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第11話 白い弾丸

 軽トラが良いと言ったのは事実だ。

 軽トラが良い車なのも事実だ。


 だが、だがしかし。


「リゾヴァルブラック号。一番に我々の技術が凝縮された車です」


 ヒーローの乗り物に軽トラをあてがうか?


 天地くんが得意そうに言うが、どう考えてもコレはオカシイ。

 軽トラを馬鹿にするわけではないが、ヒーロー的にオカシイ。


 そう考えているのは俺だけでは無いらしく、赤坊も青瓢箪も目の前の軽トラを見ながらポカンとしている。


 そもそも理解できないのは、この車の何処に技術が凝縮されているのかと言う点だ。

 いや、確かに軽トラは長い歴史を誇る車種。色々な技術が凝縮されているのは事実だが、しかしそれにしたってヴァルマ戦隊の技術が凝縮されているとは思えない。

 それに、先程天地くんが言っていた、『金が掛かっている』というのも変だ。

 低コストで有ることが利点の一つである軽トラックだ。どう考えてもスポーツカーやトライクより高額とは思えないんだが?


 そんな俺の疑問を読み取ったのだろう。

 天地くんは軽トラ…こと、リゾヴァルブラック号を指さしながら説明を始めた。


「この軽トラなんと510馬力なんです!」

「510…」

「あれ?510?510万じゃなくて?」

「ピッタリ510馬力なんですか?」

「ええ、510馬力です!これは普通の軽自動車を超える馬力です!」


 確かに軽自動車の世界で510馬力と言うのは奇跡的な数値だと言える。数世代先を行っている。でもさ、赤坊や青瓢箪の乗り物は万の位だぞ?落差激し過ぎないか?何故俺だけ現実的な数値なんだ?


「コレだけの能力を排気量660CC以下のエンジンに詰め込むのは我々ヴァルマ戦隊の技術力でも困難を極めました」

 なぜそこで排気量を増やすという思想に行き着かない?なぜそうまでして軽のエンジンに拘るんだ?


「更には消音性や信頼性も抜群で故障知らずです!」

「あ…うん」

 確かに軽トラックにしては凄いよね。

 でも、なんか、なんだか…。

 なんかチガクネ?


 俺のそんな気持ちを他所に、天地くんの説明は更に続く。

「でもね緑川さん、そんなことはこのブラック号の凄さのほんの一部に過ぎないんです。このブラック号の素晴らしさはその機能に有るんです」

「機能?」


「ええ、そうなんです!このブラック号には他の二人の乗り物には無い凄い機能が満載なんです!」

 その言葉に、俺の中でムクムクと希望が生まれてきた。


 凄い機能。



 確かにこのブラック号、見た目こそ軽トラだし、馬力も常識の範囲内だ。ヒーロー的に微妙な乗り物だ。

 しかし、凄い機能が満載と言われれば期待が出来るのかもしれない。

 スパイカーの如く、凄い能力が有るなんて如何にもヒーローの乗り物っぽいじゃないか。


 ひょっとして変形するとか?

 有りうることだぞ?

 この軽トラックの姿は世を忍ぶ仮の姿で、有事の際にはスーパーカーに大変身とか、そういうことなのか!?


「緑川さん、運転席にある、その赤いボタンを押してみてください」

「コレか?」

 俺は言われるがままに運転席に乗り込み、目の前にあった赤いボタンを押してみた。


 ううぃーーーーーーーーん。

 大きな音がして、車の後方で何かが動く気配がした。


 なんだ?

 なにが起きたんだ?


「そのボタンを押すと、なんと!!!後ろの荷台がダンプになっているので上がり下がりします!!!」

「…」

「…」

「…」

 得意気に語る天地くん。

 押し黙る俺。

 そして無言の赤坊と青瓢箪。


 そして天地くんが口を開いた。

「それだけじゃありません!」

 その言葉に俺は安堵した。


「そ…そうだよな!もっと凄い機能が有るんだよな?」

 荷台が上がるとか。それチョットお高めの軽トラに普通にある機能だもんな。

 もっとヒーローらしい機能が他にあるよな!


「緑川さん、そのとなりのオレンジ色のボタンを押してください」

「…コレか?」

 今度は俺はオレンジのボタンを押す。


 ぷしゅううううううううううう。


 大きな音がして車体が少しだけ下がった。

 

 なんだ!一体何が… 


「エアサスペンションで車の高さが変わります。さらに乗り心地も安定。どうです?理想的なクッション素材でしょ?」

「…」

「…」

「…」

 沈黙する俺。

 何を言えば良いのか解らないと言った様子の赤坊と青瓢箪。


「そして更にすごい機能が!」

「そうだよな!あるよな!凄いの!一つくらい」

 ダンプとかエアサスとか、そういうなんか普通の機能じゃない、如何にもヒーロー的な機能が!

