表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/95

13-11

「まったく……。ここまで馬鹿なあやかしが存在するなんて思わなかったなぁ。九尾も困っているだろうねぇ~」


 九尾が雪女に求婚している時、人間世界では、猫が大量に発生しており、人間達に迷惑をかけていた。


 人の物を盗んだり、怪我させたり、ゴミを漁ったりと、やりたい放題。


 ニュースにも「突如、大量に現れた猫。何かの前ぶりか?」と報道されている。


 そんな中、チガヤは建物の裏、薄暗い場所で血にまみれ立っていた。


 手に付いた血を舐め、周りを見る。

 そこには、猫の死体が大量に転がっていた。


「数で押せばどうにかなると思ったのかな。それか、人質でも取れば私が引くと――ふふっ、そんなわけないのに、滑稽だねぇ~」


 まだ影には、生きている猫がいた。

 だが、チガヤに睨まれ後ずさる。


 それでも猫──猫又は逃げない、逃げられない。

 足が竦んで動けず、猫の耳は垂れ、体が微かに震えている。


 チガヤは、そんな猫を目の前に肩を落とし、遠慮なく怯えている猫を切り裂いた。


「ふぅ。さて、あとは――――おや?」


 チガヤは上から気配を感じ、月が昇っている夜空を見る。

 シュッと、月明かりが一瞬何かにより遮られた。


「おやおや、来るのが遅かったですね」


 見ているとそれは、あやかし姿の九尾だと分かった。


 頭の上に狐の耳があり、ピコピコと揺れていた。

 彼の背には、尾が九本揺れていた。


 赤い、鋭くつり上がった瞳が闇の中に浮かび上がる。

 チガヤの目の前に降りた九尾は、大きな黒い羽織をはためかせ、彼と手を合わせた。


「…………すまないな」


「問題ないよ。これくらいで私が怒ると思うのかい?」


「そうだよなぁ。だからこそ、申し訳ないのだ」


 九尾は眉を下げ、チガヤへと謝罪する。

 チガヤは全く気にしていないように笑みを浮かべた。


「ところで、その姿をしているという事は、君も動きだしたのだね」


「あぁ。まずは人間世界から手をつけようと思ってな」


「気にしなくてもいいんだよ?」


 チガヤが言うが、九尾が首を横に振った。


「これ以上迷惑はかけられん」


「普段は適当なのに、こうなると責任感が強くなるねぇ」


 クスクスと笑うチガヤを横目に、九尾は苦笑いを浮かべた。


 九尾の護衛としてついてきていた鴉天狗と百目は、背後で待機。二人の話が終わるのを待った。


「では、我は行く。人間世界に蔓延る猫どもは殺しても良さそうだな」


「構いませんよ、よろしくお願いします」


 チガヤに背中を向け、鴉天狗と百目を引き連れ九尾は歩き出す。

 その際、肩越しに目線だけをチガヤに向けた。


「チガヤ、もうしばらく、迷惑をかける」


「構わないよ。ただ、人が一人でもあやかしのせいで死んでしまった場合は、少々痛い目を見ていただくからね。それだけは肝に銘じて欲しいな」


「わかっておる。その覚悟は出来ておるから心配するな」


 言うと、三人はその場から姿を消した。

 残されたチガヤは、ふぅーと息を吐き、周りを見た。


「あやかしは、大変ですねぇ~。――――っ!」


 チガヤは、まだ残っている猫又達を倒そうとしたが、急に視線を感じ振り返った。


 ――――ドゴン!


 何が起きたのか理解する間もなく、チガヤは殴られ壁にたたきつけられてしまった。


 ※


「む?」


「いかがいたしましたか?」


「…………なんでもない」


 闇が広がる人気のない街を、九尾達は歩いていた。

 何かに気づき九尾は振り向くが、何事も無かったかのように前へと向き直した。


 そんな九尾に、百目が問いかけた。


「ところで、九尾様。この後はいかがいたしますか? 猫を殺し続けていても意味は無いかと」


「わかっておる。今は、猫達を操っているあやかしを探すぞ。必ずいるはずじゃ。猫又と言えど、ここまでの猫を操るのには、同じ猫のあやかしに協力を仰いでいるはずじゃ」


 九尾の返答に、百目は「そのあやかしとは?」と問いかけるが、九尾は目線を前方から離さない。


「すぐにわかるぞ」


「え?」


 九尾が歩いていると、前からふてぶてしい猫が三人を横切った。


 ボテボテと、街の中心を歩く猫に三人は釘付け。視線を感じた猫は、生意気そうな顔を振り向かせた。


「――――化け猫だ」


「化け猫ですね」


「化け猫だな」


 三人の猫の間に、少しの沈黙が訪れる。

 数秒立つと、急に化け猫が走り出した。


「っ、百目!!」


「はい!!」


 すぐさま地面を蹴り走り出した百目だが、猫の足は見た目とは違い早い。

 鴉天狗も追いかけるが、猫の方が早い。


「追いつけん!!」


「どれだけ速いのですか!」


 二人が必死に走っていると、化け猫が建物の隙間に入り込んでしまった。


 次の瞬間――……


 ――――――――ニャァァァァアアアアアア!!!!


 と、野太い化け猫の悲鳴が聞こえた。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