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狼転移(仮題)  作者: 三軸走行男
一章 テロリスト退治編
35/43

32 スキルを育てて覚える技能でパワーレベリングッ!!!

今日も今日とて少なめです。書き終えて保存しようと思ったら、エッジのウィンドウ全体がフリーズ。慌ててマウスホイールをくるくるしたら、一つ前のページへ。(左上の矢印の効果。何故だ。)書いてる途中のデータが飛ぶ。心を折る理不尽に涙を流しつつ、急いで書き直したものの、もう私の手は腱鞘炎になるんじゃねーかってくらい痛いです。今日はこれだけです。すみません。


と、思ったら小説プレビューが残っているのでした。手遅れ(´;ω;`) 投稿から三時間後の私




「ゲギャギャギャギャァッ!!!」

「はぁっ!」

「おらぁっ!!!」


ゴブリンナイトがとびかかるようにして斬りかかってくるも、それをメイスで迎撃する。少女がメイスを押し返すように力を入れると、バランスを崩したようにたたらを踏む、ナイト。そのすきを見て、短剣を滑るように動かし、ゴブリンナイトの首に捻じ込むように刺す。


「ウルルルルゥッ!!!」

「キィキィキィ!!」

「キャイキャイキャイ!!!」


そこから少し離れた場所では、少女たちの従魔と思しきオオカミガ、周囲にまとわりつくコボルドたちを物ともせず、爪で身体を裂き、牙で脳髄をかみ砕き、大きな体でタックルをして、岩に叩きつけるなど、まるで狂戦士かのような暴れ狂いっぷりを見せていた。自分が攻撃を受けることなど、考えもしないようなその戦い方は、まさしく『暴れ狂う』という表現がぴったりだろう。


「コルくん、まだやれるか!?」

「余裕!」

「おじいちゃんの魔法がまだ効いてるからね!」


そう、俺たちは今、迷宮に居た。あれから一年・・・・かのような戦いっぷりを見せているが、残念ながら当日だ。何を考えたかあれからすぐログウェルドは防護魔法と耐性魔法、そして継続回復魔法を俺たちに掛け、迷宮に放り出したのだ。『儂が草は育てておくから、主らはレベルを上げろ』とかなんとか。無茶な、なんて思ったが、結構なことを魔法で解決してくれている頼れる人だ。そんな人が出来るって言うなら、多分出来るんだろう。たぶん。


「コルくん!!!」

「っ!?」

「【陽炎】ッ!」


アリスフィアが一瞬陽炎のようにブレた(・・・)と思ったら、揺らめくように速く加速する。あっという間にランサーゴブリンに近づくと、のどを短剣で掻っ切った。アリスフィアが新しく覚えたスキル【暗殺】によって使えるようになった技能、【陽炎】だ。この世界では、【スキル】を育てたり覚えたりすることによって、【技能】を使えるようになる。


例えば、【剣術】のスキルを育てていくと、【無幻必追】という技が使えるようになる。この技は、自分が振るう剣のほかに、見えない斬撃が敵を切り裂くという技だ。かつて伝説の勇者が数十もの斬撃を自由自在に操り、単騎で竜を100以上打ち倒したということは、あまりにも有名で、剣術スキルを持っていない人でもこの技を知っているほどだ。おそらく、『この世界で知らないものは居ない』と言ってもいいほどだろう。


「後ろにも油断しちゃだめだぞ」

「助かった」

「このペースなら、間に合うかな・・・?」


俺があやうく槍に穴をあけられるところだったと、ヒヤッとした気持ちになっていると、ネリエルがぽつりとつぶやく。


「分からない。実質まだ一層だからな。あと、九層もある」

「そうだよな。あのジイサン、ちょっと厳しすぎるよ」

「俺は、絶対あのジイサンは人をいじめて喜ぶタイプだと思うな」

「目の前にその孫がいるっていうのに、堂々とそんなこと言わないでよ」


ログウェルドが俺たちに課した課題は、十階層までの踏破。つまり、十層を完全に攻略するまでは帰ってくるなということだ。スパルタが過ぎて、スパルタンもびっくりだ。


「今なら、フィールドボスを倒していった方が、レベル上げ的に美味しいかもね」

「確かに。でも、そんな魔物探してる暇はないぞ。遭遇したら倒そう」


そう短く会話をしながら、元来た階段を駆け上がる。持続回復が利いているため、今は休んでいないで戦い続けた方が効率的だ。下手な戦士よりも筋力値があるネリエルが居るのだ。前衛が山陰と言っても過言じゃないだろう。しかも、いざというときに回復魔法が使える前衛。有能だ。さっきの戦闘で結構疲れたものの、まだ会話をする余裕は残っている。いや、もしかしたら、余裕を取り戻そうとするために、会話をしているのかもしれないけど。


さっき俺たちが戦っていたのは、一層から階段を下りた場所。中は、一つの広めな部屋で行き止まりになっていて、他の部屋に通じる通路などはなかった。しかも、そこが魔物の巣窟(モンスターハウス)になっていて、出る魔物が二層の魔物だとかいうクソなことになっていた。普段なら気を抜いたら全滅といったところだったが、ログウェルドの魔法のお陰で、攻撃を気にすることなく無茶苦茶に戦うことが出来た。おかげで、皆のレベルも10レベルくらいにはなってしまったくらいだ。