 あるよね。

 あるんだよね!?


「緑川さん、その更に隣のピンクのボタンを押してください」

「…………コレか?」

 俺はそう言いながらピンクのボタンを押す。しかしなんでこのボタンの色は全部暖色系なんだ? 


 …カチ。


「…」

「…」

「…」

「………………何も起きないぞ?」

「…あ、ええっと、いえ、もう起きてます。そのボタンは2WDから4WDにするボタンです。コレを使えば悪路も大丈夫。2輪駆動と4輪駆動のワンタッチ切り替えボタンです」



「…」

「…」

「…」

「…」


「…あのさ…おっさん」

「言うな!」

 俺は赤坊の言葉を遮った。


「いや、しかし…」

「黙れ、何も言うな!」

 青瓢箪の言葉も遮った。


 解ってる

 こいつらが何を言おうとしているか、解ってる。

 

 こいつら励ますつもりだ。

 俺に励ましの言葉を投げるつもりだ。


 だがそんなことをされてみろ。

 

 俺は完全に惨めな立場に成り下がる。

 確実にこの2人の下の立場に成り下がる。

 

 更に言うなら此処で俺を励ますと言う行為は、この二人がこの車を惨めなものだと思っているという証明でもある。

 いや、それは当然なんだ。俺だって現在進行形で思ってる。


 しかし、それを口にしてはいけない。態度で示してもいけない。



 なぜなら。



「どうですか緑川さん、このリゾフォルノトラック、見た目と乗り心地は普通の軽トラと同様に、中身には僕達の技術のすべてを入れて有ります!ハッキリ言って最高の軽トラックを作ったと自負していますよ!」

 このキラキラとした視線を浴びせてくる天地くんを前に、不満なんて言えようか?


「え?あ、うん。凄いね、この軽トラ」

 軽トラとしては凄い、それは認めよう。


「そうでしょう?僕はもう、緑川さんが喜んでくれると思って設計部にかなり無理を言って作らせたんですよ!ヒーローに相応しい能力を軽トラに詰め込めって!この2週間急ピッチで開発したんです、いやあ、緑川さんが喜んでくれてよかった、作ってよかったですよ!おかげで技術部の数人が過労で死にかけましたけれど。いやあ、報われてよかった」

 彼は俺のために態々そこまでしてくれているのだ。

 間違っても気に入りませんなんて伝えられる雰囲気じゃない。






 その時だった。


 ウーッチョン! ウーッチョン!




 けたたましい音が鳴り響いた。

 何事だろうと思っていると、天地くんが慌てた様子で壁にあった受話器を取る。


「はい!私です!…ええ!そうです!………場所は?…わかりました、すぐ向かいます!」

 何やら大声でそんなことを言う天地くん。

 そして彼は受話器を戻すと、真剣な表情をしたまま俺らの方を向いてこう言った。


「怪人が現れました!」

「「「なぬ!?」」」

「東北高速道路の上です、高速道路を破壊しているそうです」


 2週間ぶりの怪人。まさかこのタイミングで現れるとは。

 しかも今回の怪人は現在進行形で破壊活動を行なっている。

 

「急いで向かわないと!天地くん!のり…」

 乗り物を出して…と言いかけた時点で皆は動いていた。



 即ち。レッドはスポーツカーに乗り込み。

 ブルーはトライクにまたがり。



 そして、天地くんはレッドの助手席に………………。


「あれ?」

 俺のそんな声が出ると同時に、天地くんの叫び声が響く。


「場所はフォルノリングのナビゲーション機能に表示されています!一刻も早く向かいましょう!」

「「ラジャ!!」」

 そして、目の前のシャッターが開き。


「おい、ちょ…ま…」

 俺の戸惑いを他所に、他の三人はそのまま出発してしまった。











 そして、部屋には俺と。軽トラが残された。










「…え?、俺はコレで行くの?」

 軽トラを見る俺。


「…いや、それしかないか」

 兎に角急がなくてはいけない状況だ。

 軽トラだろうがなんだろうが乗り込んで出発しなくては。


 俺は早速軽トラに乗り込みエンジンを掛けようとして有ることに気がついた。


「…っていうか!この軽トラMTで4速かよ!」

 4速でどうやって馬力を活かせと?


