12話
一ヶ月後くらいに少し私用が入り、来月くらいから二週間くらい投稿出来なくなるかもしれません。ご了承ください!
「おー随分久しぶりだな。」
「まぁね。私も世界がこんなことになるなんて初めてだからね。色々忙しいのよ。」
その言葉を証明するかのように今俊の目の前にいる女。いや幼児ともいえる神は少しやつれていた。
「で、今回はどんなようだ。一応こっちもゾンビが出てきた以上滅ぶのは防ぎたいんだ。なんかあったなら教えてくれ。」
現在世界にはゾンビが蔓延っている。このままではいずれ人類は滅ぶだろう。俊も人間であり。この世界に生きていただけあってこの世界には愛着もある。となると協力するのは当たり前よ。
「もちろんよ。でさっそく本題だけどあなたを殺せる存在が現れたわ。」
「バケモノだと?それはどんな奴なんだ?まさか俺と同じような力が使えるのか?」
彼女はうつむく。
「ごめんなさい。そこまでは分からないわ。ただ、この地球にとんでもない力を持った生命体が生まれたことよ。」
「つまりゾンビということか?」
「断言は出来ないけどあなたみたいに力を授けた人はいないし、多分そうよ。」
「んー警告は有り難いけど、いかんせんイメージが湧かないし、どう対策すればいいのか。」
「そうね。まぁあんたなりにとりあえず警戒しときなさい。あなたが死んだら世界は救えないわ。しっかりね。」
「ならあんたに頼みたいことがあるんだが。」
「まぁものにもよるけど。何?」
「知識が欲しいんだ。車の知識、医療知識。ともかくいろんな分野の知識だ。これがないと創造できないんだよ。」
「まぁ創造の力はイメージだからね。知らないものをイメージするのは難しいわね。ただ知識を与えるのは正直言って大変よ?脳に強制的に知識を植え付けるのだから地獄のような痛みがあるし、多分数日寝込むわよ?まぁこれらは知識量とあなたの許容量にもよるわね。ただあなたが今寝込んでしまうのは少し時期尚早じゃないかしら。実際魔力で動く家電用品をつくったのでしょ?ならあとはそれの応用よ。別に難しい知識なんていらないわ。要はあなたがどれだけ固定観念を捨て去ることができるか。これがあなたにとって一番重要なことよ。」
「あぁわかったよ。あと1つ聞きたいんだが。」
「えぇ何かしら」
「ゾンビどもに俺の力が通じない。というか魔力を拒む。これについて知ってることは?」
「……知らないわ。」
彼女は本当に知らなかったらしく、とても驚いていた。彼女は顎に手をあてて下を向き、何やら呟いていた。
「まさか、あれなの?でもあれはいないはず。そもそも…」
彼女は俊と最初に会った時の別れ際のようなとても真面目な顔で何やら考えこんでいる。
「…………少し私のほうでも調べるわ!じゃあね!」
彼女は一方的に会話を終わらせる。すると先ほどまでいた真っ白な空間からいつのまにか自室の布団の中にいた。
「ふー。突然終わらせやがって。しっかし敵なー。とりあえず防衛面でも少し手を加えるか。さすがに壁だけだと心許ないしな。」
現在の拠点の防衛は土壁だけである。
暴徒やゾンビに対してはそれだけで十分であろう。ただしもし俊を倒せるくらいの力をもつものが来たら土壁では物足りないのは目に見えている。
「とりあえず今日も色々仕事を割り振りながら、防衛面を充実させておくか。」
そうして俊は頼りになる佐藤を探しに集会場へと向かう。




