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俺が君を殺す  作者: ガイ
2/2

2話

長いですがよかったら最後まで読んでください。

評価、ブックマークも良かったらお願いします。

2話


"誰ですか?"あの言葉で、時間が止まったように感じた俺たちは、


「別の部屋で話そう」


海音の父親の言葉で、再び動き出した。


俺たちは今、別の部屋のテーブルに腰を掛けてる。


その雰囲気はとてもいいものではなく、とても重苦しい。


「君たちに会えば変わると思ったんだ。すまない」


この雰囲気の中に最初に発せられた言葉は謝罪であった。


「どういうことなんですか?」


何となく分かってる。


でも、一応確認のため、いや自分の考えが間違っていることを祈って聞いた。


「大体分かっていると思うが、"記憶喪失"って奴らしい」


やっぱりなのか、


「先生の話だと、事故のトラウマが原因らしい」


物語の中でしか聞いた事のないような事が今起きてしまった。


「ただ、大丈夫。"思い出せない"だけらしい、みんなとの事を"忘れた"わけじゃないんだ」


何か、自分に言い聞かせるように海音の父親は話した。


「どうやったら思い出せるようになるんですか?」


峰は不安な声を絞り出して、元に戻る方法があるのか聞くと、


「いつも通り、接してくれればいい。ストレスから離れていれば、自然と治るケースが多いみたいだ」


特別な方法がある訳ではなく、俺たちに出来ることはこれまで通り過ごす事が大事みたいだ。


「だから、海音の友達でも呼んでいつも通り話して欲しい。1週間は検査とかで入院することになったし」


そう、頼まれたので、


「「はい」」


俺たちはその頼みを受け入れた。


-----------------------


「今調べたんだけど、数日から数ヶ月かかるみたいだ」


電車の中で互い何か話せるような明るい雰囲気でもなく、携帯を見ていると、峰が突然話してきた。


ただ、適当にいじっていたのではなく、ちゃんと調べたんだろ。


数日から数ヶ月、明日にでもひょいと治ってるかもしれないし、夏が終わるまで治らないかもしれない。


そんな感じか、、、。


「大丈夫だよな?」


とても不安そうな声だ。


その気持ちは分かる。


でも、


「とりあえず、高校の奴には頼む。俺は小中の奴に話しとく、」


「あ、うん」


「とりあえずやれる事をやろう。不安に思うのはやれる事が、なくなってからにしよう」


「そうだな」


"やれる事をやる"、峰にではなく自分に言い聞かせるようにいった。


でも、海音の事だから、明日にはひょこっと治っていてもおかしくない。


いつも通り、名前を呼びながら色々と話してくれるようになる。


自分にそんな事を言い聞かせながら、俺は携帯の連絡先を見始めた。


-----------------------


家に着いて、まず両親に海音の事を話した。


2人は事前に海音の両親から話を聞いたのか、驚きはしてなかったが、不安そうな顔は確かにしていた。


次に、海音が小中の知り合いで、今でも関係が続いている数人に今回のことを連絡した。


流石に、仲が良かったが、最近関わってない子が来るとお互いに負担がかかると思ったので、まずは交流がある人を中心にした。


連絡をとったところ、学校帰りに集まって病院に行ってくれるみたいだ。


「よし、」


これで、この件は終わりだ。


次に俺はパソコンの電源を付けて、調べ物を始めた。


今朝、海音が事故にあったニュースは流れてはいたが、興味がなく、チャンネルを変えたので詳細な内容は知らない。


それに、時間も経ってる事から、より詳細な情報流れてるだろうし、タイミング的にはいいかもしれない。


ただ、


「あんまり変わらんか」


事前に聞いた内容とあまり変わらない。


要は、トラックの積荷が落ちて海音が乗っていたパスに衝突。


その結果、バスは転倒し後続の車もその影響を受けていった。


結構な規模の事故となっている。


特に一番最初に被害に会い、その後も何台かの車に突っ込まれたバスは酷い。


ほぼ全員が重傷者、この中に海音が入ってると思う。


そして、死者が2名出ている。


その内のい1名は子供で、母親がインタビューを受けた映像があった。


『いつも通り、買い物へ行こうとしたんです。子供が車が好きで、いつも通り空いてたタイヤの上の座席から楽しそうに外を見てたら、突然』


事故の時の様子を話していた。


インタビューの後には子供の名前や年齢、どんな子だったかが流れてきた。


いつもなら、スルーしている内容ではあるが、自分の知り合いが関わったとなると、ここまで関心が変わるとは思わなかった。


実際に、被害に遭わないと分からないとはよく言ったものだ。


大きく概要は変わらない。


強いて言うなら、海音が中心ではなく俯瞰的な視点で知ることができた。


ただ、特に意味がある物ではなかった。


「どうしたもんか」


でも、他にやる事がない。


いや、やろうとも思えない。


つい、どうすればいいか考えてしまう。


とりあえず、再びパソコンの画面にかぶりついた。


-----------------------


ふわぁー、


「寝不足か?」


「まあな」


海音が入院した日から2日経った。


つまり、いつも通りの学校が始まった。


ここから、長い長い1週間が始まる。


「そっちも、目にクマ」