「しかもカーラジオもエアコンも無いのか!?」

 誰も居ない地下室で、俺の声だけが木霊した。 




◆◇◆◇◆◇◆◇



 軽自動車特有の音を立てながら走る軽トラ。


 エンジンの音だけをBGMに道を走る俺。

 果たして今の俺の姿を見て、どれだけの人がヒーローだと気がつくだろうか。

 おそらく皆無だ。


 こんな巫山戯た乗り物に乗るヒーローなんて、古今東西俺しかいやしない。


 俺はそう思いながら国道を突っ走る。

 すごく悲しい持ちを乗せながら、フォルノリングにされた場所に向かって走る。

 レッドとブルーはもう目的地に着いているだろうか?

 あのスピードならばもう到着していてもおかしくない。

 兎に角、俺もできるだけ急ごう。



 と。思ったわけだが。

 物事と言うのは何時も思い通りには行かないものだ。

 急いでいる時に限って嫌な事態に陥る。


 俺の目の前には小型トラクターが走っていた。


 トラクター。

 農業や土木業で使われることの多い牽引専用の車両だ。

 『引っ張ること』に特化したトラクターは力はすごく強いが、速さは然程早くない物が多い。

 大体が最高時速は40㎞程度で、特に今俺の目の間にある農業用小型トラクターだと時速は30㎞も出やしないだろう。


 しかしなんでこんな所に小型トラクターが?農繁期は少し前に終わったはずだが?

 とにかく、目の前をベポベポと走る農業用車、追い越し禁止車線をノタリノタリと走るそれは邪魔極まりなかった。


 これは困った。

 コレの後ろでは何時までだっても目的地にたどり着けない。

 緊急事態である、お願いして脇にそれてもらおう。


「あのチョット、すいませ………………」

 俺は窓から顔を出し、そう言いながら固まった。


 俺は、その瞬間に間違いを悟ったのだ。


 先程俺が考えた。

『こんな巫山戯た乗り物に乗るヒーローなんて、古今東西俺しかいやしない』

 コレは、完全な間違いであった。



 何故って。

 


 俺の目の前のトラクター。

 その運転席には。




  死んだ目で運転をするイエローの姿があったのだから。





◆◇◆◇◆◇◆◇







 俺の脳内に嘗て彼女が言った言葉がリフレインしていた。



 私だって!4輪や大型三輪に乗れるものなら乗りたいわあ!

 

 わあ!


