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不遇の錬金術師  作者: 秀一
最終章 大戦編
102/146

102話 嫌な再会


 アルパ王国騎兵隊、パラディン。

 

 その実力は世に聞こえ、人族最強の兵科とも言われる。人馬共に全身を煌びやかな鎧で固め、敵に突撃し叩き潰す、問答無用の重装騎兵。かつて大陸全土を支配したアルパ王国の屋台骨とも言える世界最強の騎士団だ。

 

 その騎士団が、その伝説そのままに僕達の前に居た。ハイランド城壁外。

 

「出てこい剣聖セラ! 我々と戦え!」

 叫ぶ男。僕はその男を知っていた。魔法学校で散々僕をいじめた男、エルマーだ。

 

「エルマー! お前何をやっているんだ!」

 僕は叫んだ。

 

 僕の姿を見て、少し驚いたエルマー。しかしすぐにニヤニヤして叫んだ。

「フェイじゃないか! 懐かしいな! そんなところに隠れてないで出て来いよ!」

 叫ぶエルマー。

 

 しかし出て行くわけにもいかない。

 

「どうしたこの臆病者! エルフに守られないと何もできないか! ああん!?」

 相変わらず口の悪いエルマー。

「お前何をしているんだ!? 騎士団に入ったのか!?」

 僕は混乱し、叫んだ。

 

「ふん、俺は騎士団長になったんだよ。お前は何だ? そこで隠れて小便漏らす役目でも貰ったのかい!」

 そんなことを叫ぶエルマー。あいつが騎士団長? 悪い冗談だ……。

 

「フェイ君を侮辱するのはやめたまえ」

 セラさんがそう言った。怒気を含んでいる。

 

「セラさん、おられましたか! さあ今すぐその剣術、見せてもらいましょうか! もっとも、剣聖なんて肩書は偽物だと思いますがね!」

 叫ぶエルマー。

 

「臆病者!」

「偽物!」

「バーカバーカ!」

 やたらと挑発してくるパラディンたち。

 

 恐らく、城壁の外でこちらを挑発し、出方をうかがっているのだろう。いずれにせよ、完全な戦争行為だ。

 

「セラさん、これは戦争です。私はファーランドに引き返し、援軍を持ってきましょう」

 僕はそう言った。

「いや、必要ない」

 セラさんはそう言った。

「はい?」

 僕は聞いた。

 

「たまには私も運動するさ。まあ、私が死んだら援軍を呼んでくれ」

 そんな事を言って、セラさんは、城壁の外へ飛び降りた。

 


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