125話 改良
ユリアナは早速、銃や大砲を軍事学校の仲間たちに見せた。
当然ながら、みんな驚きをもって迎えていた。しかしすぐに扱いをマスターし始めた。
「へえ、こりゃ凄いね。ファーランドの兵士たちにも教える?」
そう聞くダークエルフの少女、アネタ。
「いや、数に限りがあるし、敵に真似されるわけにもいかないから、基本的には私達だけで運用しようと思う」
ユリアナは言った。
もっとも、銃の扱いは難しく、トロルや龍人では扱えなかった。しかしエルフのヴァンダやダミアン、ダークエルフのヤコポ、アネタ、パウルの5人は見事に使いこなしていた。特にヴァンダは、遠距離の的にも軽々と命中させていた。
「お見事だね。でもさ、これやっぱりイマイチ使えないと思うんだけど」
人間の男の子、イクセルは言った。
「ん? どうして?」
エルメが聞いた。
「いやだってさ。これって要するに、火縄に火をつけて時間が立てば撃てるんでしょ? 実際の戦いでそんな余裕があるとは思えないんだけど」
イクセルはそう言った。
「確かにそれは私も思った。瞬時に射撃できるようにしてほしい」
ヴァンダは言った。
「うーん、確かにそうだね。アーダさんに相談してみるよ」
ユリアナはそう言った。紙にメモする。
「そこも問題だけどさ。火薬を適量測って入れると言うのも相当無理があるよね。多いと危ないし、少ないと上手く撃てないしさ」
ヤコポは言った。
「それに関しては、最初から測って何かに入れておけばいいんじゃ?」
そう言うリザードマンのタチアナ。
「良いかもしれませんね。そう言う準備なら、僕も手伝えるかも……」
ノームのエドウィンは言った。
「ふむふむ……。やっぱり実際に使ってみると、色々問題点が出てくるものだね。みんなもアーダさんたちの研究室に来なよ。色々改良して貰おう」
ユリアナはそう言った。