表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不遇の錬金術師  作者: 秀一
最終章 大戦編
118/146

118話 降伏勧告


 僕達はファーランドへと辿り着いた。

 

「フェイ殿。降りてくだされ」

 馬に乗って護衛してくれたアドリアンさんが言った。

「ああ、ありがとう」

 僕は馬車から降りた。

 

 まだ体は万全とは言えない。が、まあ何とかなるだろう。

 

 僕達はファーランド城へと入城した。

 

 兵士の数は十分のようだが、みんなあまり覇気は無い。やはり劣勢なのだろう。僕はレフさんの部屋へと急いだ。

 

「失礼します」

 扉を叩き、開け、入った。

 

 そこには青いトカゲのレフさんが居た。

 

「おお、フェイ君。心配していたよ。君に死なれちゃ、本当にどうしようもないからね」

 レフさんはそう言った。

「すいません。心配をおかけしまして……」

 僕は言った。

「体はもう良いのか?」

 そう聞くレフさん。

「それなりには」

 僕はそう答えた。

 

「状況は控えめに言って最悪だ。今日は元老院にアルパのマリーセ王女が来ることになっていてね」

 そう言うレフさん。

「そりゃまた、何をしに?」

 僕は聞いた。

「そりゃもちろん、降伏勧告だろうさ」

 そう言うレフさん。

 

 降伏勧告か……。確かに、戦況を考えればありえることだ。

 

「受け入れるので?」

 僕は聞いた。

「わからん。元老院も割れておる。アルパとの戦争、勝ち目はないかもしれんしな……。ただ、どんな条件で降伏する羽目になるかのほうが、ワシは心配じゃ」

 そう言うレフさん。

「場合によっては、降伏もやむなしですか……」

 僕は言った。

 

「悲しいがな。まあ、ワシは老い先短い身、どうなろうが構わんがな。お前のような若者が傷つくのは見てられんのじゃ」

 レフさんは言った。

「レフさん……」

 僕は泣きそうになった。

 

「お主も議会には出てくれるか?」

 そう聞くレフさん。

「ええ、もちろんです」

 見届けよう。何があっても……。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