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生贄巫女はあやかし旦那様を溺愛します  作者: 桜桃
旦那様とお料理 修行編
46/95

9ー2

 旦那様は不安そうに私を心配してくださっております。


 私がいくら大丈夫と言っても、納得はしていただけません。

 それだけ、旦那様の顔にある火傷がトラウマとなってしまっているのでしょう。


「旦那様、本当に大丈夫ですよ。それに、私は一人で行っている訳ではありません。二口女さんとご一緒させて頂いておりますので、ご安心してください」


「むむむ、そうか。華鈴がそこまで言うのなら、まぁ……」


 ふふっ、旦那様は本当にお優しいです。

 ですが、旦那様は今もまだ不安そうです。どうすれば安心していただけるのでしょうか……。


 うーん…………あ!! 

 いいことを思いつきました!


「でしたら、旦那様もご一緒にやりませんか?」


「我もか?」


「はい! 一緒にやって頂けたら心づよっ──あ」


 な、何を言っているんですか私! 旦那様はお仕事の合間に来てくださっているのですよ!

 それなのにこのようにお誘いをしてしまっては、旦那様のお仕事の邪魔をしてしまうことになります!


 私が訂正しようとすると、旦那様が先に笑みを浮かべ頷いてしまいました。


「よし、我もやってみようぞ。今までは、母上が台所にすら入れてくれんかったからな。新しい経験として頑張ろうか」


 腕を巻くり、やる気満々な旦那様が私の隣に立ち、目の前にあるお肉が浸かれている入れ物をジィっと見つめます。


 私は思わず、そんな旦那様を横からじぃっと見てしまいます。


 正面から見る旦那様もかっこいいのですが、横から見る旦那様も素敵です。

 黒い布で表情は確認出来ませんが、ワクワクしているような空気が私にまで届きます。


 気づかれないように笑っていると、後ろから二口女さんの声が聞こえました。

 どうやら時間になったため、戻ってきてくださったようです。


「おや、七氏様、このような所で何をしておられるのですか?」


「む、二口女か。我も華鈴と共に料理をしてみたいと思ってな」


「今回は唐揚げなので油がはねて少々危険ですよ? 奥様にも見ていただく形をとろうと思っていたのですが…………」


 え、私――そもそもやらせていただけないのですか!? やる気満々だったのですが……。


 二口女さんの言葉に思わず唖然としてしまいました。

 そこを横目で旦那様が見ていたらしく、なにやら考え込んでいます。


 ? 何を考えておられるのでしょうか。


 旦那様を見ていますと、黒い布の隙間から見える藍色の瞳と目が合います。


 …………はっ、じぃっと見てしまいました!! 

 不快に思われたらどうしましょう、何も言わずに見つめるなど不愉快極まりなかったかもしれないです!!


「す、すいません! じぃっと見てしまって、煩わしかったですよね……」


「そのようなことはないぞ。我を見たいのなら思う存分見るがよい。その代わり、我も華鈴を見るけどな」


 っ、旦那様が黒い布を少しだけめくり、藍色の瞳で私を見つめてきます!


 もう私は旦那様の素顔を見ているので、隠す必要がないと思っているのでしょう。遠慮がないです! 

 かっこいい素顔でここまで見つめられてしまうと顔が赤くなって、だらしない顔を晒してしまいます!!


「――――ごっほん!!! あの、もしいちゃつきたいのなら、部屋に戻っていただいてもよろしいでしょうか、七氏様?」


 …………あ、二口女さん、少し怒っております。笑顔を浮かべて怒っております。


 彼女の怒りは私ではなく旦那様に向けられているようです。

 視線を追いますと、旦那様の顔が真っ青になっておりました。


「すまん…………」


「あ、いえ、あの! 私が思わず旦那様を見てしまったからなのです!! 旦那様は私の失態をかばってくださっただけなのです!」


 必死に弁明していますと、旦那様と二口女さんが目を丸くして私を見てきます。

 何か変なことでも言ってしまったのでしょうか、必死すぎて何も覚えておりません……。


「…………氷璃様とは違い、天然でいちゃついておられるんでしたね、奥様……」


「え、え? 大丈夫ですか二口女さん!? どこかお体悪いのでしょうか!?」


 いきなり二口女さんが頭を抱えてしまいました。

 どうしたのでしょうか、体調が優れないのでしょうか。無理に来てしまったのでしょうか!?


「いえ、私は大丈夫ですよ。ただ、七氏様には少々言いたいことがありますが…………ね?」


「うっ、すまん…………」


 …………お二人が視線だけで会話しております。

 私には、お二人が何を言いたいのかまったくわかりません。


 …………むぅ、二口女さんと旦那様、仲がいいです。何も言わずとも通じ合っているの、うらやましいです。


 むむ……。た、確かに、私は旦那様とのお付き合いはこの屋敷の中では一番短いです。

 奥さんという立場ですが、まだまだ知らないことがたくさんあります。


 ですが、ですが!!!


 二口女さんがうらやましいですぅぅぅぅうううう!!!! 

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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