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静稀様と雫様は、旦那様とお話してから、家族会議を行ったらしいです。
雫様の旦那様は、今回の件は全く気づいていなかったみたいです。
上手く隠していたのでしょう。
離婚の危機――かと思いきや、これから改善していくという雫様の言葉を信じ、再構築をするみたいです。
静稀様とは、時々会っています。
旦那様のお話や、お菓子の話。最近あった出来事など、色々なお話をしております。
最初は、私ばかりがお話しておりましたが、何度か顔を合わせていると、静稀様もお話をしてくださるようになりました。
すっごく、楽しいです。
今日も、静稀様と会っています。
ですが、今日はお話するためではありません。
「よしっ! 出来たわよ、華鈴ちゃん!」
「ありがとうございます、静稀様」
今日は、久しぶりに旦那様と逢瀬なのです。
それを静稀様にお話すると「私がおめかししてあげる!」と、名乗り出てくださったのです。
なので、旦那様の屋敷で、二口女さん達と共に私を着飾ってくださいました。
今回の着物は、旦那様とお揃いの夜桜模様。髪は、静稀様がまとめて下さり、後ろでお団子にしてくださいました。
赤い組紐が二本垂れており、私が顔を動かす度に、右へ、左へと揺れます。
「それじゃ、行きましょうか。七氏様がお待ちでございます」
「はい」
二口女さんが私の手を引き、立ち上がらせます。
静稀様も私に向かって「頑張れ!」と、言ってくれます。
「では、行ってきます」
静稀様に言い、廊下へと出ます。
旦那様との待ち合わせは、玄関先です。
二口女さんと共に廊下を歩き、外へとと出ます。
すると、旦那様が馬車の前で待っていてくださいました。
「旦那様!」
「おぉ、来たか」
旦那様も、今日は夜桜をイメージしている着物を身につけております。
ものすごく綺麗で、かっこよくて、見惚れてしまいます。
「ほれ、行くぞ、華鈴」
「はい。今日は、よろしくお願いします!」
今日は、あやかしの世界で逢瀬です。
幸せ過ぎて、夢なのかと思ってしまいます。
ですが、夢ではありません。
旦那様の温もりも、二口女さん達の優しさも、静稀様といる楽しさも。
すべて、すべてが本物。
こんなに幸せでも、いいのでしょうか。
私がこんなに幸せになっても、いいのでしょうか。
「華鈴」
「は、はい」
「我は、幸せ者だな」
旦那様が私の肩を引き寄せ、そのようなことを言いました。
それは、私のセリフですよ、旦那様。
「私も、誰よりも幸せ者です」
本当に、ありがとうございます。
生贄に選ばれた私を、親に捨てられた私を、生きる意味を失った私を拾ってくれて、嫁にしてくれて、ありがとうございます。
これからも、この幸せが続くように、私も頑張ります!
ここまで読んで下さりありがとうございます!
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