11ー4
「華鈴、ものすごく可愛いな。普段の華鈴からは想像できん。今日は、似たようなものを買おうぞ」
「え、え!?」
お褒めのお言葉は嬉しいのですが、似たような服を買うのはなぜ!?
「そうと決まれば、早く行こうぞ」
旦那様が私の手を握り部屋から出ようとします。
その時、初めて今の旦那様をしっかりと見れました。
いつもの着物ではなく、現代の服を着ているみたいです。
黒いスキニーズボンと、だぼっとした柄付きTシャツ。上にはフード付きのパーカーを着ております。
首元には黒いサングラスを引っかけており、動く度揺れております。
か、かっこいい。かっこいいです。
見惚れていると、二口女さんが旦那様を呼び止めました。
「七氏様、少々お待ちください」
「む? どうしたのだ?」
「少し、髪をまとめましょう」
「い、いや、我は……」
ニコニコと笑みを浮かべながら、二口女さんが櫛と赤い髪紐を持ってきました。
どのようにまとめるのでしょうか、どのようになるのでしょうか。
今まで旦那様は、髪をまとめたり結っ足りしませんでした
なので、ものすごく楽しみです!
期待しながら旦那様を見上げますと、なぜか苦笑いを浮かべられました。
なぜでしょう……。
「わかった、頼めるか? 二口女」
「お任せください」
一度手を離し、旦那様は部屋を後にします。
後ろに続き、二口女さんが私に一礼をし行ってしまわれました。
どのような旦那様も美しく、かっこいいのでしょう。
楽しみ過ぎて、顔が緩んでしまいます!!
はしたない顔を浮かべないように頬を抑えていますと、後ろから鎌鼬さんに肩をぽんとされました。
「奥様、こちらも少々髪を結いませんか?」
「え? ですが、私は自分で髪を結うことができませんので」
「そこは、私が行いますよ。では、やりましょう」
「え、え?」
鎌鼬さんが私の背中を押し、化粧台の椅子に座らされてしまいました。
「失礼しますね」
「お、お願いします?」
私の黒い髪をまず櫛で梳かし、二口女さんが持っていた髪紐と同じ色の紐で、私の髪をまとめてくださいます。
――――静かな空間。私の髪を触る鎌鼬さんの手が優しくて、心地よいです。
少し眠たくなってきてしまいました。
ウトウトしていると終わったみたいで、鎌鼬さんが鏡を見せてくださいました。
「わぁ、すごい」
私の髪は今、ハーフアップされております。
ただのハーフアップではなく、横髪をくるくると回されており、結び目から余った紐をたらし、私が顔を動かす度に揺れるようになっています。
「鎌鼬さん、この髪型、ものすごく嬉しいです! すごいです! ありがとうございます!!」
「このような簡単な物しかできませんが、少しでもお役に立てたのなら光栄です」
何度も何度も鏡を見て、顔を右、左と揺らしてしまいます。
すごい、可愛い、素敵。私も、このような髪を自分で出来たらいいのですが……。
まじまじと鏡を見ていますと、旦那様が戻って来ました。
「またせて悪かったな、華鈴――む?」
「あ、旦那さ……ま……」
――――だ、旦那様!! 旦那様の銀髪が、銀髪が!!
「かっこいいです旦那様!!」
「お、おう。華鈴も可愛いぞ」
旦那様の右横髪はみつあみになっており、後ろは一つにまとめられております。
上の方で結んでいるため、旦那様が顔を動かすたび、ふわふわの髪が揺れております。
赤い髪紐がゆらゆらと揺れており、素敵です!
「もう、七氏様。もっとかっこよくできると言っているでしょう? まだ完成ではありませんよ!」
「うっ、い、いや。もうこれでよいぞ。これ以上、華鈴を待たせるわけにはいかぬだろう」
「そうですが……でも、もっとかっこよくさせてください。奥様もその方が嬉しいはずです!」
「ん、うーん……。す、すまない。これ以上は付き合ってられんのだ! 行くぞ、華鈴!」
「え、え!? 旦那様!?」
旦那様が私の手を握り、二口女さんの隣をすり抜け外まで走り出してしまいました!
後ろでは二口女さんや他の女中さんのお声が聞こえますが、旦那様は走り続けます。
「だ、旦那様?! いいのですか!?」
「良いのだ。あれ以上付き合ってしまうと、買い物の時間が減ってしまう。早く現代に行こうぞ」
そのまま、旦那様が準備していました馬車に乗り込み、走り出します。
ほ、本当によろしいのでしょうか。
息を整えながら横目で旦那様を見ますと汗が首筋から流れ、暑そうに首辺りをパタパタと空気の入れ替えておりました。
い、今まで隠れていた旦那様のうなじが、見えます。陽光で汗が輝いて見えます。
こ、これは、目に毒でございます!!!!
「…………む? ど、どうしたのだ、華鈴よ。目を塞いで……。何があった?」
「旦那様がかっこよすぎてしまい、私の目が潰れてしまうのでつい…………」
「それは、大丈夫なのか?」
「大丈夫です、旦那様がかっこよく素敵で尊いだけなので。あと数時間で慣れるかと」
「数時間かかるのか」
呆れているようなお声が聞えますが、すいません!!
今は本当に見ることができません!!
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