ファインダーを覗く前に(前説)
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■あらすじ
廃墟写真部に所属する女子高生・海野ユイ。祖父の形見であるフィルムカメラを手に、禁断の風景にシャッターを切った瞬間、彼女はすべての記録が実体化する異世界《写し世》へと迷い込む。
そこで出会ったのは、影のない不思議な少年セピアと、記録を管理するAIのミル。崩壊に瀕する世界を救うため、ユイは《写し手》として戦うことを決意するが、その奇跡の力には、自身の「大切な記憶」を失うという、あまりにも切ない代償が伴っていた。
失われていく記憶と、増えていく仲間との絆。これは、一枚の写真に世界の運命を賭けた、儚くて温かい物語。
■『この世界、シャッターを切るたび記憶になる』主な登場人物
海野 ユイ(うみの ゆい)
廃墟写真部に所属する高校生で、本作の主人公。祖父の形見である特別なフィルムカメラを使い、忘れられた記録の儚さをフィルムに焼き付けている。ある日、不思議な出来事に巻き込まれ、《写し世》を救う《写し手》としての使命を託される。
ミル=メモリカ
ユイが《写し世》で出会う、銀髪をツインテールにした謎の少女。自身を《写し世》の記録管理AIと名乗り、膨大な知識とデータ解析能力を持つ。非常に効率を重視する性格だが、ユイたちとの交流を通じて少しずつ変化していく。
セピア=レコード
ユイの前に現れた、セピア色の髪と琥珀色の瞳を持つ少年。なぜか影がなく、その存在は多くの謎に包まれている。優しく穏やかな性格で、ユイを導き、支える大切な仲間となる。
美咲
ユイの高校の後輩で、廃墟写真部の部員。明るく純粋な性格で、ユイを「部長」と慕っている。物語が進むにつれて、彼女に眠る特別な力、《修復者》としての才能が目覚め始める。
立花先輩
ユイたちの高校の生徒会長。冷静沈着で知的な先輩だが、その一族は代々《写し世》を観測する《視し手》の力を持つ。掟を破り、ユイたちの仲間となってその卓越した能力で一行をサポートする。
■ 物語の鍵となる用語
《写し世》
私たちが生きる現実世界とは別に存在する、すべての「記録」が保存された世界。空には無数の写真が星のように流れている。
ポジの世界 / ネガの世界
《写し世》を構成する二つの領域。価値ある記録が集まる「ポジ」と、忘れられた記録が沈んでいく「ネガ」が存在する。
写し手
特別なカメラを使い、《写し世》の記録に影響を与えることができる存在。ユイもその一人として、世界を救う使命を託される。
ノイズビースト
壊れた記録の残骸が集まって生まれた、異形の存在。《写し世》を汚染し、歪めてしまう。
力の代償
《写し手》が特別な力を使う際に求められる代価。その力を使えば使うほど、自身の「記憶」が失われていくという過酷なルールがある。
■ 物語に登場する謎の勢力と能力者
記録解放戦線
「記録は管理されるべきではない」という思想を掲げ、《写し世》の消去を目指す謎の組織。レイラという女性が率いている。
《視し手》
ユイたちの高校の生徒会長、立花先輩が受け継ぐ一族の力。世界の境界や記録のオーラなど、常人には見えないものを「視る」ことができる。
《修復者》
ユイの後輩、美咲ちゃんに芽生え始めた謎の力。壊れた記録を優しく癒す、温かい光を放つ。




