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第9話 怪人キメラニアの恐怖

 正午の太陽は容赦なく降り注ぎ、一日のうちで今こそが一番に活躍できると張り切っている。

 世界の気温は最高潮で、まるで暑さがこの世界の支配者のようだ。


そんな時間。


 俺は天地くんが操縦する小さなミニバンの助手席で叫んでいた。


「急げ、急げ、こうしている間にもゲルニッカーズの魔の手は確実に伸びてきているぞ!でも俺達は正義の味方だから、法定速度を厳守しつつ、交通マナーに違反しないレベルで出来うる限り急げ」


「オッサンがデザートを差し出さなければもう少し早く出られたんだけど」

 俺の後ろに座る赤坊がボソリと言った。


「でもお前ら食ってたじゃねーか」

「いや…まあ…そうなんだけど…そして美味しかったけれどさあ。でも有料って…」

「何気に完食してしまいました、けど、あの場でデザートを出されたらそりゃ食べちゃいますよ。しかし、まさか有料だとは」

「むしろ、あの美味しそうってところがたち悪いと思うの。甘いものの魔力って例え急いでいてもそれを遮る力があるし。正直悪いのはあのコーヒーゼリーであって私達じゃ無いと思う。と言うより諸悪の根源はオジサンだと思う。大体女の子である私より、料理が上手くて、デザートまで作るとか意味わかんないし、更に有料とか」


 ぶつぶつと文句を言う三人。

 そもそも急いでいるならばあそこで俺の申し出を断ればよかったくせに、普通に食べきって、その上文句まで言うとは、実にけしからん輩である。


「大体、あの時間は決して無駄じゃなかったんだぞ?」

 

 俺だってこれから戦いに向かうという時に、意味もなくデザートをすすめる程に空気が読めないわけじゃない。

 あの行為には理由があったのだ。


 一つは純粋に栄養補給。

 腹が減っては戦が出来ないと言うように空腹は戦いの大きな妨げだ。がっつり食ってた天地くんとは違い、この三人は俺の料理を味見程度にしか食べていなかった。

 しかし、重い食事は逆に体を鈍らせる。だから糖分が多く消化に良いゼリーを使って栄養補給をさせたのだ。

 さらにコーヒーの香りにはリラックス効果があり食べている間、冷静に今日の戦いについて考える事が出来る。一方でコーヒー自体には興奮作用もあるのでこれからの戦いにはもってこいのアイテムなのだ。


 そしてもう一つの理由。

 それは、準備をする時間を作りたかったからだ。


「お前らがデザートを食っている間、俺は今回の戦いに関する準備をしていたんだ」

「準備?」

 

 そう、準備。


「コレだ」

 そう言って俺は白い袋を取り出した。

「あ、その袋?さっきから気になってたんだけど、それに準備したものが入ってるのか?」


「そうだ…まず芳香剤、コレは犬を始めとした嗅覚が強い動物の怪人に効果的だ」

 そう言って俺は袋から芳香剤を取り出す。

「あ、それはトイレにあったサワディー」

 赤坊がそんなことを言った。


「次にマタタビ、コレはライオンや虎に代表される猫系の怪人に有効だ」

 そう言って俺は今度は赤い木の実を取り出した。

「あ、それってトイレの窓のあたりに飾ってあったやつですね」

 青瓢箪がそう言った。


「それと、音響装置。聴力の強い動物に効果がある」

 そう言って俺は小さな機械をを取り出した。

「それ、トイレの音消し装置」

 キ印が言う 


「他にも目くらまし用のライト、万が一にも切れないようにLEDだ」

「LED?そんなの何処にあったんだ?あの店の照明は殆ど蛍光灯だし、懐中電灯なんて何処にも無かったはずだぜ?」

「ええっと確か…寿命が長いからって理由で、トイレの電球だけ唯一LEDだったような…」

 天地くんが運転しながらそう言った。


「最後に紙の束な、万が一相手が音波を使うタイプだった場合はコレをチャフとしてばら撒こうと思ってな」

「トイレットペーパー…」

「準備って…トイレにあった物を全部持ってきただけじゃん」

「っていうか、オジサン。準備の時間が欲しかったって…普通にトイレに行く時間が欲しかっただけじゃないの?」


「うるせーな、兎に角コレだけアレばどれかしらは役に立つだろう」

 そもそもお前らがもう少し時間をかけてゼリー味わっていればもっと色んな場所を探せたんだ。

 