 わあ


 わ


 あ



 なるほど。

 天地くんは俺達の希望を確かに叶えているようだ。

 トラクターは一応四輪車だ。イエローが持つ原付免許でも乗ることが出来る唯一の四輪車だといえるだろう。


「イエロー?」

「…」

 俺の呼びかけにも無言のイエローは死んだ目で前方を見つめている。

 いや、無理もない。

 俺だって、軽トラに対して結構な不満を持っている。ヒーロー的に無いなあって思ってる。

 だが、トラクターよりはマシだ。


「あの…」

「…」


 それにイエローは一応は女性である。そしてトラクターを好むタイプでもない。

 トラクターを専用車とされた彼女のショックは俺のそれよりも遥かにデカイのだろう。


「…」

「…」

 だが、状況が状況だ。俺達はできるだけ迅速に怪人の居る所に行かなくてはいけない。 


「…乗れよ、この車なら、後ろの荷台にその小型トラクター乗せられるから」

 少なくともこの軽トラのほうがトラクターよりは早く行けるだろう。


「…」

 イエローは何も言わなかったが、それでも了承したらしく、キイっと音を立ててイエローが道の脇に停車する。

 それにあわせて、俺も彼女の前方に車を止めた。


「ほら。この板を使って…そうそう。そのままゆっくり荷台に載せて……ロープに……」

 まさかこうも早く荷台が役に立つとは思わなかった。


「言いたいことは色々と有ると思う。不満も有ると思う。だが今は急がなきゃいけないからな。とりあえずこっちに乗れ」

 そう言って俺は軽トラの扉を開く。

「…」

 彼女はそのまま軽トラの助手席に乗った。俺は運転席に乗ると、軽トラを再度走らせた。

 荷物が増えて先程よりもスピードは下がっていたが、それは気にならなかった。


 むしろそんなことより気になったのは。


「大丈夫か?」

「…」

 イエローのメンタルの方だった。

 何時も元気いっぱい、うざったいくらいのこのイエローのあまりの沈みかたに俺はどうしていいかも解らず。


「…涙…拭けよ」

「…」


 とりあえず彼女にハンカチを差し出すことしか出来なかった。



◆◇◆◇◆




 イエローの機嫌が回復したのは高速に乗り目的地まであと少しに差し掛かった頃だった。

 あるいは軽トラというヒーロー的に微妙な乗り物に乗る俺に対して共通性を見出したからかもしれない。

 彼女はポツポツと口を開きだした。


「たしかに、私は4輪が良いって言ったよ?ええ、言いましたよ?でもさ?まさかそれがトラクターになると思わないじゃん?」

「そうだな…俺も、まさかほんとに軽トラが専用車になるとか思わなかったし」

「聞けばレッドとブルーはスポーツカーにトライクだって話だし」

「ああ、あいつらソレに乗ってすげー速さで行っちまったよ」

「ホント、あの2人はデリカシーが無いと思う」

 その意見には同意である。

 

 ヒーローってみんな揃ってこその団体だと思う。

 なぜに俺らを置いて2人で突っ走るんだ?

 天地くんも、何でレッドの助手席に乗る?


「そもそもあいつらの乗り物チョイスは最低だ」

「ほんと、あの2人は馬鹿だよね」

「時代は軽トラだよな!」

「うん、そしてトラクターだよね」

「スポーツカーとか、バカの乗り物だよ」

「そうそう」

「トライクとか意味不明だよ」

「まさに!」」

「時代は牽引だよな!」

「物を運んでなんぼよね」

 段々と声が大きくなる俺達。


 何故かは知らないが、俺とイエローの連携力がすごく上がっていくのを感じる。

 不思議なことに、この軽トラの中には妙な一体感が有る。


「だいたい格好で乗り物を選ぶ奴をどう思う?」

「サイテーよね!」

「なー。流行で乗り物を選ぶ奴は?」

「地獄に落ちろ!」

「だよなー。そして、人や荷物が乗せられない乗り物は?」

「糞食らえ!」

「「HAHAHAHAHAHAHA!!!」」


「「…………ふう」」

 そして俺達はため息を一つついて。



「やめよう、負け惜しみは」

「うん」

 暗い調子に戻った。

 

「正直に言うよ、羨ましい」

「私も、じつはすごく羨ましい」

 そう、結局俺達はレッドとブルーの乗り物がすごく羨ましいのだ。


「出来るなら俺もあんなスポティーでナウィ乗り物に乗りたい」

「私も」

「でも、正直この乗り物を渡された乗り物を無駄にすることも出来ない。もう作ってもらっちゃったし」

「私も。凄い笑顔で『どおです!?希望どおりでしょ!?』って言う天地マスターの顔を見たら、要らないとかとても言えない感じになった」

「だよな…」

 ああ言う無垢な善意って時に悪意よりもたちが悪い。

 ものすごい笑顔の天地くんを前に、文句を言える程俺達は悪魔にはなれなかったのだ。


「さすがに別のやつを作ってくれとか言えないよな」

「さすがにねえ、壊れてもないのに交換なんて言えないよ」


 !!


「…ん?おいイエロー今なんて言った!?」

「え?壊れてもないのに交換なんて言えないって…」

 その言葉。

 その言葉は、まるで天啓だった。


「なるほどその手があった!」

 目から鱗である。


「おじさん?」

「そうだよ、普通に考えたらそうだ。壊れたら別のを宛てがうよな?その時に別の希望を出せば良いだけのことじゃないか」

 俺はそう言うと、アクセルをベタ踏みした。


「え?チョット、オジサン、なんでスピード上げてるの?エンジンが凄い音を上げてるよ?」

「コレが壊れたら、新しい車が得られるかもしれないとは、なるほど盲点だった」

「ちょっと、オジサン?オジサン!?」


 つまりとても簡単な解決方法である。車が壊れれば良い。

 即ち俺はこの車で。

「事故ればいいのだ!」


 俺のそのスーパーグットアイディアに対してイエローが慌てた声を出した。

「ちょっと待ってオジサン、冷静になって!事故るって事がどういうことか解ってるの?」

「そりゃあこの車が壊れるってことだろ!?」

「違うよ、事故るってことは、この車が何かにぶつかるってことでしょ?相手のこと考えなよ!」

「別に人を挽くわけじゃない!ぶつける対象は選ぶ!」

 正義の味方が人を挽くわけないだろ?


