悲しみに満ちた狂い
その青年は、恵まれなかった。
そして、全てを失った。
この青年には、姉がいた。
その姉は不良だった。
毎日、夜の街で遊び続けていた。
しかし、青年は姉を信じ続けていた。
それが、最悪な形で裏切られると知らずに・・・
この青年は、片親だった。
女で1つで、二人を育て続けた。
しかし、50を過ぎたとき・・・病に犯され倒れた。
この青年は、祈り続けた。
病が治ることを。
叶わぬ願いと知らずに・・・
この青年には、友達が少なかった。
それでも、親友と呼べる青年がいた。
だが、その青年には重い病気を抱えていた。
そして、余命1年と言う数字が宣告された。
しかし、青年はそれを信じることはできなかった。
これが、残酷な現実だと知っていたのに・・・
この青年には、恋人がいた。
もう、中学のときからの付き合いである。
彼女は、健康そのものの明るい娘だった。
しかし、青年は知らなかった。
もう、彼女の死が迫っていることに・・・
しかし、これらの願いが叶うことは・・・無かった。
姉は、殺人事件を起こした。
青年は、それでも信じ続けた。
しかし、それは報われずに・・・有罪判決が言い渡された。
判決内容は・・・死刑である。
■■■■死刑囚は、3年後に死刑執行された。
母は、娘の起こした事件と死刑判決という事実に病が悪化した。
青年は、それでも祈り続けた。
しかし、それが叶うことは無く・・・病魔に連れ去られた。
享年、51・・・。
青年は、悲しみ続け家に引きこもった。
青年の親友は、それを心配した。
その、親友も両親は既に他界していた
唯一の親友と呼べる青年は心配し続けた。
しかし、その親友には余命が残されていなかった・・・
ある日から、親友は眠っている時間が長くなった。
青年は少しばかり立ち直り親友に会いに行った。
親友は、青年が来るのを待っていたように・・・亡くなった。
享年、19・・・。
彼女は、青年に続く不幸を嘆き悲しんでいた。
青年は、彼女と一緒に入る時間が長くなっていった。
ある日、彼女が帰ってくるのが遅い日があった。
心配した、青年は彼女の携帯に電話したが・・・繋がらなかった。
起きて彼女の帰りを待っていたら、いつまにか寝ていた。
テレビを付け、流れていたニュースに眼を疑った。
毒ガステロ事件・・・。
その被害者の中に、愛しき人の名があった。
享年、20・・・。
このようにして、大切な人を全て失った。
この不幸続きの青年の名は、尾張 終一である。
そして、終一は毎日嘆き悲しみ続けやつれて行った。
何も食べず、何もやらず、ただ無気力な日々。
終一は、次第に忘れられて行った。
とうとう終一は、自ら命を絶った。
享年、21・・・。
これは、とある青年の狂った人生の結果である。
しかし、終一は知らない。
この先にある運命を・・・。
知りえない未来であるから・・・。
END
2ヶ月前に書いて放置してた小説を編集してUPしました。