13話
「佐藤さん!」
「おー君か。おはよう。」
「おはようございます。今日は何を?」
「この拠点の組織運営をもっと明確化させようかと思ってたのじゃ。どうじゃ?これからも人が増えるんじゃろ?ならもっと明確化させるべきじゃと思うんじゃが。」
「そうですね。それいい考えだと思います。」
俊は否定する必要もないので肯定する。
「よし、なら早速役職をつくっていくんじゃが、何かあるかの?」
「そうですね、では俺をこの組織のトップにしてください。これだけは譲れません。」
俊はただ欲でこのようなことを言っているのではない。このパンデミックを終わらせるためにはどうしても自分がトップでないとこの問題に対して組織の動きがどうしても鈍くなるのだ。だから俊もそれだけは譲ろうとしない。
「そこは心得ておるからそんな心配せんでよいぞい。ほら顔が怖くなってるぞい。」
「これは失礼しました。他に関しては佐藤さんに一任したいと思います。出来れば佐藤さんには宰相のような仕事していただきたいですね。」
「ほっほっほっほ。まだこの年寄りをこき使うと?わかりました。精一杯やらせてもらうのじゃ。」
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「はいじゃあ今から呼ばれた人は先ほど言った役職に着きます。呼ばれなかった人は後ほど希望をとってそれぞれの役職の下に付くようになります。これに関しては不平不満を受け付けません。これはこの問題を解決させるための一歩です。邪魔するのは構いませんが、その時にはこの拠点から追放しますので。」
俊は追放のところをあえて強調して言った。すると何人かがピクリと動く。おおよそ俊に対して不平不満を持っていた人だろう。俊は特に気にした様子をせずに続ける。
「拠点管理者 おれ
内政部門代表 佐藤賢斗
武装部門代表 原田健二
調理部門代表 真鍋真央
清掃部門代表 清水翔太
生産部門代表 鈴木優子
農業部門代表 鈴木一郎
医療部門代表 太田竜也」
この組織はトップに俊、その下に各部門の代表、さらに下にその他の人々がなるようになってる。
「では、本日の話し合いは終了です。部門代表に呼ばれた人以外は戻ってください。」
先ほど俊の言葉に反応した数人も顔は納得してないようだが、とりあえず指示通り部屋に戻っていった。
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「では皆さんこれから代表会議を始めます。」
俊は周りには優子を除いて年上ばかりなのに物怖じせず会議を進める。
「まず話すも何もまだ始まったばかりだと思うので特に話すことはないので、とりあえずここにある紙に各部門で必要なものを書き出して後日提出してください。また仕事内容はこれです。」
俊は一枚の紙を机の上にだす。
内政部門
物品の管理、拠点内の問題に対する対応、避難民受け入れ
武装部門
治安維持、拠点防衛、拠点外活動、拠点内の不穏分子の排除
調理部門
朝、昼、夜の食事の提供
清楚部門
拠点内の清掃
生産部門
生活必需品、その他物品の生産
農業部門
畑の管理、開墾
医療部門
ゾンビ関係の研究、拠点内の健康管理
「以上だが何かありますか?」
「不穏分子の排除ねー。随分と恐ろしいこと言うな。」
おっちゃんこと原田は言う。
「まぁ目標の邪魔だけはして欲しくないですからね。実際怪しいやつは何人か居ますし。」
「あぁあいつらか、了解した。」
「あと混乱を避けるために皆には1つ伝えたいことがある。」
突然のことに代表たちは顔がこわばる。
「俺でも倒せるかわからない敵が出た。しかもその敵について一切の情報がない。」
「俊さんの魔法でもですか?」
清掃部門代表の清水が聞いてくる。
「まだわからないが結構ヤバイ相手らしい。」
「あんたを倒せるかもしれないってどんなバケモノよ」
優子があまりの事に呆れていた。
「まぁというわけで俺はしばらくそちらに専念する。何かあったら内政部門に伝えてください。随時対応します。」
それに佐藤が続ける。
「というわけで、みんな何か必要なものがあったりしたらわしに言っとくれ。ただし街にありそうなものは武装部門に言うのじゃ。」
鈴木が答える。
「分かったぞい。まぁそれよりとりあえず各部門ごとに人を早くわけんと、何も進まんぞい。」
「そうじゃの。じゃあこっちにある名簿を見て振り分けるぞい。みんな集まってくれ。」
各部門の代表は早速振り分けを始めた。
(ここは任せていいかな)
俊はこの場を代表たちに任せて壁のある方向へ向かう。




