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ただの豚とは言わせない  作者: 紫護
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04:報復の第一歩

 オークキングの極一部は記憶の継承や他の臣下眷属達からも継承するらしい。 


 らしいと言うのは本人から聞いたのと捕まえたキング達からはそれが感じられない程、野生化していたからと言えば良いのか、私でもよく分からない。


 彼が言うには自分以外は成長など他の能力に大きな開きがあるらしいのだ、だが、彼が鍛え上げ常識観念をぶち壊し下法に手を染めたオーク達は他のオーク達とは外見からして違う。


 先ず、そこら辺に生息しているオークの色はゴブリンが緑でその色素を薄くした若草色だ。 

 だが、彼の秘術を使うと色自体が変わる。


 黒色のオーク、赤色のオーク、黄色のオーク、そして頂点に灰色のオーク。 オークの頂点である証としてイチモツに普通とは違う変化がある様だ、初代は確実に雌を発情させ孕ませる力、そして彼は二本、つまりは灰色のオークで特別な何かがある者だけが頂点である証とも言えるだろう。


 この書物が他の人類への警告になる事を祈る


亡国の王家の鮮血姫騎士

  ルーナ•S•イリューミネイト



 ツルハシと槍を作ると言ったが、言葉をそのまま受け止めた様で、川から丸く手頃な石を持ってきて蔓で削った木の棒に括り付け、声高々に宣言する。

 

 俺は首を横に振り、手頃な石と魔術で作った平らな石台に置き、もう一つ石を取り、コツコツと地道に石を打ち付ける。


 他の者達も集まり、作業を真剣な眼差しで眺める、次は自分達が自分の武器を造るからだ。


 絶妙な力で石を割ってから端を石で叩き削っていき、完成した穂先となる石を棒に巻き固定してから本締めして具合を確かめる。


 他の者達も早速始め、悪戦苦闘している。

 すると翡翠の瞳のエルフが俺に近寄って来た。


「どうして、今更石槍の作り方なんて教えてるの?」


 多少濁った声で語りかけて不思議な眼差しで俺を顔を覗き込んできた。


『今更、木の棒をぶん回すだけではいけない、より硬い石を取り、武装しないとこのままでは里を捨てた時、困る。 素手で狼は殺せない、熊への牽制にもならない。 それではただの家畜以外の豚に成り下がるだけ』


 説明したが理解出来なかったのか首を傾げる翡翠の瞳のエルフ


「魔法で攻撃か、作製すれば良いじゃないかしら?」


 それは出来ないと首を振ると他のオークが魔法を使えないと思い出した様だ、左手で皿を作って右手でポンと下ろす仕草が妙に様になって見える。


 『知恵袋は魔法が使えても、我らは土に親和性があれど元々は壁となる戦士だ』


 文字の知恵袋を丸で囲い翡翠の瞳のエルフを指差し、ブピッと鳴く。


 彼女は眉間に皺を寄せ不服そうな態度をとるが、他のオーク達にも言って浸透させている為否定しても無駄に近い。

 

 これを既成事実と言う


 『それに、貴女の重要性を知らしめれば、襲われなくなる。』


 オークの種は射出されれば必ず身籠ると言う、翡翠の彼女は間に合ったが、他の女性達は間に合わず身籠もってしまった。


 五日で臨月になり六日目で出産すると言うより、産まれ堕ちる。


 そして十日で成体へと至る様だが、彼女が言うには、三日で俺は出産されたとの事、それも族長が身籠もっているオーク女性と励んでいる時に破水し出産したとの事だ。


 この事から考えても尋常では無い成長速度であるが、俺はその二倍の速度、強い訳である。


 話が逸れたが他のオーク達が翡翠の彼女を特別視すれば、彼女を守ろうとする。


 そんな地雷を踏み抜けば里の血祭り再来である。


 合計百五十も居た里が今や、数は百十である。


 見張り四十、狩猟十、採取十、女性四十、その他五十だったのが、四十匹を殺害した為に。


 見張り二十五、その他が二十五にまで雄が減った。


 それに暴れたお陰で俺に付いたオークと女性含め約七十。

 

 里としては壊滅的である。


 では長としてどうすれば良いのか?、簡単である。


 殺すか、カリスマいや、求心力を見せ付け、魅了すれば良いのと、恐怖支配すれば良いのだ。


 だが、長は俺を排除する事が出来ない。


 理由は暴れている俺を真っ向から捻じ伏せ殺せばそれで終わったが、里一番の強さを誇ると言われていた長が助けもしなく、建物から出てこなかったのが原因だ。


 だからこうやって掻き回してやると、威張り腐ってる奴ほど焦り、苛つきが募り、何もかもが身に付かなくなるものだ。


 尊大で図太い奴は苛つきで八つ当たりなどで暴れるだろうが、長の様な性格は威張るが自分より強いと臆病になり、焦り早く居なくなって欲しいと思う筈だと俺は踏んで居る。


 その為にはこうやって武器を作る準備を隠さずに行っているのだ。


 全ては内部分裂し、弱体化させ、じわじわと首が絞まるのを実感させる為に。


 

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