「とりあえず、レッドは芳香剤と音響装置を持っておけ、ブルーはライトとマタタビ、俺は紙を持っておく」

「…私は?」

 イエローがそんなことを行ってきたので、俺は袋の底にあった物を彼女に渡した。


「お前にはコレな」

「なんですかこれ?」

「カレーパン」

「…なぜ?」


 不思議そうに首をかしげるイエロー。

「ふふふ、これはな、ただのカレーパンではない。なにせ俺の手作りだ」

「え?このカレーパンに何か凄い秘密が?」

「ああ、なんとこのカレーパン、中身はチキンドピアジャだ!」

「…?チキンドピアジャ?なにそれ?化学兵器?」

「説明しよう!チキンドピアジャとは、玉ねぎをじっくりと炒めてニンニクと生姜、そしてスパイスを混ぜて作ったルーに、新鮮な鶏肉と大きめに切った玉ねぎを入れた、玉ねぎたっぷりカレーである。玉ねぎ効果で血液サラサラになるとってもステキなカレーなのだ!!」

「なのだ!!…って言われても、それただのカレーパンじゃん」

「ただのじゃない!ステキなカレーパンだ!ちゃんとトッピングと付け合せもパンの中に入っているからこれひとつで食事が全部まかなえるんだぞ?」

「なんで私がカレーパンを私が持たなきゃいけないの!?」

「お前がイエローだからだ!」

「意味がわからない!」


「到着しましたよ!」

 天地くんの声が響いた。

 

 気がつけば車は岩だらけの鉱山の麓に止まっていた。


「ゲルニッカーズはこの先に居るはずです。良いですか?くれぐれも…」

「わかってるさ。油断はしない。それに怪人と戦うのはコレが初めてじゃないしな」


 俺はそう言って車を降りた。

 目の前に広がるのは、砂利道だった。


 この道の先に。18年ぶりの怪人が居る。

 そう思うと、少しだけ、右手が疼いた。



◆◇◆◇◆◇◆◇



 荒れ果てた道。

 いや、道とさえ言えないようなただ砂利の敷かれた平らな場所をゆっくりと歩く。夏の熱気をタップリと浴びた砂利道はそれ自体が熱を発しているかのように暑かった。

 熱くて歩きにくい道を、俺は辺を警戒しながらすすんだ。


 すると。


「ハハハハハハ、待っていたぞフォルノンジャー」

 そんな声が辺に響いた。



「しまった罠か!?」

 レッドがそう叫んだ。


 俺達が此処に来たことがバレている。コレは即ち、俺達が此処に誘いだされた可能性が高い。レッドの言うとおり、そもそも此処にゲルニッカーズが居るという情報こそが、罠だったのかもしれない。


 だが、声はその考えを否定した。

「罠?まさか、罠などという小賢しい事をこの私がするか。罠は弱者が強者を倒すための手段。強者である私が、弱者であるお前たちに罠をはる必要なぞ無い!」

「ならば姿を表せ!」


「いいだろう…」

 そんな声と共に、怪人が木陰から姿を表した。

 その姿は…。

 

「ウサギ?犬?猫?」

 その怪人の姿は何やら異様だった。


 ウサギのような耳、猫のような目、犬のような口。更に牙はサーベルタイガーのように2つ突き出しているが、ウサギのように前歯も出ているし、それ以外は狼のような整い方をしている。耳も形こそウサギだが、角度やある場所は犬や猫のようだし。

 なんだか異様な動物の姿をした怪人がそこにいは居た。


「お前がゲルニッカーズの怪人か、名を名乗れ!」

 レッドがそう叫んだ。

「自分から名乗りもせずに相手の名を尋ねるとは、最近のヒーローは随分と失礼なものだね?」

 小馬鹿にするようなその怪人のその言葉。

 とはいえ、怪人の言っていることも正しい。

 

