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不遇の錬金術師  作者: 秀一
最終章 大戦編
112/146

112話 無事


 雨の中、僕は生徒たちを連れ、ファーランドへと退却した。

 

 冷たい雨が、体力を奪う。疲れを感じる。しかし、戻らなければ……。

 

 ファーランドへ辿り着いたころには、もう夜になっていた。灯りがともっている。

 

 ファーランド城内には、多くの兵士たちが集結していた。シルヴィオさんやレフさんが、徴兵をしたようだ。レフさんも、ハイランドからファーランドへと戻っていた。

 

「おかえり、フェイ君」

 そう言うレフさん。

「どうも。速いですね、レフさん。ハイランドの情勢は?」

 僕は聞いた。

「思わしくは無いぞ。まあ、セラさんが居る限りは大丈夫だと思うが……」

 そう言うレフさん。

 

「やあフェイ君。姫様がお待ちかねだよ」

 シルヴィオさんがそう言ってくれた。僕は応接室に急ぐ。

 

 そこには、コーヒーを飲んでくつろいでいる姫様が居た。良かった、無事だったか。

 

「姫様、ご無事でしたか」

 僕はそう言った。

「フェイ、あなたこそご無事で。良かったわ」

 姫様はそう言った。しかし消耗しているようだ。服も所々傷んでいる。

 

「一体何があったんですか?」

 僕はそう聞いた。

「大変だったわ。と言っても、ベルクランドが攻めて来ただけだけどね。あっという間だったわ。爆石砲ってあんなに強力なのね。私は何とか船に乗って脱出できたけど、ミカエルとドミニクはどうなったか……」

 そう言う姫様。悲しそうだ。

 

「そうですか。それにしても、大変なことに……」

 僕はふらっとして、そのまま――、倒れた。

 

「フェイ!? フェイ! しっかり! フェイ!」

 姫様の声は、意識の遠くで聞こえていた……。

 


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