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曇りなき曇天の世界で  作者: 勇者とんこつこと城
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プロローグ

初の投稿になります。自身説明を見ておきながら、未だにしっかりと理解していない節がありますので、何か問題等ございましたら、ご指摘のほど、よろしくお願いいたします。

  何かがおかしい。

しかし、それが何かはわからない。


7月中旬。午前4時。

 昨晩は全くもってお楽しみではなく、普通に寝苦しさにうめきながら眠ろうと努力していたので、普段の俺を見ている人からすれば想像もつかないような早朝に、目を覚ましてしまった。

 そして寒さを感じた。

 一枚のタオルケットすら使用していなかったことを後悔するほどに、寒かった。


 いかん。これは体調バランスの天秤を傾けそうだ。

 寝ぼけた脳みそでもそれくらいのことは判断できた。俺は半ば無意識に起き上がり、部屋の押し入れから毛布とかけ布団を引き出し、抱えるようにして寝床に戻る。最後に、無造作にそれらをベットの上に投げる。

 そしてその一連の行動の後に、自らを不思議に思う。


 いや、タオルケットでいいだろ。さすがに毛布とかけ布団はやりすぎだって。


 7月中旬。昨晩の寝苦しさを思いだし、少し憂鬱になる。しかしながらこの寒さの中では、先程の一連の行動も納得ができてしまう。寝冷えなどでは到底説明のつかない、寒さである。

「雪でも降ってんじゃねぇのか」

 頭ではんなわけねぇだろとツッコみながらも、自分の独り言を否定するために、カーテンを閉めておいた窓の近くに寄る。

「カーテンを開けるとそこは銀世界だった、ってか?」

 我ながら凄まじく頭の悪い発言をしているなぁ、と思いながら、カーテンを勢いよくフルオープン。

 そして目を疑う。

 

 まさかとは思う。だがもしかすると、頭が悪かったのは、世界の方だったのかもしれない。


「おいおい」

 俺の目に対してか、それとも世界に対してか、どちらにせよ呆れるように呟いた俺の言葉は、雲散夢消のごとく寒気に溶けた。


 窓越しに見えたのは、マジモンの銀世界だった。


 7月中旬。午前4時。

 雪景色を見ていられたのはざっと五秒だ。

 ほどなくして俺の視界は後頭部を何か固いモノで思いっきり殴られたときのようにぐわんと歪み、ベットに倒れこむことも出来ず、俺は窓際に倒れ伏した。


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