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序幕
@舞台袖
――語り部、本を開く。
語り部「あるところに、春・夏・秋・冬、それぞれの季節を司る女王様がおりました。女王様たちは決められた期間、交替で塔に住むことになっています。そうすることで、その国にその女王様の季節が訪れるのです」
――語り部、ページをめくる。
語り部「ところがある時、いつまで経っても冬が終わらなくなりました。冬の女王様が塔に入ったままなのです。辺り一面雪に覆われ、このままでは、いずれ食べる物も尽きてしまいます」
――語り部、ページをめくる。
語り部「困った王様はお触れを出しました。冬の女王を春の女王と交替させた者には好きな褒美を取らせよう。ただし、冬の女王が次に廻って来られなくなる方法は認めない。季節を廻らせることを妨げてはならない」
――語り部、ページをめくる。
語り部「何故、冬の女王様は塔を離れないのでしょうか。何故、春の女王様は塔に訪れないのでしょうか」
――語り部、本から顔を上げる。
語り部「実は、この冬の女王様。塔を離れたくないのではなく、離れたくとも離れられない、ある事情があったのです」




