王妃内乱編4
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王の執務室に集まっているのは財務課の文官達だった。一方のユースティスは黙々と魔晶石を作り出していた。部屋が埋まるくらい。
「へーかー」
「あー?」
「財務課ですけどー…」
「あー」
生返事である。初めの「あー?」は上がりぎみで最後の「あー」は下がっていた。これには文官達も困りぎみでどうしたものかと悩んでいたと《ユウラスティア》が入ってきた。
「どうした?」
「シュゼリア神様…」
「あぁ、ヴィオ。リリスティがいるぞ」
「!?なんだと!?誰があの馬鹿の封印を解いた!?ぶっ殺す!!」
「「「!?」」」
《ユウラスティア》の言葉にユースティスがすぐに反応。その素早さと鬼の形相に文官達は驚いた。いろんな意味で驚いていた。《ユウラスティア》は普通にしていたが。
「落ち着け、ヴィオ」
「…………ユウ…貴様……」
「そう殺気立つな。財務課の奴等が来てるぞ」
「……あぁ、呼び出していたのを忘れてた」
「オイ」
《ユウラスティア》の言葉に騙されたことに気が付きユースティスが殺気立つ。頭を撫でて落ち着かせる《ユウラスティア》に絆されたユースティスは文官達を見て思い出した。それに《ユウラスティア》が突っ込んだ。
「君達を呼んだ理由なんだけどね、出勤確認用の魔方陣が出来上がったんだ」
「どの様なものですか?」
ユースティスが出勤確認用の魔晶石を出すと興味津々の文官達。それは城の美術品として執務室にあってもおかしくない形になっている魔晶石だった。カラフルな色合いが綺麗だった。
「こんなものだよ。この晶石を門と各部署と執務室に設置する。門に設置するのは通過するだけで認識するので、各部署や執務室に設置するのは手を翳して認識する物だ。これの管理を君達に任すよ。これの本体となる晶石がこの晶石で朝9時と夕方5時にそれぞれの部署から記録が入ってくるから常時整理しておくこと。残業者の記録も退出時に飛んでくるから」
説明をし始めると段々文官達の顔がゲッソリし始め、《ユウラスティア》が待ったをかけた。
「待て、ヴィオ」
「ん?」
「パンクしてるぞ」
「…………………」
そこで始めてユースティスは気が付いた。
「あー……うん。まぁ、実践してもらうか」
苦笑しながらユースティスが言うと文官達復活。
「まずは私の執務室にこの端末晶石を設置するから試しにやってみよう」
「「「はい!!」」」
元気な返事に頭より体で慣れろな財務課の文官達だった。そんなわけでユースティスの執務室に一つ出勤確認用の魔晶石が置かれることになった。