「っ!」

「はぁっ!」


階段を上り切ったところでゴブリン6体ほどの群れに遭遇し、各々が勢いよくゴブリンに突進する。それは、先ほど戦った二層の魔物に比べれば、あまりにも弱く、楽勝と言っていいほどだった。かくいう俺も、今三体同時に相手している。


「ははっ、弱いっ!」

「さっきはモンスターハウスだったから!」

「もう敵じゃないな!」


戦闘をしながら会話をできるぐらいになっていた。それは、一層の魔物に限っての話だけど。


「でも、油断しちゃだめだよ?まだ一層なんだし・・・・」

「そうだな!最後まで慎重にクリアしないと」

「帰るまでが遠足っていうしな!」


二人は、首をかしげながらゴブリンの死体から魔石をはぎ取っていく。これは、俺がスベったんじゃなくて、この世界に遠足という概念がないってことなんだろうな、うん。俺は、断じてスベってないぞ。


「それにしても、魔石ってこんなもんのサイズなのか」

「私はあれが初めての迷宮だったからよく知らないけど、これぐらいの強さなら大きさはそんなもんじゃないか?」

「私もそう思うけど」


スベったことを無かったことにしようとするように、話をそらして別の話題に転換する俺。いや、スベってねーから。そんなことを考えてから、頭の中を別の試行へと切り替える。魔石の大きさが魔物の強さに比例するなら、俺の中に入っている魔石はいったい・・・・?あれほどの巨大な魔石なら、一体どれくらいの強さの魔物を倒せば手に入れることが出来るのだろうか。考えるのも恐ろしいな。


「まぁ、魔石の大きさについても進んでいけば分かるか。時間もあまりないし、急いで進んでいこう」

「オッケー」

「了解!」


俺の言葉に元気溢れるといった感じで返事をする二人。まだまだ気力がある、まだやれる。俺たちの絆は、鬼畜ジイサンに一矢報いてやろうといった思いで、一つになっているのであった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「はっ、はぁっ・・・・」

「なんだ、こりゃ。」

「おかしい、でしょ。なに、これ。」


絆なんて、もうボロボロだ。二層に到達してから二時間、まだ次の階層への道を見つけられていない。ネリエルが言っていたことを覚えているだろうか。『迷宮は生きている』・・・・そう、ダンジョンは生きている。栄養源は、冒険者だ。魔物に殺された冒険者を吸収するだけでなく、さらに効率よく養分を得るため、ダンジョンはある機能を有している。【鳴動】だ。鳴動と呼ばれるこの現象は、二層以降に三日に一度起こる、ダンジョンの構造が変わる現象の事だ。


二層以降というのは、おそらく新規を引き込んで二層以降で狩るということなんだろう。様子見で迷宮に来たものが、『楽勝だ』とさっかくして、二層以降で死にやすくする。おそろしい。


迷宮は、冒険者をまよわせ、方向感覚を狂わせたりすることで、さらに魔物との遭遇率を上げたりしているのである。それの何が厄介なのか。そのタイミングを知っていれば、対処できるのではないか。違う。『三日に一度』とは決まっているものの、その日のいつに起こるかは完全にランダムなのだ。夜中の一次に変わることもあれば、昼の十二時に変わることもある。


つまり、何が言いたいのかというと


「あの曲がり角を曲がったら降りる階段だったっていうのに、クソったれ・・・・」

「マジで、どんな性格してんだ・・・・」

「本当だよ・・・・」


もう少しでゴールだったのに、ゴールに入る瞬間、目の前から消え失せた。ということだ。


「つか、れた。」

「もう、ダメ」

「し、死ぬ・・・・」


しかも、その階段を再び探し始めてからもう一時間は経過している。隈なく探して、一時間。もうすこしで階段が見つかるのだろう。しかし、もう動く気にはならない。


そんな満身創痍を通り越したようなゲンナリとした絶望の表情を浮かべる、俺たち。アリスフィアなんて、【陽炎】を発動していないのに、足元がユラユラしていて、危なっかしい。俺たちも似たようなものだ。華麗なフットワーク(笑)になっている。


『あーあー。儂だ。聞こえるかー?』

「ダメだ、なんか疲れすぎて幻聴が聞こえる・・・・」

「私もだ・・・・」

「私も聞こえる・・・・おじいちゃんの声」

『そろそろ効果切れるから、帰ってきていいぞー繰り返す。そろそろ―――』


遂に壁に寄りかかって座り、休み始めた俺たちは、幻聴でも聞こえるようになったかと顔を緩ませる。なんだか、疲れすぎると全てがおかしくなってくるのだ。ふふふ。


「!?」

「!?」

「!?」


しかし、『帰ってきていい』その言葉が頭の中に響いた瞬間、俺たちは飛び起きる。これは、幻聴じゃない。いや、幻聴であったとしてもいい。聞こえたからという理由で、帰ることが出来るじゃないか。そこまで一瞬で思考をめぐらせた俺たちは、チームワークとか陣形とかを一切無視して、我先にと一層の例の部屋へと走っていくのであった。

 

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