120話 責任
アルパとの交渉は物別れに終わり……。議会も終わった。
僕はレフさんの部屋に呼ばれた。
「フェイ君……。良くやってくれたね」
そう言うレフさん。
「そうでしょうか……。僕のやったことが、正しかったかはわかりませんが。でもレフさんを追放するなんて、僕にはできませんよ」
僕はそう言った。
「カッコよかったよ、フェイ!」
そういうリーケ姫様。
「まあ、フェイ君なら当然だよね」
ドロテアはそう言った。
「フェイ殿なら、ああ言ってくださると思っていた」
アドリアンさんはそう言った。
「思えば、色々な絆を紡いだものですな、フェイ殿。しかしこうなった以上、あなたには責任を取って貰わねばなりませんぞ」
レフさんは言った。
「……というと?」
僕は聞いた。
「言ったはずですぞ。最後の一人になっても戦うと。もちろん、私共も最後まで戦います。最後の最後まで戦います。あなたにはその象徴、総司令官になっていただきたい」
レフさんは言った。
総司令官! 総司令官か……。
「僕にその資格があるでしょうか?」
僕は聞いた。
「君しかやれない事だ。あの時、誰が声をあげても良かったが、きっと君しか声をあげられなかったし、そう言う運命だったのだろう。君の言葉、よもや嘘ではないだろう?」
そう聞くレフさん。
「はい」
僕は答えた。
「ならワシは君に託そうと思う。これは議員たちの多くも同意してくれたことだ。頼む。この国を救ってくれ、フェイ君」
レフさんは言った。
「そこまで言われたら、断る理由はありません」
僕は言った。
「うむ、頼むぞ」
レフさんはそう言った。
「ただひとまず、カランに帰ろうと思います。色々準備することもあるので」
僕は言った。
「君に任せよう。兵をいくらか連れていけ。カランと言えど、もはや安全とは言えないでな」
レフさんはそう言った。