが意見を出して、色々改良したんですよ」

 ユリアナは言った。

「そりゃあ凄いな……。良い事だ」

 僕は言った。

 

「こちらには大砲もありますぞ。これだけあれば、そう簡単には負けぬかと」

 魔族のムース氏がそう言った。

「大砲についても、訓練を?」

 僕は聞いた。

「ええ。ただ、あれを当てるのは至難の業だと思いますけどね」

 ユリアナはそう言った。

 

 僕は生徒たちの訓練を見て回った。銃は引き金を引くと火縄が飛び込んで撃てるようになっているし、火薬の量も紙袋に入れて調節してあるようだ。

 

「凄いね。これ全部ユリアナが?」

 僕は聞いた。

「まさか。みんなで協力した成果ですよ」

 ユリアナは言った。

「でもユリアナが色々やったのは確かだけどね。ファーランド兵の中には、ユリアナが指揮するのを嫌がる人も居たけど……」

 エルメは言った。

 

「そっか。面倒事を押し付けてごめん。僕もまた頑張るから、補佐を頼むよ、ユリアナ」

 僕は言った。

「ええ、もちろんです」

 ユリアナはそう言った。

 


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