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狼転移(仮題)  作者: 三軸走行男
一章 テロリスト退治編
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40 さいつよおじいちゃん

お久しぶりです。もっちもちです。何て言うか、本当にスミマセン。内容が全く浮かばなくて。驕ってるようであまりあれなんですけど・・・・所謂スランプというものになっちゃったみたいで。悩み過ぎて本当にこれでいいのかと・・・・。新作品のアイデアはそこそこ出る癖に。


休んでる間、新しい作品の案が50作品ほど出ました笑これもめっちゃ面白くなるだろうテーマなのにね。難しい。とにかく、ガンバります!




あれは、何者かによる工作だった。思い返せば、アリスフィアの困惑していた表情が浮かぶ。何者かによる介入によっての事なのは、間違いないだろう。しかし、一体何者が・・・・?反乱組織のものが?でも、アリスフィアによる資金集めで一時停止しているはず。計画を早めなくてはいけない理由が出来たのか・・・・?


「分からない。分からないけど・・・・何かまずい」

「コルくん?」

「ちょっと、ログウェルドを探してくる。何かまずいことが起こる気がする」


そういうと、勢いよく家から飛び出した。ここは、ダンジョンの中の隠し洞窟の中にある家だ。ログウェルドが魔法で建てた、あの家。ログウェルドは、「不届き物をこらしめる」的なことを言って、飛び出していった。「そういう経験がある」と、俺たちの作戦を話したときに行っていたログウェルドだが、一体、どうするつもりなんだろう・・・・?


「ログウェルド、早まるなよ・・・・!頼む!」


全部が、台無しになる可能性がある。全部が。全て、パァになってしまうかもしれない。ログウェルドに限ってそんなことはないかもしれないけど、ログウェルドも人間だ。感情に任せて行動することもあるかもしれない。だから、今は急ごう。ログウェルドが、俺たちが、この国が危ない。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「貴様だな」

「・・・・何者だ?」

「儂か。儂はな、ログウェルドっちゅうもんだ。」


普段から何かを警戒するような鋭く理知的な眼光をしているログウェルドだが、今はその理知的な眼はどこ吹く風。完全なる、獲物に飢えた野獣のそれだった。その眼光をまともに当てられ、顔を若干しかめつつも、頭を巡らせる男性。


「ログウェルド・・・・?聞いたことがあるな。思い出せないが・・・・」

「儂もその程度の知名度になったか。平和で結構」


獲物を前にした肉食獣を彷彿とさせる、獰猛(どうもう)な笑みを浮かべる。言っていることとは裏腹に、目の前の獲物をどう殺してやるか考えているようにしか見えないだろう。


「儂はな、幼いころに肉親を失ってから、ずっと一人で生きてきた。」

「急に身の上話か。余裕だな」


額に少々の汗を見せながらも、余裕の表情を崩すまいと、ログウェルドに食って掛かる。しかし、取り繕うとした表情は、明らかに引き攣っている。


「戦争孤児ってやつだ。飢えてみすぼらしい孤児に対する世間の目は、厳しいというほかなかった。戦争孤児なんて、まともな生活が受けられん。戦争によって親を失い、悲しみのどん底に居る子供たちが集まる、孤児院とは名ばかりの管理施設。そんな場所では、鬱憤(うっぷん)も溜まるというものだ。」

「・・・・」


男の言葉に何の反応も示さず、自分の過去を語るログウェルド。そんなログウェルドが不気味で、恐ろしく見え、もはや何も口に出さず、警戒の表情をするだけの、男。


「鬱憤を晴らすための道具に選ばれたのは儂だった。戦後間もない状況で、その惨劇を思い出させる剣を振り・・・・醜い戦争は人々の心を荒らし、何処へともなく去っていった。儂は、家族の命が大事だ。もう二度と、家族を失ってはならん。クソッたれを生かし、人の幸せが奪い、蹂躙され、破壊されていく様を黙ってみておられん。分かるな?」


身の上話を聞いているうちに、警戒の表情から疑問の表情へ、それから何かに気づいたような表情へと変わる、男。そして、少し震えるような声で、言葉を紡ぐ。


「・・・・ログウェルド。鬼将ログウェルド。思い出したぞ、お前は――――――」

「・・・・閉口して話を聞いてればいいものを。死ぬのが数分早くなった」


目を見開き、崩れ落ちる男。一見どこにも外相はなく、ただ気絶したようにも見えるが、脈動を止め、長い役目から解放された心臓が、男は生きていないと証明している。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「ログウェルド、お前・・・・」

「なんだ」


明らかにブスッとした表情で、こちらを見やるログウェルド。その表情を見ればわかる。一仕事終えて、疲れてるんだろう。明らかに、面倒くさそうな表情をして、疲れ切っている。相手も、それなりの手練れだったんだろうか?


「いや、良い。何とでも言い訳はつくだろ。約束を違えたのは向こうなんだし」

「フッ。完全に抜けたな」


麻薬が完全に抜けたなと俺に笑みを送るログウェルド。錯乱状態の俺がログウェルドに対してかなりの深手を負わせてしまったようで、本当に申し訳ない気分になってくる。危うく、俺が知り合いを殺していたと考えると、かなりぞっとする。


「悪い。自分の身に何が起こっていたのか全く分からん。合成麻薬ってのは聞いたけど・・・・」

「こんなとこで麻薬だのなんだの言うのは少し拙い。隠れ家に行こう」

「隠れ家か。アリスフィアが見つけたもんが、もう自分たちの家みたいになってるな」

「良いだろ、儂がだいぶ作り替えたんだし」

「洞窟の中に青空と草原が広がってるのはやり過ぎだと思うけどな」


目隠しされてあそこに連れられたら、洞窟の中なんて回答は百パーセント帰ってこないだろう。まず、困惑するに違いない。そして、どこか適当な名前の草原を言うはずだ。洞窟の中と当てられるのは、蝙蝠くらいじゃないだろうか。まあ、今となっては洞窟の中とは信じられないほどの大きさの空間になっているので、蝙蝠ですら怪しいが。


