26話
銃→創造銃とします。
やっぱり私のイメージ的に異なるんですよね
ゾンビカラス、ゾンビ犬が発見されてから一週間が経った。俊は来るべきに備えて急ピッチで戦力向上に努めた。その中で俊が何よりも重視したのは数だ。この世界では銃が生まれてから。強いて言うなら機関銃が生まれてからは数が多いほど勝つという理論は打ち砕かれた。こちらも機関銃と同じような銃で武装してるため普通なら今回の戦いも勝つのが普通だ。しかし、敵はゾンビたちであり身体に銃弾も食らっても倒れない。そんな不死身な兵士が万単位で襲撃されたひとたまりもない。そして俊がそんな状況を打開するために創造したのが対多数兵器だ。
まず1つ目は4連装創造銃だ。
これは現在の武装部門の標準装備である銃を基本としたものである。
つくりはマガジンを2倍にし、それを4つ束ねているものだ。銃弾は一回の射撃で4発射出される。
これは弾薬の重さで持ち運びに苦労するが、一度打つと大量の銃弾がばらまかれ、たくさんの敵を相手にできる。
2つ目は散弾式創造銃だ。
これは対空兵器である。
散弾銃というのは比較的飛距離が短く、場合によっては最大威力が発揮できるのは50メートルしかない。
しかしこれは俊が創造した銃である。炸裂の魔法によって従来の火薬やガスとは比較にならない速度で射出されるためそれによって飛距離も伸びるのだ。
だが、やはり遠くなると散弾が散るため遠距離となると命中精度が下がる。
3つ目は焼夷創造爆弾だ。
これはドラゴンによって投下して広範囲に及ぶゾンビを燃やし尽くすためのものだ。
従来の炎とは違い、魔法の炎のため爆発すると炎が出て周りのゾンビを焼き尽くす。しかもとんでもない高温で数分で灰となる。ちなみになぜ普通の爆弾にしないかというと、普通の爆弾では広範囲に爆風や破片が届き、人間なら致命傷だがゾンビでは意味を成さないからだ。
他にも様々な用途に合わせて兵器の開発、それとドラゴンたちの創造もした。
「随分とすごい光景になってきたなー」
俊は拠点内を見てそういう。
「その原因をつくったのは俊だけどな」
「正確に言うとゾンビだぞ。というか隆太もこの状況楽しんでないか?」
「まぁ否定はしないな。ゾンビやドラゴンなんて異世界みたいと思わないか!?なぁこの調子でエルフとかも呼ばないか??」
「また始まったか。いいか?エルフなんて呼んで何になるんだよ。魔法だけなら俺の方が使い勝手がいいぞ?簡単に言うなら俺の劣化版だぞ?」
「エルフってだけでお前より上だ!」
「なんだそれは……」
「それに魔法が使えるエルフならお前しかできない仕事も肩代わりしてくれるかもしれないじゃないか!」
その隆太の勢いに任せた発言に俊は少し興味のある顔をする。隆太もそれに気づき更に勢いづく。
「それに将来的にはそのエルフと人間でハーフエルフも生まれるぞ!そしたら魔法の使える人が増えるぞ!」
「それじゃあお前の言う異世界に本当になっちまうぞ…………」
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「隆太と話すとすごい疲れる………」
「俊!どうしたそんなしけた顔して!」
「なんでもないですよ」
訓練中だったらしく、少し汗を流しながら原田が話しかけてくる。
「訓練に精が出てるようですね。お疲れ様です」
「おうよ!まだまだだがドラゴンに乗るやつも決めて、それなりに乗れるようになってきたぞ」
原田が見る方向を見ると空を飛ぶドラゴンとその上にまたがる人がいた。その下の地上にはマネキンが並べてあった。どうやら訓練中ようだ。
ドラゴンは急降下してマネキンへと向かう。人のほうは創造銃をかまえる。
地面すれすれでドラゴンは地面と平行に進む。それと同時に人がマネキンの頭に発砲する。
「おぉ!全弾命中ですか!短期間でここまでとはすごいですね」
「まぁな、銃自体は数ヶ月前から猛特訓したからな」
原田は少し嬉しそうに言う。部下を褒められたのが嬉しかったようだ。
「では今後とも頑張ってください。それと爆撃のほうも大丈夫ですか?」
「あれの方はドラゴンが運んで、落とすからなぁ、まぁ精度は悪くないな。しかも敵は万だろ?当たると思うぞ」
「まぁそうですね。今後とも訓練頑張ってください」
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場所は監視所に移る。そこは日々武装部門の者達によって24時間体制で監視されている。壁上には最近配備された四連装創造銃がいくつか置かれたり、ドラゴンの頭数を増やすことによって拠点周辺はドラゴンが飛び交ったりしてとても堅固な砦と化している。
「そろそろ交代だ。昼飯でも食べて来いよ」
「おう、そうさせてもらうよ。あー腹減ったー」
昼を過ぎ、監視員の交代が始まりあちこちで人が入れ替わっている。
「さて、今日も見張りますか!……………と言ってもすることはないがな」
この男は自分で自分を突っ込みながら監視所の椅子に座り、支給されている望遠鏡を覗く。
「…………………………ん?なんだあれは??」
その男が見たものははるか遠くにある街に黒い塊がある。それも自分の視界の端から端までだ。
するとその黒い塊のほんの一部が切り離されこちらに向かってくる。
ドラゴンたちはその塊に対して炎を吐いている。
「おいおい嘘だろ!あの切り離されたのがドラゴンに攻撃されているってことはゾンビなのか!?てことはあの黒い塊全てゾンビかよ!!」
男は悲鳴のような叫び声をあげ、急いでこの事態を告げる赤のボタンを押す。
するとその監視所の上のランプが赤々と光り、サイレンがなる。近くの監視所からも続々と赤に光りとサイレンが鳴る。
「本当にこんな数相手に勝てるのか……………」
明日と明後日はお休みになると思います




