1話 いじめ
「やーい、バーカバーカ!」
「きゃはっははははっははは!」
今日も何か馬鹿にされる僕。魔法学園の休み時間。
僕はフェイ。錬金術師だ。どうして錬金術師なのか……。魔術師とか神官ならばもう少し評価されたんだろうけど。でも生まれつきで魔術の才能はほぼ決まってしまうので、仕方ない。
「おいフェイ! パン買って来いよ!」
そんなことを言う剣士の男の子。
「や、やだよ。僕お金ないし……」
本当にあんまりない。うちは貧乏なんだ。
「なんだと! この野郎!」
そう言って顔を殴られる僕。
「うわーん!」
泣きながら部屋の隅に籠る僕。
「きゃはは! フェイ君また泣いてるー」
「やーい、泣き虫フェイー」
ひたすら馬鹿にされる僕。
「ちょっと! やめなさい!」
そんな僕をかばってくれる小人族のソフィーちゃん。ちっちゃい。と言っても、一メートルぐらいはあるけど。
「なんだソフィー! 邪魔するのかよ!」
「えーい!」
魔術師の女の子が衝撃波の魔法を放ち、ソフィーちゃんは吹っ飛ばされた。僕にぶつかる。
「きゃああ!」「うわあ!」
びっくりする僕達。
「あはははは!」
「きゃはははは!」
僕達はひたすら笑われていた……。