121話 体調不良
僕は1000人の兵を率いて、カランに戻った。
しかし無理がたたったのか、僕の体調は最悪だった。
「フェイ! 熱が出てるじゃない!」
姫様が僕のおでこを触って言った。
「馬鹿者! 休めと言っただろう!」
ブランカ師匠は怒っていた。
僕は結局、休むしかなかった。ひとまず、部屋にユリアナを呼んだ。
「失礼します」
ユリアナはやってきた。
僕はベッドに寝ていた。辛い……。
「呼び立てしてすまない。しばらく、君に全てを任せようと思ってね」
僕は言った。
「そんな……。私はゴブリンなんですよ?」
不安そうなユリアナ。
「そんなのどうでもいいさ。いずれにせよ、僕はあまり役にたてそうにないしね……、ゴホッゴホッ」
咳が出た……。
「大丈夫ですか? あなたが総司令官なのに……」
そういうユリアナ。
「まったく、情けない総司令官だよね……。でももうしばらく寝るからさ、とにかく君に任せるよ。ああ、でもさ。アーダちゃんと、ブランカ師匠とシルヴィア師匠の言う事はちゃんと聞くようにね」
僕は言った。
「錬金術師の方々ですね。皆さん信用できるでしょうか?」
そう聞くユリアナ。
「もちろんさ。僕なんかよりよっぽどね。君も良くやってくれているみたいだし……。みんなで協力して、乗り越えてくれ」
僕は言った。
「わかりました……。先生も、お体ご自愛下さい」
ユリアナはそう言ってくれた。