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ティアマを死守せよ


 太陽光を反射する雪原広がる一面の銀世界―


フォー達が降り立ったエナーテ地方は


シファ星北部に位置する極寒地帯であった



イース「索敵した機影まで距離残り30kmほどです」


フォー「吹雪で視界が悪い。密集隊形のまま速度を落として接近するぞ」



 山間の木々に混じりながら敵影に近づくフォー達であったが


異変に気づいたのは機影までまもなく30kmというところであった―


ザ―ッ  ザザ―ッ


ティアマの視界モニターがノイズで大きく乱れる


フォー「!!



    一帯がジャミングされている!

    停まれ!ジルドの罠だ」


 ジルドとはスターバースト星雲でも希少種族ジルド人のことであり


フォースと呼ばれる超能力を自在に操る者のことである


その超人的能力がゆえに戦局を大きく左右する存在であった


フォー「索敵に引っかからないとは

    生身で近くに隠れているはずだ」


イース「機影4北東よりこちらに来ます!」


フォー「全機突撃に備え大盾を出せ!

    テストゥド陣形で迎え撃つぞ!


    イースは全能力を索敵に向けジルドを探せ」


 ティアマ戦において一番威力を発揮する攻撃は突撃である


音速に迫るスピードに乗せて衝撃と共に相手機にランスで激突する


激突された機体のみならず小範囲に衝撃波を与えることも出来る


 近くに敵ジルドが潜伏している可能性を見て


防御を選択したためテストゥドと呼ばれる密集陣形を取り


大盾で相手の突撃を防ぐつもりらしい


 全機体の背中の装甲がみるみる内に大盾へと変形した


ティアマの前方をすっぽりと覆い尽くすほどの盾同士を密着させ


Cの字の陣形を構成する


陣形の中央ではイースがジルドを索敵をする

 

 陣形を組み終えたとほぼ同時に北東から


空間が歪むほど大きな4つの衝撃と共に


敵機の突撃がフォー達を襲う―


爆音と共に円心状に衝撃波が広がる


フォー達がいる地形はたちまち半径5km程に渡り


物という物が消し飛んでいく


フォー「散会させるな!

    仕留めるぞ!!」


 言うより早く全機は大盾を捨て


敵機も慌ててランスと突撃用装甲を捨てブレードと呼ばれる近接用武器で


ある剣を抜きながらその場から離脱しようとするが―


 それよりも早くフォーの乗る


アマライのブレードが敵機を捉える


アマライの一振りで敵機2機の胴が千切れる


残り2機にジャーとジジのティアマが襲い掛かるところで


イース「ジルドのジャミングが直撃します!

    急いで全機、後退を!!」


 イースの制止により後退を余儀なくされたのはフォー達であった


ジルドのジャミングが直撃すればティアマは操縦不能に


陥ってしまうからである


 敵機2機が離脱するのを見逃しながら


慌ててフォー達も南へ下がる


フォー「今の突撃の衝撃でジルドはなぜまだいるんだ!?」


イース「ジルドは近くにいません

    どうやら遠隔ジャミングのようです」


フォー「バカな!?

    相手はシラだぞ!?

    ランクB以上のジルドなどいるはずがない」


 ジルドにはランクが存在し、ランクC,Dは


自分の周辺までにしかフォースを及ばせれない


そのため殆どが戦闘機に搭乗しフォースを放つ


しかしランクB以上のジルドになると数十kmあるいは


数百km先からフォースを及ぼすことも可能なのである


 フォーが驚いているのはシラ共和国にはランクCまでの


ジルドしか在籍していない為である


しかしイースの索敵能力は


アマテ王国随一であり疑いの余地はない


 ここでフォーにある疑惑がよぎる―



フォー「まさか・・・

    シラを裏で手引きする軍があるのか」


 ジルドは非常に貴重な存在で


ランクB以上ともなれば間違いなく


どこかの国のお抱えである


 敵機に位置がバレれば間髪入れず遠距離ジャミングが


飛んでくるであろう


いくら名だたるアマテ軍であろうと


宇宙(そら)からの支援も無いままでは


絶望的な展開である


フォー「ティアマを隠せる場所を探せ!

増援が来るまで降機して潜伏するぞ」


 苦渋の決断であったが現状のまま


戦えば間違えなくジャミングによって


ティアマを無力化され奪われてしまう


 国家の最高機密であるティアマが敵の手に


渡ってしまうことだけはなんとしても避けなければならない


最悪の場合、生身でティアマに戦闘を仕掛けてでも


ティアマを守るつもりのようだ

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