最終章 ユクレシア1
最終章 ユクレシア 開幕です。
セルジュが旅立ってから七年。ユースティスの体調は悪化の一途を辿っていた。何も知らないセルジュは隣国にまで足をのばしている。途中で色々な事件に巻き込まれていたが、それを乗りきって頑張っていたのをユースティス達は知っている。病床のユースティスはセルジュが頑張っているならと公務には無理をして出席していた。家臣達が止めてもユースティスはそれを曲げることはしない。ベルモットも初めは止めていたが頑固なユースティスに自分達が諦めてしまった。《ユウラスティア》はユースティスを止めようとせずに手伝いをしている。
「ヴィオ、セルジュが<リリステラ>に行ったらしい。諏訪神を見て驚いたらしいぞ」
「……だろうな……あれの…溺愛っぷりは……気持ち悪い……」
甲斐甲斐しくユースティスの世話をする《ユウラスティア》。《ユウラスティア》は必ず《ヴィオリウムステラ》の死に目には駆け付けているのだ。それが二人にとって当たり前になっていた。
「これで三つ目か……お前が生きてる間に会うことは無さそうだな」
「仕方ない……知らせるなよ……どうせ…戻ってこれないんだ…」
《ヴィオレッタ》から手紙を貰った《ユウラスティア》が読んでユースティスに伝える。今のユースティスには喋ることが精一杯。
「…親の死に目にあえないことほど悲しいこともないと思うが…」
「気にするな……」
体は動かすことが出来なくなっていた。ユースティスの寿命は後僅か。