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狼転移(仮題)  作者: 三軸走行男
一章 テロリスト退治編
26/43

23 再会は作業の再開?の件!

もうほんとに間に合わないかもしれない。目標があと五万文字・・・・楽勝(白目)




「そろそろだね」

「おー。ここら辺だな」

「未だ我々の事を信じられていないかもしれないが、少女には傷一つつけていない。だから彼女の状態を見ても慌てないでくれないか」

「・・・・」


様子がおかしくても慌てるなって?・・・・そんなこと言われたら、さらに怪しい。タダの言い訳にしか聞こえないぞ、それ。『俺じゃない』っていってる犯罪者みたいじゃないか、それ。


「本当に言葉が通じてるのかな」

「通じてなかったら今頃逃げるなりなんなりしてるだろう。オオカミ系の生物は賢い。だから、言っていることの凡そは理解していると思う」

「おーん・・・。こいつを頭おかしい研究者とかに渡したら、金、いっぱい貰えるかなあ」

「・・・ちょっと!言葉を理解してるかもしれないんだよ!」

「おお?たかがオオカミ一匹に後れを取る俺たちじゃないっしょー。何かあった時はバッサリ行くよ?躊躇なんてしてたら、命が足りんからねー。」


物騒な話をしてくれるな。コイツ等は俺が『ニュアンスは感じ取れる』程度にしか思っていないんだろう。だけど、実際はすべての言葉の意味を理解している。だからこそ、分かる。コイツラ、多分強い。ゴブリンやスライムなんて問題にならないほどに。話してる雰囲気からわかる。エルフと、人間と、ドワーフ。弓に短刀、レンチみたいなやつ複数、刀。


無理だ。俺一人で戦って勝てる相手じゃない。たとえ、ステータスで圧倒していたとしても、一対一でやっても勝てないだろう。エルフ相手にも、このドワーフの少年っぽいのにも、人間相手にも、勝てない。おそらく二、三、回攻撃されたら死んでる。



ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・。



アリスフィアの言葉が脳裏に浮かぶ。『気を付けろよ?その辺の森、闇ギルドの拠点があるっていう噂らしいから。』こいつらが、闇ギルドの・・・・?勝てない。殺される。無傷で捕まっても、頭のイかれた研究者に解剖される・・・・?


「・・・たしかさ、グレイウルフって臨戦態勢になると瞳が薄っすら赤くなったよね」

「おー。だな」

「・・・よせ。緊張してるだけかもしれん」


俺以外の三人が、ゆっくりと自分の武器へと手を伸ばす。俺の命を、奪おうとしてる。俺を、殺そうとしている。


「動くなよ。まだ決まったわけじゃ」

「・・・・」

「・・・・」


居合。背中に横向きに収められている小太刀。居合っていうのは、『抜刀』と『攻撃』を同時に行う方法。つまり、腰の刀に手をかけた時点で、のど元に刀を突き付けられているのと同じ。弓は矢をつがえて、引き絞って、狙って打つ。すでに弓に矢がつがえてある。レンチは見たらわかる。撲殺を狙う鈍器だ。すでにリュックから取り出している。殺される。殺される。殺される。ここで殺される?なにもできていないのに。凛華は?まだみつけてない。無事かもわからない。なのに、ここで殺される。殺される。殺される。



死ぬ



「おお、悪かったな。急に変な話したから怖かったろ。ちょっと試した。本当に知能があるのか、敵対心は?強さと意思は?ってなー」

「すまんが、決まりなんだ。我々に関わるものすべては最初に試すことにしていると。」

「そういうこと。だけど・・・・まさかね」

「明らかに、俺たちの話を聞いて、警戒した。口調は軽いものだし、本気じゃなかったから、動物的本能ってやつじゃない。本当に、キッチリと俺たちの言葉を理解してる。ってことになるよなー」


・・・・はっ?俺は、殺されない?なにを言っているのか、しばらく理解できなかった。それほど、緊張していたし、怖かった。なんだ。そういうことか。試したんだ。試しただけだったんだ。ただの、テストだったわけか。・・・・試す?もし、その『試し』で俺が襲い掛かってたら。間違いなく、死んでた。『試し』で俺は殺されかけた・・・・?


