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115話 目覚め
僕は目を覚ました。
天井には何もない……。でもそばには、姫様が居た。寝ていた。
すう……、と可愛らしい寝息を立てる姫様。青い髪が風に流れる。
僕はそのほっぺたをつねってみた。
彼女は目を覚まし、僕を見て、泣いた。
「姫様……?」
僕はきっと、不思議そうにしていた。
「馬鹿! フェイの馬鹿! もう目を覚まさないんじゃないかと……」
姫様はそう言った。
「そんな……、僕は、大丈夫ですから……」
そう言ったが、猛烈に腹が減ってきた。
「お腹すきました……」
僕はそう言った。
「まったくもう……、ご飯! ご飯持ってきて!」
姫様がそう叫んでいた。