 ヒーローたるもの、怪人と出会った時、まずすべきことがあるのだから。


「では名乗ろう!…漆黒の闇の中に燃え広がる見えない光。目で見えずとも心を熱する黒い炎。リゾブラック!」

 俺がそう叫びながらポーズを決めると、イエローがすぐその後に続いた。

「元気な心が世界を照らす。輝き満ちた明るい炎。リゾイエロー!」

「蒼き静寂の光、静かに揺らめきつつも、情熱的な青い炎、リゾブルー」

「…」



「…」

「…」

「……………ほら、レッド」

「え?」

「いや『え?』じゃなくて、口上!早くしろよ、お前が締めなんだから」

 呆けたように突っ立っているレッド。

 アレほど練習した口上をなぜやらない?


「え?アレやるの?マジで?今?」

「今やらないで何時やるんだよ?」

「ほら!レッド、早く!」

「急いでよ!流れが止まるでしょ!」

「お…おう…。 戦いに言葉は要らない…リゾレッド」

 全く持って不甲斐ない。省略しまくりのうえに辿々しいし。コレは戻ったら要練習だな。


「えー、誠に遺憾ながら、最後がグダグダだが、現時点で4人揃ってリゾフォルノンジャーである。しかるに、そちら側の身分を明らかにするように」

 俺がそう言うと、相手の怪人は声高らかに自らの名を名乗った。


「私は新生ゲルニッカーズの怪人にしてウサギの、犬、猫の能力を併せ持つ合成怪人、合成怪人キメラニアである!!」

「なぬ?」

 合成怪人?

 初めて聞くタイプの怪人だぞ?


 そんな俺の戸惑に気がついたのか、キメラニアは自分の体の説明を始めた。

「ふふふ、我らがゲルニッカーズが、今までどおりの組織だと思ったら大間違いだ。この18年という歳月は我らに新たなる技術をもたらしたのだ。かつての単一の能力しか持たない怪人とは違う。私は複数の生物の能力を併せ持つ、究極の怪人なのだ!!!」

 トンデモない事を言い出した怪人。

 しょっぱなでこういう怪人が出てくるのは良くないと思う。こういう強そうな怪人は戦いの中盤以降に出てくるものだろ?

 最初は弱いやつ出せよ!


 混乱する俺に対して、怪人キメラニアが叫ぶ。

「新生ゲルニッカーズの科学力で生まれた私の前に、貴様らの力など全く意味を成さない!」


 そして。

 次の瞬間にブルーが吹き飛んだ。


「早い!」

 ブルーの居た場所を見ると、蹴りの格好をしたキメラニアが立っている。

 どうやらキメラニアの蹴りがブルーに当たったのだろう。


 恐ろしいスピード。

 殆ど見えなかった。


「嘘だろ、今までの怪人よりよっぽど早いぞ?」

 思わず漏れた俺のそんな言葉に、キメラニアは愉快そうに笑った。


「ウサギのジャンプ力、犬の脚力、猫のバランス感覚。これらを併せ持つ私のスピードはただの怪人のそれよりもずっと早い。昔の黴臭い怪人と一緒にしないでもらおうか」


 余裕の表情。しかし、その余裕は、実力に裏付けられた、確固たる余裕だ。

 俺はこの合成怪人の力が俺ら全員の攻撃よりもよっぽど強い事が解った。解ってしまった。


 だが、それはまだ予想の内。

 今の新生フォルノンジャーの力では、怪人に敵わない可能性は事前に予想していたことだ。


 だからこそ、アレだけの準備をしてきたのだから。


「レッド!」

 俺が叫ぶと、レッドは俺の意図を理解したらしく、ペルトについていたポーチから素早く音響装置を取り出した。



「ウサギなら音に弱いはず!」

 けたたましい音が響き渡る。

 かつて戦ったうさぎ怪人は大きな音に弱かった。

 その能力を持つキメラニアにも有効なはずだ。

 そう思った。


 思ったのだが。


 キメラニアは余裕の表情を崩さなかった。


「無駄だ!その弱点は犬の能力と猫の能力により克服している!!ウサギ単一の弱点は他の2つの動物の能力でカバーしているのだ」

「な!」

 なんだと?そういうのアリなのか?反則じゃないのか?

 っていうか、犬や猫の聴力も結構強かったと思うけれど。カバーできてるのか?


