111話 急報(後編)
「何だって!? どういう事だ!?」
僕は叫んだ。意味が分からない。
コーネリア城が陥落!? ありえない! コーネリアとアルパは確かに国境を接しているが、僅かだ。城塞が防御しているはず……! 第一今アルパはファーランドと戦争をしているんだぞ! 不可能だ!
「ベルクランド王国の強襲です。爆石砲の攻撃で、城は粉々に……」
そう言う伝令。
ベルクランド王国!?。そういうことか……!
かつて師匠が居た国。エルフを滅ぼしたという。恐るべき軍事力の国だ。しかしよりにもよってこんな時に! 完全にやられた! アルパとベルクランド、二国は組んでいるのか……。ありえることだ!
「な、何てことだ。姫様はどうした!」
ルシールさんは聞いた。
「姫様は無事です。ファーランドに避難しておられます」
そう言う伝令。
そこは良かった。姫様まで失ってしまえば、僕は……。
「フェイ殿。リーケ様は、あなたに会いたがっていました。どうかファーランドに戻ってくださいませんか」
伝令は言った。
「僕としてもそうしたいけど……」
僕は悩む。
「構わんよ。戻りたまえ。どちらにせよ、ファーランドで一度、軍を整えるべきだ。第一、ベルクランドが侵略してくる可能性もある」
ルシールさんはそう言った。
そうだ。その危険がある。
最悪の状況だ。北からはアルパ、西からはベルクランドか。……とにかく、状況を整理しなければ……。こうなってしまえば、戦力も不安だし、一旦カランにも戻りたい。
「ルシールさん。僕は一度ファーランド、できればカランにも戻ります。余裕があれば、船をお貸しします。どうか耐えてください……」
僕は言った。
「余裕は無かろう。君の幸運を祈るよ」
ルシールさんはそう言った。




