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ただの豚とは言わせない  作者: 紫護
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始まり

 豚人と書いてオークと読む、ハイオークになればそれは猪人に変わる。

 それは元々の種族に戻ったとも言える、家畜から野生を取り戻したとも。

 その中でオーク種での階級になるとこれまた岐れる。


 私はオークを恐怖し愛するが故に記す


 平民 殆どがこの階級である、オーク本来の能力しか持たない


 弓兵(アーチャー) ちょっと祖先である猪に遡った者


 兵士(ソルジャー) 祖先由来の固さと力を備えた者


 術師(メイジ) 兵士程の身体能力は無いが知力が他より高く魔術妖術など古代魔法を使用する。


 騎士(ナイト) 統率と防衛の要、種類は多岐に渡る。特徴的な能力は自前の恵体を活かし盾を構え隊列を組みながらの行軍は歩く分だけで城壁が広がると言われる程、硬く攻めにくい上に後ろからの援護も来る為、正に鉄壁である。 


 重騎士(ジェネラル) 兵士、騎士職の最上位である為騎士としての能力と知能を備え、王の為なら喜んで死ぬ忠臣、それ故に王により引き立てられなければ、なれない最高峰の恵体を要する。 簡易的な魔法も使用し四人一組で行動する。


 妖術師(ソーサラー) 術者の最上位に位置し、王の左腕となるのが居る程賢く殆どが重騎士と組み、後方支援並びに最大火力担当である為魔術と妖術のエキスパート、新しければ作れない薬は無く古い薬すら作る、故に重騎士の様に重宝される、そして王の為なら味方共々肉の盾になる程の忠臣。


 王 統率に優れた者でありながら重騎士より堅く、妖術師より魔法を弾く規格外の生物、だが、これは真の王であるロードのみである。 殆どがキングで止まり、ロードにはなれない。 どちらも王というカテゴリーながらもキングは威張るがロードは風格を漂わせ格の差で臣下を従わせる。


 ロード種は灰色の皮膚に目の下にまで牙が伸びている、幼少の頃に天敵を殺し、成人の儀を完遂し、更なる力を付け先祖返りを果たす覚悟がある種のみに成れる、そして先祖返りをした種はハイオークロードとは呼ばれない。


 ???


 追記、彼らに聞いた事だが、何故職が上がると弓兵が居なくなるかと言う疑問は、優れた者は三本の槍と大弓を持つから消えるそうだ。

 彼らは誠、強靭に生まれ変わったと言えるだろう。


 著者 ルーナ•S•イリューミネイト


 突然だが、転生したらどう思うだろうか?

 つまらない現実を抜け出せた事への歓喜だろうか?

 俺チートヒャッハー! だろうか?


 草を通り越して大草原も良いところである。

 転生した事は理解できた、名前や記憶の引き継ぎなどは出来ずに、転生した事だけを理解させられたままの意識の覚醒である。


 だから言おう、転生したらどう思う、俺は怒りだった。


 何故、オークなのだと。


 豚の頭を持ち首から下は脂肪に包まれながらも筋肉を内包した肉体を持つ人間と豚が混ざり合った様な形状は正にオークである。


『我々は衰退している』 『我々はどんな種族だろうと子孫を孕ませられる』 『故に他の種族から忌み嫌われる』『他の種族からは家畜と蔑まれる』『だからこそ』


 頭に直接聞こえてくる声、それにも怒りを覚える。


 自分の声だろう産声が怨嗟の声に代わる様に声高々に吠える、自分を見ていたオークは自分を見てニヤリと笑み、優しく撫でる。


『どうか、我々を救ってくれ我らが王よ』『我々の光よ』


 声がどんどんと遠くなって消えると肉体に暴力的なまでの力が湧き上がりどう戦い、どう鍛え、どう唱えるのかが強制的にダウンロードされていく。 そうダウンロードだ、声の主だろう者達の記憶と感情と共に。


 彼らは元々はハイオークだった、それが王の崩御と共に二つに割れた王の意志を継ぐ者達と力のままに暴れる者達に。


 王の意志を継いだ者達は山と海に囲まれた地に王墓と要塞を築き、戻ったきた同胞達を砦の壁に朽ちるまで磔にした。


 野へ下った者は森へと住まいを作った、ミノタウロスやエルフや人間の女を攫い、孕ませ今日(こんにち)まで生を繋いで来たが、それも殆ど限界に近い様だ。


 ミノタウロス達の雌は人間に近い見た目で美形が多く闘牛種と乳牛種などの種族が入り乱れている上に、彼らは紳士なのだ、女性には優しく清潔を心掛けている程である、蛇足だが、ミノタウロスと人間の女性が結ばれて所帯を持った者もいる。


 エルフ達は森に住まう者達の守護者なのだが、何百年も後に住まわせて貰っている分際で傲岸無知の恩知らずのばかりか娘達を攫い、種族の繁栄を優先した野蛮人でしか無かった。 


 それを乳幼児な自分に知らせた祖霊達は憎かろうとも滅んで欲しくは無い様だった。


 今生の父親と母親を愛せるかどうかは分からないがやれるだけはやろうと声の主達に誓った、怒りの限界が過ぎるまでのリミットまでだが。



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