「ならば匂いで!」

 レッドは今度は芳香剤を辺にぶちまけた。

 フローラルなバラとライムの香りが辺に散らばる。


「無駄である!犬以外の能力によって私は目も使えるのだ!」

 そう言いながら合成怪人はレッドに向かってパンチを繰り出した。

 レッドはそれを間一髪で避けるが、彼の後ろにあった岩が粉々に砕けた。

 恐ろしいまでのパンチ力。コレは一発でも食らえば終わりだ。


「またたび!ライト!」

 そう言って先ほど蹴られて吹っ飛んでいたブルーがヨロヨロと立ち上がり、マタタビを投げつけ、ライトを照らした。


「その弱点も効かない!」

 怪人はマタタビにも平然としているし。光にも然程不快感を示さない。


 困った。

 この合成怪人、かつての怪人たちのような弱点が見当たらない。



 いや、一つだけ。可能性が残っている。



「キメラニア!!!」

 俺は叫んだ。


 俺の叫びに反応し、キメラニアの注意が俺に向く。

 その瞬間。


 俺はその唯一の可能性をキメラニアに向かって投げつけた。

「喰らえ!」


 俺は。





 トイレットペーパーを投げた。


 コロコロと転がるトイレットペーパー。


 その行為に。相手は明らかな動揺を見せた。

「な…なんだそれは一体」


 俺は自信満々にこう言った。

「トイレットペーパーだ」



「…」

「…」



「ふざけているのか?」

 ですよねー。

 普通のトイレットペーパーを転がしたところで、犬、猫、ウサギには何の効果も無いですよね。

 いや、解ってはいたんだ。効果ないだろうなーって。

 でも、一応持って来ちゃったし、使わないと勿体無いかなって思ったんだ。

 それに可能性と言う意味じゃゼロじゃ無いだろ?実は幼少期にトイレットペーパーに関する嫌な出来事があって、それによってトイレットペーパーを異様に怖がるみたいな弱点がある可能性だって、すごく少ないけれどあるわけだし。



「フン!!」

 キメラニアが地面に転がるトイレットペーパーを思いっきり踏みつけた。

 ドずんという音と共に地響きがした。



「遊びは終わりにしよう。まさか君らの本気がこんな物と言う事は無いだろう?本気だとしたらあまりにも弱すぎる」


 余裕の表情のキメラニア。

 その表所に怒りを覚えたのか、レッドが怒りの叫び声を上げながらキメラニアに飛びかかる。



「ふん」

 キメラニアはそれを受け流すと、カウンター気味の攻撃をレッドにぶつけた。


「ドワ!!」

 吹き飛ぶレッド。


 コレはいよいよもって不味い。


 レッドもブルーも全く敵わない。

 おそらくイエローも俺も敵わないだろう。



「オカシイ、今までの怪人より明らかに強い。強すぎる」

 怪人が強いのは予想していたが、それにしてもコレは圧倒的すぎる。


 キメラニアは笑いながら言った。

「勘違いしているようだから言っておこう。私は合成怪人。確かに三種の生き物の力を持っているが、だから今までの怪人の3倍強いと言うわけではない。動物を掛合わせる相乗効果は単純な足し算ではなく、数倍の効果を表す。ハッキリ言って私は各生物の能力を数十倍に引き伸ばしているのだよ!」


 どうやら合成怪人というゲルニッカーズの新技術は、とてつもなく恐ろしい物であるようだ。

 



「さあ、ではそろそろ終わりにしよう。この牙で食い殺してやる」


 そう言ってキメラニアが牙を見せるように笑った。

 底には規則的に並んだ白い歯が、太陽の光を反射して光っていた。


「安心したまえ一撃では殺さないさ。じわじわと、体中を少しずつ食いちぎって、ゆっくりと殺してやる」


 そう言いながら。キメラニアが走りだした。


 凄いスピード。

 あまりの速さにその動きを目で追うことしか出来なかった。

 そして、キメラニアが向かう先に居るのは。


「イエロー!」

 

