九死に美女と黒屍をえる。
登場人物
赤神竜也【アカガミタツヤ】
高校三年18才
爆発?に巻き込まれ
只今、死にかけ。
青島理人【アオシママサト】
高校三年18才
青色のアーマードスーツ
を着ており、謎の化物を
追っている。
鬼嶋飛鳥【キジマアスカ】
高校二年17才
マサトと一緒に化物を
追ってきた。
2人は化物について知っているらしい。
ー黒屍ー【クロカバネ】
見た目はただの黒い文鎮だが
鬼の背骨から抜き取ったとされる
代物。
鬼の金棒のモデルとされている。
「なぜだ!?──なぜ〝黒屍〟がここにある!!」
「・・・・・・・」
「まさか!?・・いいや、有り得ない!!」
「多分、本物だと思うわ。
あの時、感じた辞力と全く同じ──・・・」
「マサト!アナタと同じよ。」
「────クッ!」
(クソッ!!なんなんだこいつ!?)
マサトは、これ以上タツヤに関わる事が何故だか嫌だった。
それに、このまま立ち往生していては本当に、〝大猿〟を逃がしてしまう。
(どうせこいつは死ぬんだ助かったりしない・・・・・)
マサトはこの状況に気が気じゃなかった。
アスカは反対に、タツヤと〝黒屍〟の両方に目をやりながら、何か導きのような物を感じていた。
「わかった・・・・・マサト。先に行って!」
「!?!?───なっ!?」
「この人を助ける!」
「正気か!?誰がどう見たって、そいつは助からない!時間の無駄だ・・」
「〝黒屍〟を使うわ!」
「だから、正気かと言っている!!確かに〝黒屍〟は共振しているが、ソイツが選ばれるとは限らない!もし、なにも起きなかったら?・・それこそ時間の無駄だ!!!」
「後悔したくない!!!!!!!!」
マサトは«ハッ!!»とした。
彼女の宿命と経験を考えれば、その行動は至極当然のことだったことに気がついた。
「・・私の魂と心が囁くの。」
「このまま何も出来ずにここを立ち去ったら、必ず〝後悔〟するって。」
アスカは、強き眼でマサトを見つめた。
彼女の固い決意が感じられるようだった。
マサトの表情を伺い知ることは出来なかったが、これ以上自分が説得を続けてもそれこそ時間の無駄だと思い・・・・・・
「・・・・・・・勝手にしろ。」
アスカに背を向け、〝大猿〟が跳び去った方向へ、自分も跳躍した。
後ろは振り返らなかった、振り返れば何かに負けるような気がした。
アスカは、マサトに対して少し寂しく感じたが、すぐさま身体に緊張感を走らせながらタツヤの元へ急いだ!
動かないタツヤの上半身を抱きかかえて〝黒屍〟を近づけた。
「いい?聞いて!・・これからキミにする事はキミの命を救ってくれるかも知れない!!・・・・・・・でも同時に、逃れられない宿命と辛く長い戦いの運命が・・────」
「・・ゴチャゴチャ・・・いって・・ね~でよ・・・早いとこ・・たのむぜ?」
「オレも・・・〝後悔〟したく・・ねーからよ・・・・」
タツヤはアスカの顔を見て«ニコッ»と、笑顔を魅せた。
アスカもタツヤの不器用な優しさに安堵し、同時に覚悟を決めた!
タツヤの左腕に〝黒屍〟を近づけた!!
すると、〝黒屍〟の共振音が止んだと思ったら、急に先端の方から細い繊維が飛び出し、彼の爪の間・傷口・皮膚・血管へと入り込んできた!!!!
────────────!?!?!?!?
「ウ"ガァ"ァ"ァァァァァーーーーーーーーー!?ウウーーーガアァーーーー!!」
言葉にならない悲鳴とともに激痛が走った!
アスカも、暴れるタツヤの身体を必死に押さえた!!
腕の中から何かが這い上がってくる感触が異常に気持ち悪かった。
頭の中まで来た!
背骨に巻き付いてくる!
(・・・ついてねー・・)
無くなった右半身からさっきの黒い繊維が飛び出した!
(・・・今日はホントマジついてねー・・)
ついにタツヤは、意識を失った。
赤神竜也とって最悪の日となっただろう・・・