女王誕生編最終章
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一週間後、罪と罰の神を迎え処刑が始まった。全てユースティスが処刑する。喚く貴族達に罪状を突き付け証拠をだすフレイア。それだけで200人以上の貴族を処刑したユースティス。全身が返り血で真っ赤になっていた。最後、国王であるシューナッツの処刑が始まろうとしていた。
「何か言い残すことはありますか?」
「ユースティス…お前にこんなことをさせて済まなかった。これは俺の責任だ。優しいお前が悩むことじゃない」
ユースティスの言葉にシューナッツは自分を責めた。本当はこんなことをしたかった訳じゃないと。ユースティスの優しさはシューナッツが一番良く知っていた。
「兄上、貴方は兄としては最高でした。しかし、王としては最低でした。貴方が民を思い政治をしていればこうにはならなかったはずです。愚王である兄を王位から引きずり下ろすのが妹の役目。………願わくは、来世では幸せな家庭に生まれてください」
「ユースティス、愛しているよ」
シューナッツが死ぬ間際に遺した言葉にユースティスは泣いた。これでユースティスは血濡れの王と言われるであろう。それほど多くの人間を殺したのだから。《ユウラスティア》は泣くユースティスをずっと抱き締めていた。ユースティスが落ち着くまで。
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前国王が亡くなり、国は半年間喪に服した。その間の執務は全てユースティスが行い、半分以下に減った文官達をどうするか悩んでいた。次の年の採用人数を多くすれば良い話だが。ユースティスの即位は来年の春に行われる事が決まった。ユースティスによる新政権の元、大掛かりな部署変更や移動が行われ王宮は大混乱していた。したっぱの文官や武官さえ、ユースティスの執務室に出入りしていた。文官の教育はもちろん、武官の指導もしていたユースティスに誰もが心配した。いつか倒れるだろう、と。それが実現することは無かったがヒヤヒヤものだった。
そして、遂にユースティスの即位の日となった。外は晴天で国民は大にぎわい。国民は皆、ユースティスに期待していた。その期待に答える為にユースティスは玉座に座る。
「「「ユースティス様、万歳!!新国王陛下、万歳!!」」」
民衆が城の外で騒いでいる。それをテラスから見ているユースティスはニコリと笑い手をふる。
ここに神による統治時代が幕を開けた。
女王誕生編 終了
女王誕生編終了です。
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次章 内乱編です。