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不遇の錬金術師  作者: 秀一
最終章 大戦編
104/146

104話 暗闘


 エルマーは死んだ。

 

 セラさんは言った。

「お前たちも、死にたいか」

 冷たい声で、そう言った。

 

「ひっ」

 怯える騎士たち。そして……。

「うわあああああ!」

「化け物だああああああああああ!」

「助けてくれええええええええ!」

 そう叫んで、逃げて行った。

 

 そうして敵は去った。そしてセラさんは言った。

「ふう……、門を開けてくれ」


 門の守り手が門を開け、セラさんは中に戻った。

 

「ありがとうございます。セラ様……」

「さすがお強い!」

「お見事でした!」

 歓声をあげるエルフたち。しかしセラさんは疲れたのか、屋敷へと戻って行った。

 

「強いですね、本当に」

 僕は言った。

「ええ……」

 エルフの女性はそう答えた。

 

 セラさんはその後、深い眠りに落ちた。魔剣の使用と命を賭けた戦い。見た目以上に消耗したのかもしれない。

 

 僕はエルフたちに命じ、夜間の守りを固めた。寝込みを襲われるわけにはいかない。パラディンは去ったが、残りの敵が居る可能性は十分にあった。ただでさえ、状況は掴めず、みんな混乱していた。

 

 果たして敵は居た。先ほどのパラディンたちは囮だったのかもしれない。逆方向から、敵の傭兵部隊が近づいて来た。僕はエルフたちに弓矢を持たせ、城壁の守備を固める。

 

 敵が近づいて来た。

 

「放て!」

 僕は命じた。矢が地面に突き刺さる。敵は気付き、射程外へと退却した。

 

「フェイさん、どうしましょう。セラ様を起こしましょうか」

 そういうエルフの男。

「いや、休ませてあげたい。僕達で何とかしよう」

 僕は言った。

「そうですね……」

 不安そうながらも納得した男。

 

 この街はセラさんの街だ。それに頼りたいのもわかる。でも不眠不休で戦ってもらうわけにもいかない。

 

 ひとまず敵は離れた。後は援軍が来るのを待つだけだ。

 


 

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