 キメラニアがイエローに襲いかかる。

 イエローも自らに迫り来るキメラニアには気がついているようだが、あまりの速さで移動するキメラニアに防御することすら出来ない。


 そして。

 そして。



「ぎゃあ!」

 そんな叫び声が聞こえた。










 それは。



 イエローでは無く。怪人の叫び声だった。


「「「「え?」」」」


 突然口を抑えてうずくまる怪人。

 俺は、いや、俺達は何が起きたのかわからず只々驚愕していた。




 怪人は苦しそうに蹲り、そしてこう叫んだ。


「こ、コレは!な…なんだ!?」

 口を抑えながらそう叫ぶ怪人。


 見ればキメラニアの口は黄色く染まっている。

 そしてイエローの方を見れば、ベルトのポシェットが破れて中からカレーパンの破片がこぼれ落ちていた。

 どうやらキメラニアの攻撃はイエローを掠め、その脇腹にあったポシェットを食いちぎるに至ったようだ。そしてその中のカレーパンをしっかりと食べてしまったのだろう。


「え?あ、それ?玉ねぎたっぷりカレー」 

 俺がそう答えると、怪人は苦しそうに言った。


「なぜだ…なぜ私の唯一の…弱点が玉ねぎ…だ…とわかった………」

「「「「え?」」」」

 俺達の声が一つになった。



 そして怪人は悶え苦しみ。


「ぐ…うぐう」

 泡をふきながら、倒れた。ぴくぴくと痙攣しているが、やがてその痙攣もなくなり、最後には完全に動かなくなった。



◆◇◆◇◆◇◆◇


 ウサギ、犬、猫。



 お互いの弱点を補い合う組み合わせと思われた合成怪人。

 それぞれの動物の弱点も補い、逆に利点を数十倍に高め合うその能力はまるで無敵とも思えたが。

 その3種類の動物に共通する弱点に対する効果は補いあう事が出来ず、逆に通常よりも数十倍に致命的な弱点ともなりえていた。



 ちなみに。



 玉ねぎ含まれる「アリルプロピルジスルファイド」が犬や猫や、そしてウサギにとっても、毒物であるという事を俺が知るのは。

 その少しばかり後のことであった。



◆◆◆


 次回予告


 なんとか怪人から勝利をもぎ取ったフォルノンジャー。

 しかし、強力な怪人の存在に一同の心は落ち込んでいた。

 そんた時こそ必要なムードメーカー。果たして、ムードメーカーに必要なものとは?


・次回!ヴァルマ戦隊 リゾフォルノンジャー!

  『黄色い声援』                                お楽しみに。


◆◆◆◆用語解説


・サワディー

 爽やかサワディー。

 タイ語でこんにちわを意味するサワディーの名を冠した芳香剤。喪林製薬のロングセラーヒット商品。

 爽やかなリンゴの香り、艶やかなシトラスの香り、定番のレモンの香り、アンニュイな午後の香り、危険な死の香り、など色々な匂いのバリエーションが存在する。


・音消し装置

 音王様という商品名。

 トイレでようをたす時、自ら音を出してそれをごまかしてくれる。音消しと言うよりはむしろ音発生装置である。

 ちなみに音はオプションにより数種類選べる。

 川のせせらぎ、木々のざわめき、イルカの鳴き声、火山の噴火、銃撃戦、等々。ちなみに喫茶溶鉱炉では当然「火山の噴火」を採用している。


・チキンドピアジャ

 チキン・ド・ピアジャ チキンは鶏肉、ドは2、ピアジャは玉ねぎという意味。鶏肉と2の玉ねぎというような意味。

 具材としては鶏肉に対して玉ねぎは同じ程度だが、実はルーに玉ねぎのペーストが使われているので、2倍どころがそれ以上に玉ねぎが使われていることが多い。この2と言うのは2倍の量と言うよりは2種類の使い方と言うような意味合いだと思われる。

 ちなみに飾り付けのトッピングにはコリアンダーとみじん切りの玉ねぎ。そして付け合せはチャットマサラを振りかけたスライスオニオンが王道。もう玉ねぎに呪われてるとしか思えない。


・玉ねぎ

 実際、犬や猫、ウサギに玉ねぎは与えてはいけない。と言うより、殆どの哺乳類にとって玉ねぎは毒であり。耐性のある人間のほうが少数派だとも言える。


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