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不遇の錬金術師  作者: 秀一
最終章 大戦編
110/146

110話 急報(前編)


 イリスに着くと、既に敵は居なかった。

 

「フェイだ。門を開けてくれ!」

 僕は叫んだ。確認に時間はかかったが、門は開かれた。僕達は入城した。

 

 先の戦い、生徒たちには被害は無かったが、ファーランド兵はかなり戦死していた。怪我人も多い。治療が必要だ。僕はルシールさんの屋敷を訪ねた。

 

「ご無事でしたか? お疲れさまでした」

 そう言ってくれたのは、ドワーフのカンデさんだ。僕や兵士たちに、暖かいお茶を振るまってくれた。

 

「ありがとう」

 僕はそう感謝した。

「お父様が呼んでおられますわ」

 カンデさんは言った。

 

 イリスはまだ緊張感があるが、敵が居なくなったこともあって少し楽な気分になっているようだ。僕はルシールさんの部屋へと入った。

 

「お疲れ様です、ルシールさん」

 僕は言った。

「やあ、フェイ君。お疲れ様、だな」

 ルシールさんはそう言った。胸甲を付けているようだ。

 

「いよいよ戦争が始まってしまったな。ハイランドの情勢はどうだね?」

 ルシールさんはそう聞いた。

「わかりません。セラさんが居るから、そう簡単には陥落しないとは思いますが……」

 僕は言った。

「そうならいいがな……」

 ルシールさんはそうつぶやいた。

 

 もっとも、それは何とも言えない。敵はハイランドに集結しつつある。

 

「フェイ君。私はアルパを攻撃しようと思う」

 ルシールさんはそう言った。

 

 アルパへの攻撃。可能だ。海戦で優位がある。

 

 しかし、それは……。

 

「街を焼く、ということですか」

 僕は聞いた。

「そうだ。致し方あるまい」

 ルシールさんはそう言った。

 

 アルパは僕にとっての故郷だ。心苦しいが……、しかし、こうなった以上、やむを得ないのかもしれない。

 

「苦しい戦いですね」

 僕は言った。

「そうだな、しかし……」

 ルシールさんはそう言ったのだが。

 

「伝令! ルシール殿はおられるか!」

 ファーランド兵がやってきた。

 

「何事だ?」

 ルシールさんは聞いた。

「ルシール殿! それにフェイ殿も。丁度良かった!」

 そう言う伝令。

「どうかしたんですか?」

 僕は聞いた。

 

「はい! コーネリア城が陥落したとの事です!」

 伝令は、とんでもないことを言った……。

 


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