7話
2話目です。
(キーンコーンカーンコーン)
「じゃあ今日の授業はここまでだ!」
「起立、礼!」
ふー今日も授業終わったー。今日どっか寄ろうかなー。
「ねぇ優子、あれ見てよ。」
席が隣の幼馴染の美香が話しかけてきた。
そこにはうちの学校の校門の前で呆然と佇む人がいた。
「何してるのかね?用があるならインターホン押せばいいだけなのにね。」
そんなことを言っているとその人に気づいた事務の人が校門へ近づいていっま。
「どうしたんですか?保護者の方ですか?」
その声にその人物は何も答えず、ただゆっくりと校門に向かった。
その後校門にぶつかるが、柵の間から手を出して何としてでも入ろうとする。
「どうしたんですか?そんなことしなくても今開けますよ。」
その時私は気づいてしまった。彼女が明らかにおかしいことを。上から見ていたからわかったのだ。その人のふくらはぎ辺りが真っ赤になっていたことを。
私はそのあまりの異質さに、
「開けちゃダメ!」
思わず言ってしまった。みんなの注目が集まる。
しかしその注目が私から校門の惨状へ入れ替わるのに時間はそれほどかからなかった。
「ああああああァァァァァァァ!!」
声にもならない事務の人の叫び声が学校中に響き渡る。
「おい、なんだよあれ?なんかのテレビのドッキリか⁉︎」
「でも妙にリアルすぎるぞ。うぇ、あいつ食われてるぞ。」
男子がそんな話をしている間に校門に新しい人影があった。デモ隊かと一瞬勘違いしてしまうほどの規模だ。そいつらはこちらへ向かってきていた。そいつらは何人かの人を追っているらしい。
「あっ松本が走ってる。」
幼馴染の美香がポツリと言った。
松本は私たちの体育科の先生である。
彼は自慢の力を生かして、事務の人を食べ続けている人を無理矢理校門へ引っ張り出して、逃げてきた人々を中にいれて、また校門を閉めた。その後校内アナウンスで不審者の出現、点呼を取るため一度全生徒グラウンドへと指示が出た。
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「なぁこれってまじ?それともドッキリなのか?」
「どうだろうな俺にはまじに見えるな。くそっさっきからあの食われてるシーンが頭から離れねぇ。うぅ、吐き気がぁ」
そんな会話がされながら生徒たちはグラウンドへ移動した。
そしてこの移動が私たちの運命をかえた。
この学校はグラウンドに行くのに一度校舎を出て、正門前近くを通る必要がある。
そして生徒たちは指示通りグラウンドに行くためにそこを通った。すると、今まで校門には先ほどの大規模な集団もあつまっており、一斉に生徒たちに意識が向いた。それらは校門を押し続けていた。押しすぎて、前の方がつぷれかかって、なかなかグロくなっていた。その状態が数分続いたが、ついに終わりがきた。
校門が圧力にたいきれなくなり校門が壊れてしまったのだ。それを皮切りにやつらは私たち生徒へと襲いかかってきた。
「なっこいつ俺の腕を!はなせぇ!話せァァァァァァァ!」
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!」
「逃げろ!今すぐに!ここから離れろ!」
その場には怒声と断末魔が響き渡る。
なんでか知らないけどわたしにはその時わかってしまったのだ。これはもうおしまいだ。もしここから逃げれても地獄が続くのだろう。つい先日ネットでゾンビ小説を私は読んだけど、今の状況と似てるんだよね。
ということはあれはゾンビなのかな。なら食べられた人もゾンビになるのかな?というか私は何分析してるんだ?こんな状況なのに。
「ふふ、私今までで一番落ち着いてるかもしれない。こんな死ぬ間際で。」
そんなことを考えながらとりあえず校舎に逃げていた。だが私の足元に動くものがいたのに気づかなかった。それは私の足をつかんだ。私は案の定転んだ。
私は何があったのか分からずとりあえず足を見ると、そこには事務の人が私の足をつかんでいた。どうやらゾンビのように噛まれたらゾンビになるらしい。
あぁ私もう無理だな、そんなことを思ってた。
でもやっぱ怖くてさ泣いちゃったんだよね。
「キャァァァァァァァ!誰かぁ!」
私も正直終わったと思った。でも突然ゾンビの頭が吹っ飛んだの。辺りを見回すと1人の私と同世代くらいの男がいたの。どうやら彼が助けてくれたらしい。
それから彼はこの学校内のゾンビを一人で倒してくれた。生き残った人はごくわずかだったけどその時の私にはどうでもよかった。自分が生き残れたことが嬉しかった。しかも彼は魔法というお伽話みたいな力が使えるらしい。世界がこんなになっちゃたけどだんだん面白くなってきたわね。
次は明日か明後日です。