19話
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「なんだよ、お前が食べたかったのは俺の魔力だったのか!ふー驚かせやがって」
俊は現在ドラゴンに食事をやっている。ただし魔力だが。
最初は俊も自分が食料と言われビクビクしてたが、ドラゴンが自分にくっついてくると魔力が減っていったので、俊は食料は自分の魔力だと結論づいたのだ。
「じゃあ食事が終わったら、この拠点の人たちに挨拶に行くからな。みんな仲間だから攻撃は絶対するな。わかったか?」
ドラゴンは縦に首を振る。
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「お集まりいただきありがとうございます。今日集まっていただいたのは言うまでもないと思うのですが、昨日の件です。今回の件につきましてはこの拠点責任者の俺が説明させていただきます。
まず昨夜現れた生物はドラゴンです。皆さんが目にしたものはお伽話でもなく、現実です。」
周囲がざわつく。
ただでさえこの世界にゾンビなんてものが現れているのだ。それにドラゴンなんてものが出て来たら言うまでもないだろう。
「まだ続きがあります。そのドラゴンなんですが、あれは俺が創造しました。」
周囲が更にざわつく。
そんな中喧騒が広がる。
「お前はこれで俺らを脅す気なんだな!」
「いや、流石にその結論はおかしいだろ。いくらなんでも」
「騙されるな!こいつは善意で俺たちをこの拠点に住ませてるわけじゃないんだ!」
「そうだ!みんな騙されるな!」
どうやら俊に不満のある者達が叫んでいるようだ。
流石にその者達の勢いには周りの人々は引いているだけであったが。
「いいか!こいつは絶対に何かするぞ!俺たちを奴隷のように扱ったりするかもしれないぞ!」
彼らは顔を真っ赤にして、口々に俊に言う。
「………い」
「なんか言ったか?まさか図星だったのか?残念だったなぁ!俺たちは騙されないぜ!」
「……さい」
「なっなんなんだ……」
先ほどまで威勢の良かった者達が一斉に黙り込む。
何故なら俊から発せられる何かによって意識が今に飛びそうだからだ。
「うるさい」
ただ一言だけ。
しかしその言葉を最後に彼らは意識を失った。
当然周りの者達も俊から発せられるものに気づいてはいたが、俊に意識を向けられていたわけではないので意識は失わなかった。
「皆さん、よく聞いてください」
俊の言葉に周りは怯えている。
先ほどの俊を見ていれば当然でもあるだろう。
「まず、俺はあなたたちを害するつもりはありません。俺の目標は人類の再興。だから俺はあえて皆さんが出来ることは皆さんに任せているのです。俺は人類を助けるためだけに基本的にこの力を使います。ですが、今回のようにその助ける行為を邪魔する者は別です。」
周りは静まりかえる。
「俊君?そんなのみんなわかっとるぞい?」
「そうだぞ、だって実際お前だけでここの仕事全部できるだろ?ならなんでしないかって考えたらそんなもんわかんだろ。」
どうやら俊の心配をよそにみんなわかってくれたようだ。
「やばい、涙腺崩壊する」
「とりあえず泣く前にこいつらどうする?」
隆太が倒れている者達をさしながら言う。
「自室によろしく」
「りょーかい、じゃあ誰か手伝ってくれ!」
隆太は他の武装部門の何人かと倒れた者を担いで行った。
「ふーまじであーいうの俺弱いですわ。皆さんほんとにやめてくださいよー」
「ちゃんとみんなわかっとるぞい」
「そうよ、あとは今回みたいなことやらかさなければ完璧よ」
「うぅぅ泣けてきますよ、ほんとにもう」
俊は涙を流しながら皆に礼を言うのであった。