「それが『男のロマン』だろ」

「まあな」


狭い場所に設置された扉の先に、広がる広い空間。幼いころのアニメ映画を思い出す。主人公の部屋の畳がめくれると、何処とも知らぬ宇宙船につながっていて、宇宙船の外に出ると見知らぬ未知の星。あれは、面白かった。今でも、時々夢に見る。男のロマンっていうのは、こういうことなんだろう。


「相手は・・・・どうだった」

「しらん。話を聞く前に死んだからな」

「は?」


しらん。そう堂々と言ったログウェルドの顔を、まじまじと見つめる。話を聞く前に死んだ。『死んだ』というよりは、『殺した』だろ・・・。その、堂々と自慢げに、どこかドヤ顔ともとれるような顔に、イラっとした感情を覚える。危ない危ない。もしかしたら、まだ抜けきってないのかもしれない。・・・・いや、多分これは普通にイラついたやつだな。


「・・・・仕方ないだろう。成り行きだ」

「成り行きで殺すなよ・・・・」

「いや、アイツが悪いようなもんだぞ。」

「成り行きで人を殺すヤツの言い分は聞かないぞ」


ブスッと不満げな表情をするログウェルドに、言い訳を聞かないポーズをとる。顔をフイっとするあれだ。俺がやると、可愛いだろう。犬っぽい見た目だし。犬じゃねぇからね?説明と愛らしさを表現するためで合って、犬とみられたいわけじゃないからな?うん。


「まぁ、何はともあれ。アイツが犯人らしい。魔力追跡をしたら、間違いなく奴だったのでな」

「魔力追跡?」

「魔力を知覚できるように目に魔力を集中させて、魔力の痕跡を見えるようにする状態だ。その結果、あのポーション瓶のカケラから、魔力を追跡できたという寸法だ。」

「そんなことが。て、待てよ?瓶のカケラ?」


瓶のカケラ。その言葉を聞き返す。いや、俺は拾って帰った覚えはないし、アリスフィアだって、そんなことが出来るような状態じゃなかった。じゃあ、ネリエルじゃないか。いや、アリスフィアを俺まで運んだのはネリエルだ。時間は絶対になかった。・・・・じゃあ、まさか。


「ああ。十層に行って拾ってきた」

「俺が・・・・気絶してる間に?」

「ああ。お前が儂を襲った後、幻覚と遊んで気絶してる間にだ。」

「気にして詰まったんだから、わざわざほじくるなよ・・・・」


傷ついたような、若干引き攣り気味の苦笑いでツッコミを入れる。なんていうか、めちゃくちゃ気にしてるから言わないでほしいんだが。なんていうか、とてもブルーな気分になる・・・・。


「まぁ、儂は、強いから問題ないんだよ」

「じゃあ、俺たちについてきてサポートしてくれればよかったのに」

「そうはいくまい。儂がどうこうすれば、儂がいる前提の戦い方が身についてしまう。それじゃあ、ただレベルを上げているだけだからな。戦い方を覚えることが出来なければ、どんなに高レベルでも、すぐに死ぬことになるだろう。」


どんなに高レベルでも・・・・か。この世界は、ドラ○エとかのゲームとは違って、ある種レベルを上げてもどうしようもなく死んでしまう。レベルがどんなに高くても、毒やらは効いてしまう。かすり傷がついて死ぬなんていう、強烈な毒を使う魔物とかもいるらしい。


「確かに・・・・そこは、自分たちで頑張るしかないのかもな」

「儂は攻撃方法を教えるとかでサポートする。しかし、立ち回りや攻撃方法は自分たちに合ったものがいい。自分たちで探るしかないだろうな」

「じゃあ、後で魔力追跡とかも教えてくれよ」

「いいだろう。と言っても、コルダムくらいの魔力操作が出来れば問題ないがな。多分、儂がこの技法の存在を教えずとも、自分で気づいてたと思うぞ。魔力をいじるのは楽しいからな」

「た、楽しい・・・・?」


魔力の爪を実践で使えるようにするまで、一体どれくらい練習しただろうか。なんとか習得できたから、今回ボス戦も挑戦すると決定したというのもある。かなり便利なワザなのは間違いない。疑いようのない事実だろう。動かなくなったボスを二体殺したのは、このワザだ。だけど・・・・練習時間。毎日十二時間練習するのを1ヶ月続けた。迷宮攻略と並行して。それで、習得したから迷宮お泊り会十泊十一日を開催したと。正直、苦痛でしかなかった。そもそも、魔力を使いすぎてホントに痛かった。


「む。いろいろ便利なこともあるのだぞ。身体強化はもちろん、部分強化や、鎧。そして、魔力の質を変化させて、壁にくっついたり、擬態したり、武器にしたり。いろいろと使える。魔力を極めれば、食と金以外は手に入るというほどだ」


「・・・・じゃあ、魔力さえあれば生きてけると?」

「まぁ、生きるだけなら余裕だろうな。確かコルダムも、カトルボアを狩ったとか言ってただろう?土の魔法で罠でも作れば、毎日簡単に飯が手に入るな」

「・・・・ま、マジですか」


あれ、俺の目的達成しちゃうんじゃ?いや、まてまてまて。何を言っているんだ、俺は。俺の目的は凛華を探すことじゃないか。何普通にこの世界で暮らそうとしてるんだ。・・・・でも、あれだな。凛華を探すまで、何をするか。見つけたらどうすればいいか。そこんところも良く考えないといけないのかもな。




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