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幼児編 もう一度はじめまして!

 誰かの温かさで目を覚ました。一歳年下の弟が生まれた直後に母は死んだのでよく覚えていないが、母の温もりというのはこういうものなんだなと感じた。

 だが、ほとんど見えない目で見た顔は、遺影に写った母ではなくついさっき見たような気がする研修の先生の顔だった。

 彼女は酷く疲れている様子で、汗をたくさんかいていた。そして目を開けたことに気づくと、微笑みながらこちらの目に手を当てた。

 すると、ぼんやりとしてよく見えなかった視界がパッと明るくなり、あることに気づいた。


 体が産まれたての赤ちゃんになっている。


 腕は短く頭の上まで届かないし、もちろん立つこともできない。寝返りをうつようなことすらも……

「五体満足」「後遺症無し」「世界が変わってる」とはこのことだったのかと理解をした。でも、分からないことがたくさんある。

 視力が急に上がったり、幼児の脳に15歳の情報が入っていたり……なにより、幼児に戻っていること。それらを聞こうとしても唸るような声しか出ない。

「産まれて1日しか経ってないのに元気だね……こっちは君にエネルギーのほとんど抜かれちゃったから1日経ってもこの有様だよ……」

 エネルギーなんて抜いた覚えはない。

「まさか授乳の時でもエネルギーを取られるとは……危うく死ぬところだったよ」

 0歳の頭だからかまったく状況が理解できず、頭の中がぐちゃぐちゃになった。



 次の日、落ち着いた彼女は抱っこをしながら口を開いた。

「あの巨大地震があったのは約10ヶ月前、君はあの時どう治療しても死んでしまう状況だった。そんな君を見つけた私は考えたんだよ、『君の意識と記憶を魔法で取り出して私が保護し、抜け殻となった君の中から生殖細胞を取り出して私の中で育てる。そして赤ちゃんとなった君に保護した意識を戻せば君は助かる』ってね」

 その時、前を含めた人生の中で一番「気が狂ってる」と、思い怖かった。魔法とか言っているがそんなもの見たこともない。

「気が狂ってると思ったでしょ?魔法とか意味わかんないって。それは君が話せるようになったら話してあげる。それに、私は先生だから」

 心を読まれた気がしてドキッとした。でも納得は全くできないけど感謝はしていた。


「こんなこと言うのはおかしいかもしれないけど今は私がお母さんだし、君の戸籍も必要だから名前決めなくちゃ」

 声がでないから「YES」も「NO」も言えないが、付けては欲しかったので発達していない声帯で声にならない声を出した。

「そうだね……」

 彼女は10分くらい目を瞑って考えると、

「有華……がいいよ!」

と、大声で言いにっこりと笑った。研修に来た時の愛想のない彼女とは別人のように。


 提案された名前に対し有華は「前の俺の名前と同じだよ!」と言いたくなったが、どうせ声は出ないし嬉しかったので諦めた。


この設定を考えた自分はものすごく狂ってると思います。でも、今までで一番素晴らしい設定の素晴らしいストーリーになると思います!



消されないかが心配です……

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