第3話 再会
作者の実力不足で過去編が出来ませんでした
とりあえず部屋に瑠奈を連れて、シャワーを浴びさせた。
「・・・ありがとう」
「とりあえず服は今日は乾かないから俺の服着てて」
「ごめんね・・・」
「それじゃあ俺もシャワー浴びてくるから」
「うん・・・」
シャワーを浴びて、服を着替えてリビングに戻った。
すると瑠奈が椅子に座っていた。
そこでも泣きそうになっていた。
「はい。お前が好きなカフェオレ」
「ありがとう・・・」
瑠奈が好きなカフェオレを2人分作り出して俺も椅子に座った。
「それで、なんであんなところにいたの?」
聞きたいことは色々とあるがまずマンションの前に立っていた事を聞いた。
「・・・こうでもしないと侑月が会ってくれないと思ったから・・・」
俯きながら瑠奈はそう答えた。
「けどあんな事しなくても良いだろ? いつからいたの?」
「2時から・・・」
「は!? 今7時軽く超えてんだよ!? じゃあ5時間いたの!?」
「うん・・・」
俺の質問に答えるもののまだ俯いた瑠奈を見て1度ため息をついた。
「あのな、待ってくれるのは別に良いよ。けどもう少し考えて動きなさい。普通に考えても俺が帰ってくるのは3時とか4時とかだろ? 」
「けど侑月ってサボる時とかもあるか・・・」
「確かに今日は早退してたけど。はぁー・・・ これは俺が悪いよ。けどこんなことは辞めてくれ。何かあってからじゃ遅いんだから」
「・・・ごめん・・・」
「別に怒ってるわけじゃないから。本来の目的はなんなの」
そう問いかけるとさっきよりも瑠奈のテンションが下がったのが分かった。
「・・・本当は謝りに来たんだ」
「何を?」
「・・・わ、私が浮気をしたから」
瑠奈は泣きながらそう言った。
「認めるの?」
「う、うん。けど話を聞いてほしい・・・」
「それは良いよ」
「侑月は私が男の子と手を繋いでるのを見たんだよね?・・・」
「そうだよ。最初は兄弟かなとか従兄弟かなって思ったけど瑠奈はいないでしょ?」
「うん・・・。 従兄弟も女の子だから」
「それじゃああの男は誰なの?」
自分でも驚く程に冷たい声で聞いた。
「あの子は大学の同級生・・・ 同じサークルの子・・・」
「そう言えばあの日サークルの子達と出掛けるって言ってたな。」
「うん・・・ 最近は侑月とあんまり会えてなかったでしょ?・・・」
「うん。俺の用事とかだからそれは申し訳ないと思ってる」
「それで空いてる時間が増えたからサークルに前よりも行くようになったの・・・」
「それは言ってたね」
「そのサークルの中に私の友達がいるんだけど・・・ その友達がその子の事が好きなんだ・・・
それでその子に頼まれて何人か出掛けてたの」
「うん」
「・・・それでその日にたまたまその子と2人でいる時があったの・・・ その時に告白されて・・・」
先程から侑月は泣きながら話してくる。
「その告白と同時に手を繋がれて・・・ 私も離してって言ったんだけど・・・ どうしてもって言われたから・・・」
「多分俺はその瞬間を見たんだろな」
「そうだと思う。けど繋いでちょっとしたら侑月の顔が思い浮かんで離したんだ・・・それに一瞬だけど侑月が見てるような感じがして。そのまま侑月の家行こうと思ったんだけど・・・」
「その前に俺が電話したのか・・・」
「うん・・・」
一通り話を聞いて分かった事がある。
「これは俺が悪いな。俺がなんの確認もせずに思い込んで勘違いしたから」
「違うよ! 私が悪いんだよ・・・ そんな状況にした私が悪いんだよ・・・」
「だって、俺が一方的に悪いんだから。瑠奈にはいつも我慢してもらってたのに・・・」
「それを言ったら私の方が我慢してもらう事多かったと思う・・・」
「ほんとに俺が悪いんだよ。いつも瑠奈が男となんかしてたりすると嫉妬とかするのに・・・」
「私だって嫉妬もしてたよ。それに今回は私が侑月の事を裏切ったんだがら・・・」
そう言ってまた顔を俯せた。
「・・・俺が言えないけど今回はどっちも悪かったって事?」
「・・・私が悪いんだよ」
「違うよ。確かに裏切られたと思ったけと、話を聞いたら全部俺が悪いんだがら。これは他の誰が聞いても完全一致で俺が悪いんだよ。とりあえず顔を上げて」
俺がそう言うと瑠奈が顔を上げる。
「多分このまま言っても意見は合わない。じゃあこの事は無いことにしよ」
「・・・それでいいの?」
「うん。だって瑠奈も悪い所もあると思う。けど俺も悪い所があるんだから。」
「・・・分かった」
「ねぇ侑月・・・」
「ん?」
話を終えてリビングのソファーに2人で並んで座っていた。
「この前の事は無しって事なんだよね?・・・」
「そうだよ」
「じゃあ・・・ 元に戻るって事だよね?・・・」
瑠奈が凄く緊張して、恥ずかしそうに聞いてくる。
「何が元に戻るの?」
その瑠奈を見て俺は少しからかいたくなった。
本来ならこんなことする立場じゃないが。
「・・・わかってるくせに・・・」
俺の反応に顔を赤くしながら瑠奈は文句を言ってきた。
「復縁するって事だよね・・・」
「照れすぎだよ」
「う、うるさいよ!」
照れてる事を指摘すると、瑠奈は少し拗ねたようた。
「ごめんって。拗ねないでよ」
「・・・で、どうなの?」
そっぽを向きながら聞いてきた。
「正直に言うと戻りたいよ。瑠奈も?」
「うん。私も」
「じゃあまた付き合う?」
「私はそうしたい」
「じゃあ一つだけ良い?」
「何?」
「もう1回ちゃんと言っていい?」
「え?」
瑠奈と付き合い始めたきっかけは俺が告白したからだ。
それに瑠奈が了承してくれて付き合うことになった。
だが今回の事で俺は瑠奈の事を振っている。
だからもう一度しっかりと言いたいのだ。
それを瑠奈に伝えると、
「わかった。良いよ」
と言ってくれた。
俺は隣りに座っている体を瑠奈の方を向けた。
「・・・高柳瑠奈さん。今回の事は改めてごめんなさい。瑠奈と別れてから生活があんまり楽しくなかったです。だから今までどれだけ瑠奈と楽しくできてかがわかりました」
この数週間、杏里や潤が家に来てくれたりしてくれていた。
2人と話したり、ふざけあったりするのは楽しい。
だが瑠奈と付き合っていた時の方が心の底から楽しめていたと思う。
「なのでまた2人で笑って過ごせるようになりたいです。もう一度付き合ってください」
数秒間の間が開いた。
「うん。こちらこそ改めてよろしくお願いします」
瑠奈はそう言って笑った。