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不遇の錬金術師  作者: 秀一
第五章 鎖の街 カラン軍事学校編
101/146

101話 セラさんとお話


 こうして僕とエドウィン君は、二人でハイランドへ向かった。

 

 カランからハイランドまでは相当な距離がある。しかし、僕達は訓練で何度もハイランドまで出かけていた。勝手知ったる何とやらだ。

 

「エドウィン君は、何か気になる事とかあるの?」

 僕は聞いてみた。

「まあ特には無いですが……。でも僕なんかが軍事学校に居て良いのかと思いますけどね」

 そんな事を言うエドウィン君。

「そんな謙遜する必要は無いよ。エドウィン君だって役に立つさ」

 僕はそう言った。実際、今回の旅でセラさんの許可をもらえれば、ハイランド近辺の金属か何かが手に入るかもしれないしな。

 

 そんな話をしつつ、僕達はハイランドに辿り着いた。

 

 ハイランドは森の中にあり、丘の上のような場所にある。普段は街には入らないが、今回は入らなくてはならない。

 

「すいませーん」

 僕はあいさつした。門番の男エルフが応対してくれる。

「これはフェイ殿。どうされました?」

 そう聞く門番。

「ちょっとセラさんに用があるんだ。会わせてもらって良い?」

 僕は聞いた。

「もちろんです。どうぞ」

 通してくれた。

 

 城壁の中に入った。街は復興しているが、木造の家が多く、昔ながらの街並みと言う感じだ。エルフはこういう感じの方が落ち着くのだろう。

 

 セラさんの屋敷に入った。セラさんは、テーブルでお茶を飲んでいた。

 

「こんにちは、セラさん」

 僕は声をかけた。

「その声、フェイ君か。久しぶりだね」

 セラさんはそう言って微笑んでくれた。

 

 僕はセラさんと話をした。あれからグランテイルに行ったことや、師匠と再会したこと。軍事学校を開いた事等。セラさんは微笑んで聞いてくれた。

 

「そうか……。君も色々な経験をするものだね」

 セラさんはそう言った。

「ええ。毎日が新しい経験の連続ですよ」

 僕はそう言った。

 

「それで、今日は私と話をしに来てくれたのかな」

 そう言うセラさん。

「いや、このエドウィン君がちょっと提案をね」

 僕は言った。

 

「はじめまして。エドウィンです。セラさん、このハイランドの近辺にある鉱山を調べてみたいんですが……」

 エドウィン君はそう言った。

 

「鉱山の開発は自然を害してしまう。それに見合う価値はあるかな」

 難色を示すセラさん。

「価値は必ずあります。フェイさんなら必ず、良い結果をもたらしてくれるはず」

 エドウィン君はそう言った。

 

「もちろん私もフェイ君の事は信頼しているが……。祝福の森のこともあるしな……」

 そういうセラさん。

「祝福の森の事は聞かれたので?」

 僕は聞いた。

 

「ああ、酷い話だ。森を焼き尽くすとは……。王や王妃様はご無事だろうか」

 そう言うセラさん。

「王女様は無事だったようですけどね……」

 僕はそう言った。

「ヴァンダ様か。おいたわしい」

 セラさんはそう言った。

 

「それで、鉱山の開発は……」

 エドウィン君はそう言ったのだが、

 

「セラ様、大変です!」

 突然、エルフの男が走り込んできた。

「どうした!?」

 叫ぶセラさん。

「アルパ王国の騎兵隊が、こちらに向かっています! パラディンです!」

 エルフの男はそう言った。

 


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