10話
更新遅れてすみません。胃腸炎で寝込んでいました。明日からは頑張ります。
「では改めまして、俺は山口俊です。本日は皆さんに俺たちの拠点への移住について話しにきました。」
俊は現在生存者のいるマンションにいる。マンションの住民たちを説得して拠点へと移住させるためだ。
「俺たちの拠点は自給自足を目指しています。実際に拠点では畑を作っています。」
「それは例の魔法によってつくったのかい?」
マンションの住民の1人が質問してくる。
「えぇそうです。ただとても魔力を使うのですぐには完成しないんですけどね」
現在拠点の畑は三割程度しか出来上がっていない。
ただでさえ種は魔力消費量が多いのに、畑に植えるほどの種を創造しなければならない、また拠点にいる人々全員を養うだけの畑も作らなけばならない。そうなると必然的に魔力消費量が莫大なものとなる。
「たしかに食料があるのはいいな、ここだといずれ備蓄が尽きて外に出ないといけなくなるからな。」
「では皆さん俺の拠点に来ていただくことには同意するということでよろしいですか?」
人々もこの状況下で安全な場所というものには背に腹を変えられないようだ。みなまだ俊を信用していないが、とりあえず付いていくと決意したようだ。
「では皆さんには車で移動してもらいます。幸いそこらの放置自動車にはまだガソリンもあります。それを使って皆さんでいきましょう。」
「移動するって言ったてゾンビがいるんだぞ、音でバレちまうぞ?あとあんたも外にいたから分かると思うけど道路には放置自動車がたくさんあるぞ?」
道路上には事故車や放置車がある。それなりの数があるため何回も避けていたら時間がある。ただでさえこれだけの人数で動くのに、時間もかかることになる。
そうなると必然的に危険も高まる。
「まぁそこは任せてください。ここで魔法の出番ですよ。」
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「俊くん、お願いするよ!」
先頭の運転手の男が俊に声をかける。
「了解でーす。」
俊の了承の声と同時に目の前あった車が動く。動くというには少し荒々しいが。そのせいで音に反応してゾンビが近寄ってくるが俊によって倒される。
ちなみどうやっているかというと、俊は以前アメリカのハリケーンの報道を見た時、車が吹っ飛ばされていたのを思い出し、それを創造で実現したのだ。要は車を浮かばせるくらいの強風を起こしているのだ。
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「なんだこれは!!!!」
「おー!すげぇ!!!!」
大人も子供も関係なく拠点を見て、大声をあげる。
「みなさーん。本日はお疲れさまでした。皆さんへの拠点の紹介はこの2人がしますので、彼らについて行ってください。」
俊は面倒なので隆太と優子に任せておいた。
「ちょっ聞いてないぞ!」
「私もよ!」
「いいから、いいから。さっさっと行ってこーい。」
隆太と優子な渋々新たな住民たちを連れていった。
「さて、あの中に医者と薬剤師が何人かいたし、これでとりあえずはいいかな。ん?そういえばあの神、また会えるとか言いながら全然会いに来ないな。まぁ、いまはいいか。」
俊はとりあえず今出来るだけの畑作りをし、ほとんどの魔力を使い果たした。
「ふー疲れたなー。一瞬だけどやっぱ疲れる。飯まで寝るかな。」
俊はこの終末世界でありながら、どこか毎日が刺激的な生活で、悪くないなと思っていた。もちろんこれから暴徒のような存在など人間同士の争いがあるのは分かっていた。しかし今後あんなことになるなんて全く俊は想像していなかった。




