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 さあお屋敷。お屋敷の主人であるノアと人間になって帰ってきたオレンジをみて、しかも夫婦になったと聞いて、執事長もメイドも料理人も、その他お屋敷の人全員で飲めや歌えのどんちゃん騒ぎ!


 騒ぎを聞きつけた大臣がみたのはノアが婿入りするとなって葬式ムードだったお屋敷が一気に楽しげな音楽と笑い声に溢れているのです。


「な、なにをやっているんだ!」

 大臣は酒臭い使用人を一人捕まえてきいた。

「何って若い夫婦の誕生、を祝っている、ヒックッ」

「はあっ?」

わけもわからない大臣、そこに

「これはこれは、大臣ではありませんか」

 そこにお屋敷の主人たるノアがオレンジを抱えて登場します。

「お前、これはどうゆうことだ。人魚と人は結婚なんてできないぞ!」


「ノア、おろして」

「いいよ」 

「人魚が、喋っ」

 驚く大臣を無視して説明しますが、この時、オレンジはくるぶしまで隠れるくらいのながいオレンジ色のマーメイドドレスを着ていました。

 オレンジは地面に足をつけて二本の足で立ちましたら、すると大臣は腰を抜かしました。

「この通り、私、人間になりましたが?」

「今のオレンジなら証言台に立てるよ」

 人間だから当然人間としての権利があり、その権利で証言台に立てる。

 つまりは今までの悪事がバレる。

「ひいいっ、ノア様、オレンジ様お許しください!」


「嫌」

 ノアはそう一言だけいいました。

「私とノアにも、お屋敷のみんなにも、酷いことをしたでしょう。だから許さない」

 オレンジもそれに頷きます。


「あっれ、大臣様?私はまだ、貴方に殴られた頭の傷が痛みます」

「私は腕が」

「足が」

「わしは腰が」

「それはこないだ、重いものを持ったからでしょ」


 オレンジやノア、殺気立つお屋敷にいる人たち全員に気圧され、大臣は捕まりました。


 そして、オレンジの証言をきっかけに法廷で諸々の罪が暴かれます。

 その際、隣国のお姫様とノアの婚約は解消されました。

 もともとお姫様にも相思相愛、身分も申し分ない好きな人がいましたが、それを大臣が無理矢理ノアとくっつけようとしていたので、大臣がいなくなることによる婚約解消にすぐに同意しました。


 最終的には財産没収と終身刑が決まりました。

 大臣がさあ、裁判の結果が決まり、監獄に入れられるという時、大臣が逃げました。

 そして、またこうなったのはオレンジのせいだと思い、お屋敷に押しかけました。


「ノア様、オレンジさん、こいつ最初の落とし穴に落ちていました」

 オレンジが誘拐された時以来、もう二度と賊を侵入させないように鉄壁の守りを敷いていたお屋敷の前では無力でした。


 執事長が連れてきた縄で縛り上げ、口を塞がれた泥だらけの大臣。それを見てどうしたものかと、ノアとオレンジは思いました。

 こいつ、このまま監獄に入れても戻ってきそうだと。しかし、その時です。

 

「人魚さん、あんまりに遅いので、対価を取り立てに来ました」

その時、海底から魔女が来たのです。人間になった驚きとノアと夫婦になれた嬉しさで対価のことをすっかり忘れていたオレンジ。


対価、忘れていた。どうしましょうと思ったその時、大臣と目が合いました。突然現れたタコ頭の巨人に、怯えているのか、逃げようと縛られた足を動かしています。


 オレンジは何とは言いませんが、すっと大臣を指差しました。


 魔女はそれを見て人間がわからない聞いていてどこか不安になる言葉を言いながら笑いました。笑っている間は大臣を除く、お屋敷にいた全員耳を塞いでいました。

「人魚さん、いや人間さん!あんた魔女を上手いこと使うねえ。いいね!人間なんて久しぶりだねえ。よし、若い二人に祝福あれ」

 そう言って魔女は泡を吹いている大臣を摘み上げ、海底に戻りました。

どんなことがあったかは省きますがギラギラ男もとい大臣の叫び声は海の底で途絶えたとだけ書いておきましょう。


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