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生贄巫女はあやかし旦那様を溺愛します  作者: 桜桃
旦那様と許嫁……?
65/95

12-3

 旦那様から詳しく聞くと、猫花家の娘さんである猫花静稀さんは、旦那様が大好きみたい。


 今までも、犯罪まがいなことをされており、今回も宴に呼ばれて正直行きたくないと、本当に嫌そうな声で伝えてくださいました。


「それで、だ。華鈴よ、仮に、仮にだ」


「は、はい」


「仮に、我が静稀に誘惑されていたり、抱き着かれていても、それは我の本心ではない。心底不愉快と思っている」


「は、はい!」


 それは、今回の話でなんとなく伝わりました。

 でも、珍しいです。旦那様がここまで言うなど。


「我は、抱き着かれるのも誘惑されるのも、華鈴が良い。華鈴でなければ嫌だ」


 っ、もう!!!

 い、いきなりそんなことを真面目なトーンで言わないでください!!

 流石に、その、照れてしまいます……。


「で、ですが、旦那様がそこまで言うのも珍しいですね。その、私はすごく嬉しく思いますが、あの、なぜ、そこまで不愉快に思うのかを聞いても、よろしいですか?」


「簡単な話だ。我が積極的な女性が苦手なのだ」


 積極的な女性が、苦手。

 確かに、旦那様はなんとなく、気の強い女性や肉食系の女性には戸惑い、押されてしまいそうです。

 嫌でも、旦那様はお優しいので、完全に拒否できないのでしょう。


「あっ」


「なんでしょう?」


 何かを思いついたのか、旦那様の口元が薄く横に伸びます。

 どうしたのでしょうか?


「積極的な女性が苦手と言っても、華鈴になら何されても嬉しいぞ」


「~~~~っ!! もう!! 旦那様!!」


「あっはっはっはっ!!」


 笑い事ではありませんよ旦那様!! 

 こういう時でも私をときめかせるのがお上手なんですから……。


 でも、今の話を聞いて、少し不安になりつつも、私は旦那様が離れてしまう心配がなくなりました。


 流石に、旦那様に抱き着く女性を見たら、その、嫉妬――は、してしまうかもしれませんが、それだけです。

 旦那様がいなくなる不安や心配はしません。


「…………旦那様」


「なんだ?」


「話しにくい事を話して下さり、ありがとうございます。宴、楽しんできてください!」


 私が言うと、旦那様は動きを止めた。

 おそらく、驚いていますね。白い布で隠れていても、なんとなくわかります。


「くっくっくっ。やはり、我の妻は強いな。完敗だ」


「違いますよ、旦那様」


「違う、とは?」


 ふふっ、それはですね、旦那様。


「私は、旦那様が隣にいてくださるので、強くなれるのです。一人では、絶対に強くなどなれません。――――いいえ。生きることすら出来ません。なので、お互い様です」


 言い切ると、旦那様はフッと口元を緩ませます。

 手を私へと伸ばすと、抱き寄せられました!?


「だだだだ、旦那様!?」


 見上げると、白い布の隙間から、藍色の瞳が覗きます。

 綺麗で澄んでいる、藍色の瞳。私が大好きな、旦那様の瞳。


「やはり、完敗だ、華鈴よ」


 私の額に、旦那様はキスを落す。

 優しい、旦那様らしいキスを。


「我には華鈴だけだ。絶対に、何が合っても、な」


「はい。信じています、旦那様」


 旦那様は、絶対に私を裏切りません。

 信じていますよ、旦那様。


 ※


「話したらしいな」


「はい。これで、我は心置きなく宴へと向かえます」


 廊下で待ち構えていたのは、ニヤニヤと笑っている父上。

 なんとなく、父上の手のひらの上で転がされているような気もしますが、いいです。


 華鈴に不安な気持ちをさせるくらいなら、手駒にされます。


「では、宴の返事をしよう」


「…………………………………………はい」


「長い沈黙だな。覚悟を決めたのではないのか?」


「覚悟は決めました。ですが、嫌なものは嫌なのです」


「男に二言はないだろう?」


「…………はい」 


「…………今回は、ワシが返事を書こうぞ」


 え、それはいいのか?


「ですが、父上。我に届いた手紙を父上が書いてもよろしいのでしょうか? なにか、へんに思われませんか?」


「いいのだ。それに、もうそろそろ一度、言わなければならんこともあるからな」


 言わなければならないこと?

 なぜか、父上の表情が険しく歪む。何かを思い出しているみたいだ。


「安心せい。変なことは書かんぞ」


「は、はぁ…………」


 父上は我の頭を撫でると、手を振りながら廊下を去って行った。

 おそらく、返事を書くために自身の屋敷へとお帰りになられたのでしょう。


「……………………いい加減、本当に覚悟を決めなければなならんな」


 もしかしたら、我が直接既婚だと言えば、もう誘惑と言った迷惑行為をされずに済むかもしれぬ。それを期待しよう。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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