隣国騒動編5
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「《アイヴェリア》様!」
「あら、《フェジリット》と《フリージア》!!どうかしたの?」
「《アイヴェリア》様とお話がしたくて参りましたの」
藍のいる離宮【藍水院】《ヴィオリウム》にやって来たクラヴィスとリュミエール。
「母様達は霊廟だから暇でね。うちの使者団には色々と忠告しておいたから大丈夫!」
「ではお茶にしましょう」
「「はーい!」」
それを普通に受け止める藍は流石だと思う。藍はメイドを呼んでお茶会の準備をさせ、三人で楽しんでいるのだった。
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賓客棟では使者団が集まり何かを話していた。
「どう言うことだ!?」
「まるで我らのすることがわかっているような口振りではないか!!」
「……この国諸とも王子達を失脚させましょう」
「そうしましょう」
自国の王子と大国を滅ぼそうとする使者団は反逆者達だった。その話を諜報課の物達に聞かれているとは知らない彼らは自分達が出した答えに納得して解散した。諜報課はそれをユースティスに伝えるためにその場から一人だけ消えた。
「バカな奴め。既に火種は撒いておる」
「各地から反乱が起きればどうしようも無いだろうに」
「国民の不満を爆発させればこんな国なんぞすぐに滅びるだろ」
消えた諜報課を賎しい顔をしながら笑う。しかし、諜報課は一人につき一人。それが元暗殺者であることを使者団は知らない。その話は全てユースティスに伝えられ、重要書類は全て【星夜院】《ヴィオステラ》に移動させられた。