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生贄巫女はあやかし旦那様を溺愛します  作者: 桜桃
旦那様とお料理 修行編
48/95

9ー4

「私は駄目な嫁です、お掃除や料理が出来ない、駄目な嫁です」


 お二人の顔を見れず、壁側に移動し三角座りで懺悔中です。

 うぅ……。旦那様を喜ばせたかっただけなのに、またしても困らせてしまいました。


 二口女さんも、忙しい中私のために時間を割いてくださったのに……。


 私は、なんでこんなにも出来ないのでしょうか。

 なぜ、迷惑をかけてばかりなのでしょう。


 何か出来るようにならなければ、また捨てられてしまうかもしれません。


 ――――そんなの、絶対に嫌です、今の生活を手放したくありません。旦那様や二口女さん達と離れたくないです。


 ですが、私がいると迷惑をかけてしまいます。

 私のわがままだけで、他の人に迷惑をかける訳にはいかないのです。


 でも、でも……。



 ――――――ふわっ



 涙を我慢し俯いていると、後ろから甘い香りと共に優しい温もりに包まれます。

 横を向くと旦那様が黒い布を横にずらし、私を夜空のような藍色の瞳で見つめておりました。


「だ、旦那様?」


 後ろから抱きしめられています、心臓が高鳴り顔が赤くなってしまいます。

 ど、どうしたのでしょうか。めんどくさい態度を取ってしまったため、怒ってしまわれたのでしょうか。


「あ、あの、あの……?」


 一人で慌てていますと、旦那様がフッと笑いかけてくださいました。


「華鈴、失敗は誰にでもあるのだぞ。一度うまくいかなかったとしても、諦めず何度も繰り返す事により出来るようになる。ぬしなら出来るようになると、我は信じておるぞ」


 旦那様のお言葉に、二口女さんも後ろで小さく頷いております。


 …………そうです、なんでも一回で出来るなんてことはありません。

 何度も何度も繰り返し、それで成功していくのです。


「華鈴、まだまだ練習できるぞ、共に頑張ろうぞ」


「はい!! ありがとうございます!!」


 私はバカ者です。こんなにお優しい旦那様が、私を捨てるなどありません。


 旦那様は、私を信じてくださっています。

 なので、私も旦那様を信じます!!


 気合を入れ直しますと、二口女さんが準備を始めてくださいました。


「では、また先ほどと同じように行っていきましょう、奥様」


「はい、よろしくお願いします!!」


 旦那様と共に再度鍋の前で菜箸を握り、水分をしっかりと拭きとり、油が温まるのを待ちます。

 その間、旦那様と二口女さんは、私を囲い見守ってくださっております。


 今回こそ、絶対に失敗しません。必ず、成功させます。


 油が温まるのを待っていると、旦那様が菜箸を掴んでおります私の手を握ってくださいました。

 どうしたのでしょう、私ならもう大丈夫ですよ?


 旦那様を見上げると、なにやら難しい顔を浮かべております。


「旦那様?」


「い、いや。やはり、油跳ねを抑えられる方法があると言っても、危険なことには変わりはない。華鈴が火傷しないか、怖いものは怖いのだ。だが、華鈴が練習したいのを止めるのも我にはできん。だが………」


 先程とは違い、旦那様が不安そうに鍋を見つめています。


 ――――ふふっ。旦那様を見ると、気持ちが落ち着きました。


 旦那様、可愛いです。

 今も心配の声が口から零れておりますよ。


「油も温まりましたので。奥様、唐揚げのご準備をお願いできますか?」


「は、はい!!」


 旦那様が私から手を離してしまい少し寂しいですが、また時間をかけてしまうと煙が出てきてしまうので我慢です。


 息を飲み、唐揚げを掴み鍋の上に添えると、タレが落ちてしまい、じゅわっと音をたて油が少々跳ねてしまいました。


「ひっ!」


「大丈夫か! 華鈴!」


「だ、いじょうぶです!」


 負けられない、私は負けませんよ!!


「………………?」


 旦那様、自分が入れる時より緊張しているように見えます。

 それだけ私を心配してくださっているという事でしょうか。自惚れでしょうか。


 …………いえ、今はスピード勝負です、頑張りますよ華鈴!!


 深呼吸をし、再度油に集中。

 パチパチと音を鳴らしているので正直怖いですが、やるしかありません。


 震える手で唐揚げを油にゆっくりと寄せ、優しくを意識して油に入れます。


 ――――ジュワァアアア


 っ!! 油が跳ねてしまいましたが、無事にお肉を投入できました!!


「だ、旦那様!! 出来ました、出来ましたよ!!」


「あぁ、見ていた。よくやったぞ華鈴!!」


 旦那様が私の頭を撫でてくださいました、嬉しいです!!

 この調子で次々と唐揚げを作りますよ!


 途中からは跳ねないように入れるコツも掴め、最後にはスムーズに揚げられました。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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