俺は自分の目の下を指しながら、隣の席の峰にいった。


「俺は朝練があるからな」


峰はそう言ったが、多分違う。


俺と同じように色々と調べてるのだろう。


どうしたらいいのかを、


「でも、お前は部活に入ってないだろ?」


「色々あんだよ、色々と」


「そうだな」


俺の適当な返しで、満足をし、


「女バスの連中が、今日学校終わったら行くみたい」


本題の内容に入った。


「そうか。中学の奴らも時間合わせて今週のどっかで行くみたいだ」


俺も昨日、メッセージアプリで話した結論を峰に知らせた。


「何人くらい?」


「5」


俺は手のひらを広げながら言った。


流石に、今でも交流のある人で絞ったから、そんなに人数はいない。


いや、5人は多いいのかもしれない。


俺が同じことになったら2~3人って所だろうしな。


「てか、部活あんだろ?女バスの人達大丈夫なのか?」


今は夏、活動時間は19時前だ。


そんな時間から、病院に顔を出したら帰るのなんて下手した21時以降になるんじゃないか?


「あー、まだ周りには言われてないけど、バスケ部内ではもうみんな知ってんだよ」


多分、海音の親だろう。


入院の関係で学校や朝練に来ることが出来ないから、その連絡の際に経緯を話したのだろう。


「それで、顧問が顔を出してやれってっ事で女バスは今日休み」


そういう事か、


「それで、俺も終わったら行こうと思ってるけど、どうだ?」


「一緒にか?」


峰は頷いた。


俺は、


「やめとく」


その提案を断った。


「関係がまとまった人達で行く方が、思い出しやすいかもしれん」


バスケ部が行く中、関係ない俺が行くのは変な感じがした。


部活の仲間でかたまった方が、それを見た海音が思い出しやすいかもしれないという、自論が俺の中である。


実際はどうかは知らんが、


「だから、俺は今度集まる中学の奴と行くよ」


そう、峰に言うと、


「そうだな」


と、納得してくれた。


それに、峰には言わなかったが、彼氏と2人の方が色々と話せて思い出せるかもしれないという考えもある。


だから、今日は行かない。


-----------------------


あれから、時間が経って金曜日となった。


「明日来るよな?」


「ああ、」


明日は海音が退院する日だ。


まだ、記憶喪失事態は治ってないが、他は特に異常がない。


記憶が戻ってから退院するのかと思ってたが、医者が言うにはいつも通りの生活の方がストレスが少なくいいらしい。


そして、明日は峰が発端で、何人かで集まってお祝いとして飯に行くらしい。


そこに俺も誘われ、行くことにしている。


だが、本当にいいのかという思いがある。


この1週間、峰と違って毎日は行っていないが何度か顔を出している。


海音であって、海音ではない人物。


思い出がない、それだけでそんな感覚が話しててあった。


でも、それでもどこかに海音がいる気がした。


なんというか、海音という根本を作っている部分が同じ感じがするんだ。


そんな変な矛盾を俺は感じる。


-----------------------


そして、当日の土曜。


みんなで、ご飯を既に終えて、今は街中を歩いている。


「そうなんですね」


笑いながら帰る海音の姿が見えた。


ご飯を食べて終わりというわけでもなく、色々な所へ行った。


学校や、その近くの公園と行った思い出巡りみたいな事をした。


「ここではね...」


その場所でどんなことがあったかを話したりしていた。


そんな話を聞きながら、


「それで、他には?」


海音も何があったかを聞き返す。


積極的に記憶を取り戻そうとしている。


そんな話をしながら時間が過ぎていき、


「次はどうするか?」


今度は何処へ行こうかという話になっている。


どこの思い出の場所へ行くかと話になり、


「今度は2人でまわりなよ」


と、周りが峰に言った。


そして、次と言っても来週はカップルで何処かへ行くとい話になり、俺たちは解散した。


-----------------------


同じ方向で一緒に帰っていた人も、進むに連れて減っていき、最終的には俺と海音だけになった。


「一星さんは幼なじみなんですよね?」


二人になって、海音から話を振ってきた。


「ああ、親同士が、仲良くてな」


「じゃあ色々と私の事を知ってると?」


「色々ってほどは知らんかな。高校に入ってからはそこまでだしな」


高校までずっと一緒ではあった。


でも、異性ということもあったし、そんな頻繁に何かしたということは無かった。


「高校での海音の事はあいつらの方がよく知ってるよ」


実際、高校に入学してから何処かに行ったとかは無かった。


「でも、その前の海音なら今日のやつよりは知ってるな」


今の海音は知らないが、付き合いが長いこともあって、昔の海音の事なら、よく知っている。


「なら、私がどんな人だったか教えてください」


綺麗な歯を見せながら笑っていうこの姿を俺はよく知っている。


「わかった。なら明日ちょっと付き合ってくれ」


「はい」


そして、俺は明日どこかへ行く約束を取り付けた。



次回は未定です。

Twitterや活動報告で適当に次回については更新してます。

Twitter:@tScRxzYLtrcGXnG

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