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終末世界の創造者  作者: だんちょー
二章 敵襲来
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29話

少し時間は戻り、騎龍隊が爆弾投下をした頃になる。

爆弾投下の光景は壁上からも見れ、その光景は見るもの全ての目を奪った。

圧倒的、理不尽で、抗えない絶対的な力だった。

皆がこれが戦争というやつかと思っていた。


「さぁお前ら!いよいよドラゴンたちが撤退してくる!そしたら今度は俺たち人間の出番だ!」


「「「おう!」」」


そしてその原田の言葉に武装部門の者達は大声で応えた。


「各員配置につけ!マガジンの予備は自分の近くに置いておけ!弾切れしたらすぐマガジン替えて打ちまくれ!弾幕絶やすなよ!」


最終確認とばかりに原田は声をかけ続け、あちこち回っている。


「原田さん!ドラゴンが帰ってきました!」


俊は今勇者化の魔法をかけているため身体能力は人間とは比べ物にならないため、視力も人間とは違いすぎる。


「そうか!なら……補給部隊のお前ら!龍たちの補給に当たれ!龍は飯を食えば魔力の回復も早くなるらしいからな!」


「「「了解です」」」


補給部隊の数名が急いで調理部門棟に向かう。非常時なので勝手に食糧を持っていてしまうことになるが仕方ないだろう。


「原田さんなんで龍の魔力の回復を早める方法知ってるんですか?俺でも知らないのに」


俊は原田が言ったことは知らなかったらしくとても驚いていた。


「騎龍隊からの報告でな、龍に飯を食わせた後は魔力の回復がとても速いってな。多分だが畑の作物はお前の魔力が結構多いんじゃないのか?それを食べることで魔力を回復出来るんじゃないのか?」


ちなみに龍は魔力ではなく、普通に肉や魚や野菜など雑食だ。


「たしかにそうかもしれないですね。これは嬉しい誤算ですね。また龍たちが戦えるのはありがたいですし」


「そうだな。ん?俊あれはなんだ?」


原田は目を凝らしながら近づいてくる何かを指差す。


「騎龍隊ですね。そろそろ迎撃開始の準備ですね」


「ついに来たか。よし!お前ら!騎龍隊が帰ってきた!奴ら拠点内に入ったら一斉に撃て!」


その言葉が合図に周りに緊張が走る。

終末世界になるまでは一般人だったものが今では銃を持ち、戦うのだ。緊張しても仕方がない。

俊は銃を撃ってるうちに緊張もなくなるだろうと考え、放置して置いてる。


「んーあれは鷹か?やっぱり他の生物もゾンビになってたか。鷹はやっぱり速いな、援護するか」


俊は騎龍隊の撤退の援護のため1つの魔法の矢を創造する。それは騎龍隊の後ろのゾンビたちにあたり爆発した。


「指向性爆発魔法ってとこか?長ったらしいけどまぁまぁ使えるか?まぁもっと早くから練習しておけば良かったな。まだ魔力の消費が割りに合わないな」


この戦場においても俊は緊張せず、いつものように魔法の研究をしているあたり肝が座っている。


俊が魔法について考えをめぐらしている間に騎龍隊が帰ってきたらしく、一斉に迎撃が開始された。


「よしなら俺もいきますか」


俊はひとまず魔法の研究は後日に置いといて、ゾンビたちに攻撃を行う。


「まずは一気に減らすぞ!ファイヤーボールレイン!」


俊は戦闘の興奮でいきなり厨二的発言をしつつも攻撃する。俊は火球を大量に創造して敵に雨のように降らせた。このような大量の数を生み出せるとは日頃から使い慣れイメージが楽な魔法の矢と火球だけである。

結果としては一気に敵を倒したのだが、俊は自分でも驚いていた。


「えっ何今の!?魔力が全然持ってかれなかったんだけど!何だ!?まさかあの厨二的発言か!?」


「どうした俊なんかあったのか!」


俊が大声を上げてるのを見て、たまたま近くにいた隆太が声をかける。

俊は隆太に今あったことを説明した。


「俺が見たことある異世界ものに詠唱はイメージの補助を行うってあったぞ?もしかたらそれかもしれないな!」


隆太は異世界転生系小説を読みまくったおかげでそういう知識は意外と豊富だったりする。


「ならこれはどうだ!マジックアロー!……すげー!やっぱり魔力消費が全然違う!」


「うぉぉぉ!まじか!更にチートになるのか!」


俊と隆太は戦場にもかかわらず2人して馬鹿騒ぎしていた。


「うるせぇぇぇ!!何してるんだお前ら!」


背後から原田が近寄っていたらしく2人の頭に鉄拳が振るわれた。




ーーーーーーーーーー




「まぁ今より魔法が使えるのはありがたいがここは戦場だもっと緊張感を持て」


「「すみません」」


2人は原田の説教を正座で受けている。戦場でこんな不釣り合いの光景を見た他の武装部門の者達もおかげでほどよく緊張が解けたようだ。


「よしならとっとと迎撃に当たれ!」


「「了解!」」


2人は持ち場に戻り迎撃を再開した。


「俺がなんでこんなとこで説教しなければならないんだよ……」


その場には原田の呆れた声が小さく呟かれた。




ーーーーーーーーーー




「まずいな………奴ら一体どれだけいるんだ?」


俊たちの目の前にいるゾンビたちはじわりじわりと近づいてきている。幸い弾薬は使いきれないくらい創造したので問題はないが、このままでは壁までたどり着いてしまう。それはみんなが分かっているらしく必至に打ち続けている。


「撃て!撃ち続けろ!」


「リロードする!」


「右側弾幕もっとはれ!」


だが、抑えられない。


「こういうのは指揮官を潰すのが1番なんだけど俺がいなくなったらやばいしな」


現在迎撃は陸と空の二方向に対して行なっているためどうしても戦力が分散してしまう。


「ドラゴンたちもまだ魔力も回復してないだろしな.とりあえずドラゴン来るまでは耐えるしかないか」


俊は黙々と魔法を使い続ける。火球や矢で倒したり、爆発させたりもしているがキリがない。


「クッソこれゾンビ湧いてるだろ!………ん?湧いてる?………まさか!………推測でしかなかったのにいつのまにか決めつけてしまってたな。今回の敵がゾンビをあやつるだけなんて誰が決めたんだよ。」


俊は天を見上げて、自分の愚かさに苦笑する。


「まさか、ゾンビを生み出せるなんてな。とんだ化け物だな。そうなるとますますその元凶を倒さないといけないわけだが………そろそろかな?」


その声と同時に後方から叫び声が聞こえる。


「噂をすればなんちゃらってやつだな」


俊たちの上空では魔力の回復を終えたドラゴンたちが戦線に復帰していた。そして俊の目の前には相棒である竜がいた。


「相棒よ、準備は大丈夫か?」


「ガァ!」


「よし、なら俺をゾンビたちの頭の元へまで連れて行ってくれ!」


「ガァァァァァァ!」


ドラゴンは魂を震わすような力強い叫び声とともにゾンビたちが蔓延る上空へと俊を連れて飛んでいく。

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