地獄で鬼に会う。
タツヤは、夢を見ていた。
夢の中で変な人影に遭遇した。
(────うおぉぉっ!!・・びっくりしたーーー。)
(・・・・・・・・・・・)
(おまえ誰だよ?っていうかここどこだよ!・・・・まさか!?やっぱりオレ死んじまったのか?クッソーーー!マジかーーーー!!)
(・・・・・・・・・・・)
(・・・・お前さぁー・・どっかで・・・)
(・・・・・・・・・・・)
影は、マサトのオーガスーツ姿と非常によく似た格好をしていたが〝マサトではない〟ことはすぐに理解した。
モデル【蒼天】と違い全身が赤色で包まれていた。
影が揺らめく度に、まるで燃え盛る炎のようであった。
影は、ゆっくりとタツヤの前に腕を出した、不思議と恐れなどはなかった。
当たり前のように、タツヤも腕を出し・・・・・・
─────────!?
「──────・・だ・・・・・・───────ぶ・・・────────ですか・・・・・・・・・」
「ほ・・・・──────きゅ・・・・──────」
マサトが丁度、先回りして待ち構えていた同時刻。
タツヤが目を覚ました!!
(・・・・・?・・・・・?・・・・・・?)
(──────────!?!?)
« ガバッ!! »
目を覚ました瞬間、彼は自分が死んでしまったと勘違いして飛び起きた!!
「うひゃーーー!!ビックリした!!なんだねきみは!!生きていたのか??」
「キミ!!・・良かった・・」
救急隊員とアスカの姿が目に飛び込んで来たので自分がまだ死んでいないことを理解した。良かった、自分はまだ成すべき事が出来るのだと死ぬ前にまだやれ・・・・・・・・!?
(あれ、身体が痛くねえ?)
先程まで瀕死の重傷を負っていたのに、気絶するほどの激痛が嘘のようになくなっている!
それどころか、身体が異常に軽かったのだ、今まで感じた事がないほどに。
(どうなっちまったんだ?オレの身体・・・)
恐る恐る自分の腕を確認しようと、目の前に出した時、一番の異変に驚いた!!
(─────!?!?・・右腕が!!!!)
なんと!!右腕が再生しているではないか!!ゴッソリと無くなっていた右腕が何故かそこにあった!
更に、腕・肩・胸・足と順番に探りながら確認していった。
次の異変は、さっきまで高校の制服(学ラン)を着ていたのに、何故か赤いコートを着ていることと、コートの下は鋼鉄のプロテクターを身にまとっていた。
極めつけは頭だ、頭部全体をヘルメットのようなモノが覆い隠しており、額の眉間辺りから、角のようなモノが外側に向けて伸びている。
自分の身体の感触を確かめながらゆっくりと立ち上がった!!
両腕をもう一度確認して、手のひらを«ギュッ!!»と握った!
「・・・ヨシッ!!!!」
「─────・・ねえ、きいてるの?」
「あ?────あぁーー!!わりーわりー!・・・・サンキュー、助かったぜ!・・・ええっとーー・・・・」
「アスカ!!・・・鬼嶋飛鳥よ。」
「おう!!、オレは赤神竜也だ!・・・よろしくな!!ところでよ・・・このオレの格好・・なに?」
「契約したのよ、〝黒屍〟と。アナタが着ているのは、オーガスーツ。〝黒屍〟の力を発動させると装着できるの、いわば、パワードスーツってところね。」
「いや・・だから・・何でこんな格好になってんのか聞いてんだけど・・」
「しょうがないじゃない!!・・オーガスーツがアナタの身体の欠損部分を補おうとして勝手に発動してるだけよ!だいたい、あんな瀕死の状態から助かったんだから文句言わないでよ(怒)!」
「・・・・・すいません。」
(この女!こえーーなーーおい!!)
「・・・ところでさ、眠ってる間に何か見なかった?」
「あーーー・・そういやーー・・なんか変な影が?あれ?なんだっけ?」
(やっぱり・・)
アスカは、タツヤが見た影の正体を知っていたが・・今は、彼に伝えても仕方ないと思い、そのまま胸の内に隠した。
「まあーどっちでもいっか!・・アスカ!あの猿ヤローはどっちにいった?」
「・・・・・・・やっぱり行くの?せっかく助かったんだし・・・」
タツヤは、心配そうに見つめるアスカを見て答えた。
「オレは・・・あの時の自分の気持ちを・・無かったことになんてできねー!!
・・・・それによ・・」
「えっ!?・・なに?」
「あの猿ヤローの憎たらしい顔に、一発ぶち込んでやらねーと気がすまねーんだよ。」
「ハアー・・・呆れた───わかった、案内する!」
「おっ!?いいのか!?」
「どっちにしても、マサトのことも気になるし・・・・」
「ああーーーー!忘れてたぜ!!!!あのへんに失礼な青いヤツ!アイツにも一言いわねーと、気がすまねー!!」
「チョット!!ケンカとかしないでよ!?─────ホント・・あの時言ってたセリフの方がまだカッコ良かったのに・・・・・」
「あ?───何か言ったか?」
「うーるさいわね!!!!(怒)、サッサと肩貸しなさいよ!!!!(怒)」
「・・・・・・・はい・・すいません。」
(やっぱ、この女こえーーなーーおい!!)
登場人物
赤神竜也【アカガミタツヤ】高校三年18才・身長175㌢・短髪の赤い髪
瀕死の状態であったが、〝黒屍〟が発動したことによりその再生能力で命を取り留め、右半身の再生に成功した。
オーガスーツ・モデル【天斬】。主要武器・???
若干、ヤンキーぽい。
鬼嶋飛鳥【キジマアスカ】
女子高生二年17才・身長165㌢・ロングウェーブの髪
〝黒屍〟の存在、その能力を知る謎の女子高生
けっこう気が強い!!
救急隊員のおっちゃん
この事を上司に報告したところ、「休め!!」といわれて、入院させられた。