「今度こそ、ホントにつくぞー」

「悪かったな。怖かっただろう。もうすぐでご主人様の傍に戻れるからな」

「冒険者やってると危険な目に合うことも多くて・・・・。警戒せざるを得ないの。」

「わー、ミーナが独り言しゃべってるー。怖ーい」

「このチビ!オオカミのえさにしてやろうか!」

「俺は小っちゃくて美味しくないから、お前が食われろよー。あーごめん。それじゃあ無理か」

「は?少なくともあんたよりはしんちょ――――――――このガキィ!!!」

「ぐえ」

「何が食べるところがないだこのクソガキ!」

「そこまで言ってないんだけど」

そういう(・・・・)意味でしょうが、この・・・・絶対に許さん!」

「いい加減にしないか!全く、お前らは・・・・」

「「だってこいつが」」

「はあああああ・・・・っ。このまま近づいて言ったら、少女が怖がってしまうぞ」

「「・・・・」」

「時間を取らせてすまないな。そろそろだ」


本当にこの人たちは冒険者なんだろうか?冒険者には連携が欠かせないと思うんだけどなー。・・・・でも、何の合図もなしに俺に対しての『試験』を始めた時は、息がぴったりだった。何の合図も無しに、全員が全員、『試験』を急に始めた。こうみえて、連携はすさまじいんだろう。多分。


「・・・・オオカミさん?」

「・・・・わん」

「おおかみさんっ・・・・!」


こちらの姿を確認するなり、急に飛びついてきた。反射的によけようとしてしまったが、大きく腕でガッチリホールドされてしまい、抜け出せない。見たところ、外傷は少ない。せいぜい、転んで擦りむいた程度だ。だとすると・・・・


「ううっ・・・・。は、発情期のオスイノシシがっ・・・・私のお尻めがけて追いかけてきて・・・・途中でオオカミさんが助けに来てくれたと思ったら、めっちゃよく似たグレイウルフで・・・・。」

「・・・・うわあ」


一応その様子を見ていたというミーナ?から、この言葉が自然と出てきてしまうほど、引く内容だった。俺も、もし表情が分かりやすく顔に出るタイプだったら、顔が引きつっていることだろう。表情を隠すのが旨いタイプで助かった。てか、オオカミだから表情に出ねえか。ハハハ。


「おおう・・・・すげー体験したんだなー。みろよ、あのコルダムとか言うヤツ、顔引きつらせちゃってるぜ。どうやって表情だしてんだろうな」

「ただ単純にものすごい分かりやすい性格なのだろう。見ていた感じ、嘘が下手なタイプだと思うしな」


あれ?俺、表情を隠すの上手いタイプだったんじゃないの?っかしいな。昔はよく褒められたりもしたんだけどな。てか、オオカミってそういうの表情に出せないと思うんだけど。構造的に。・・・・それすらを凌駕するほどの分かりやすさっぷりなのか、俺は。これからテロリストの親玉を騙そうとしてんのに、大丈夫かよ、俺。


「ワフン・・・・ワォン。」


とにかく、無事でよかった。戦闘面での心配は全く無いと言ったらウソだが、殆どなかった。だけど、まさか心を攻撃してくるとはな。発情期だけ、危険度Dランクにした方がいいんじゃないか、あのイノシシは。イノシシに初めてを奪われる・・・・考えただけでも恐ろしい。これが、男でもあり得るっていうのがなあ。イノシシと人間との間には美的感覚に大きな差がありそうだ。だから、男は襲わないなんて保証もない。発情期のイノシシなんて、『穴があればいい』なんてこともありそうだし・・・・。


どちらにせよ、ネリエルが無事でよかった。とにかく、ネリエルは無事だったんだ。そこが、一番重要だ。早く戻って、あったかいご飯でも食べよう。ネリエルからなんかいい匂いがするし、なんか食材を取ってきてくれたんだろう。あたたかい食事が楽しみだ。




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