「物だって同じでしょ!この車が壊れる事故って事は、ぶつかった物も壊れるってことでしょ?公共物を壊せば困る人が出るし、人の家や他人の車なんて絶対ダメでしょ?街路樹とかだって誰かが迷惑するんだし、そもそも事故ったら誰かしらに迷惑をかける事になるでしょ?」



 イエローの言っている事は正しい。

 道路の周りにあるものは大抵は公共物か個人の所有物、ソレにぶつかれば誰かが迷惑する。

 それはヒーローとしては絶対にやってはいけない事だ。



 だが。

 だがな?


「安心しろ」

「え?」


「この世の中に、たった一つ。思いっきり事故っても問題ない存在がある。ヒーローが壊して大丈夫な存在が…」


 ソレもこの先にな。


「…」

「…」

「あの、その、オジサン、それって、ひょっとして…」



 見えてきた。


「そう!たとえ事故っても大丈夫な存在!!ソレこそがこの先に!」


 それこそが目的地に存在している。


 高速道路の緩やかなカーブの先。

 

 俺達の目に入ってきたのは、二人の見慣れたヒーロと、それに対峙している存在。




 そう。この世の中で唯一、破壊しても問題がない対象!

 怪人である。

 


「衝撃に備えろよ!イエロー!」

 俺は叫んだ。

 

「マジでエエ工エエェェ!!!!!!!」

 叫ぶイエロー。


 かなりの速さで突っ込んでいるが、まるで全てがスローモーションのように見えた。


 唖然とするレッドとブルー。


 大きな音をたてるエンジン、


 暑い日差し。






 そして、衝撃とともに吹き飛ぶ怪人。






 大声で叫ぶ俺の目の間に。

 エアバックが飛びでてきた。



◆◆◆


次回予告


 高速道路を破壊していた怪人。なぜ彼は高速道路を破壊していたのか。

 怪人の目的は?そしてその正体は?

 リゾブラックの衝突によって全ては闇に葬られたかに思えたソレを。リゾレッドとリゾブルーは聞き出していた。


 次回!ヴァルマ戦隊 リゾフォルノンジャー!

     『ゲルニッカーズの怪人!』

           お楽しみに!

 

◆◆◆◆用語解説


・軽トラ

 ちなみに超低速ギア、デフロック、オフロードタイヤもついてる。

 ABS?なにそれ?


・4輪駆動

 4WD。4つのタイヤ全てに動力を伝え駆動させていると言うこと。2輪駆動に比べて牽引力が上がり悪路にも強くなる。一方で燃費が悪化し音が大きくなり、乗り心地も少し悪くなる。


・MTで4速

 マニュアル・4速

 クラッチ操作が必要な車。わかりやすく言うと比較的操作が面倒くさい車。燃費が良かったり、ブレーキを常に踏まなくても良い等の利点もある。4速とは速度(ギアの回転数)を4段階に調節できると言うこと。最近の乗用車は5速以上が一般的。

 ちなみに筆者はどちらかと言えばまマニュアル派。理由は安いのと半クラッチの操作が好きだから。


・農繁期

 農業が忙しくなる時期。地域や気候や特産品等で大きく変わるが、概ね田植えの時期と稲刈りの時期を指す場合が多い。この時期は一般道に農業用車が多く出るので「トラクター渋滞」や「コンバイン渋滞」が頻発する。地方によっては遅刻の理由にもなり得る。

 


・小型免許でも乗ることが出来る唯一の四輪車

 これは緑川の勘違いで実際は他にも乗れる四輪車は存在する。

 けれど、一般的な物としてはこの小型農業用車などが有名。

 

・小型トラクター

 小型トラクターの利点と言えばなんと言っても小回り。大型トラクターに比べ、小さい場所や入り組んだ場所、隅っこ等、色々な場所で活躍できる。

 更にはトラクターのネックでもある『一般道の移動』も軽トラに載せる事で解決!

 小型トラクターと軽トラは農業界の黄金コンビなのである。

 ちなみにイエローの乗車していたトラクター、リゾイエロー号は各種オプションに対応し、除雪、草刈り、田植え、耕耘、等が出来る上に超信地旋回も可能なスグレモノ。


・ナウィ

 ナウい。今風、流行に乗っていると言うような意味。だがこの言葉自体がすでに今風では無い。


・エアバック

 軽トラは車種によってエアバックがあったり無かったり標準だったりオプションだったり…


・事故

 ※リゾブラックと、リゾイエロー及び、怪人は特殊な訓練をつんでおります。絶対に真似しないでください。

 特に軽トラを始めとした軽自動車は事故に弱く、クラッシャブルゾーンも狭いためエアバックさえも焼け石に水。

 絶対に真似しないで下さい。

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